子どもが育つ魔法の言葉

 「子ども」

批判ばかりされた子どもは
非難することをおぼえる
殴られて大きくなった子どもは
力にたよることをおぼえる
笑いものにされた子どもは
ものを言わずにいることをおぼえる
皮肉にさらされた子どもは
鈍い良心のもちぬしとなる

しかし、激励をうけた子どもは
自信をおぼえる
寛容にであった子どもは
忍耐をおぼえる
賞賛をうけた子どもは
評価することをおぼえる
フェアプレーを経験した子どもは
公正をおぼえる
友情を知る子どもは
親切をおぼえる
安心を経験した子どもは
信頼をおぼえる
可愛がられ抱きしめられた子どもは
世界中の愛情を感じ取ることをおぼえる

『あなた自身の社会―スウェーデンの中学教科書』
アーネ リンドクウィスト (著), ヤン ウェステル (著), Arne Lindquist (原著), Jan Wester (原著), 川上 邦夫 (翻訳)
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 「子は親の鏡」

けなされて育つと、子どもは人をけなすようになる
とげとげした家庭で育つと、子どもは乱暴になる
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもはみじめな気持ちになる
子どもを馬鹿にすると、引っ込み思案な子になる
親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる
叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
励ましてあげれば、子どもは自信を持つようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
誉めてあげれば、子どもは明るい子に育つ
愛してあげれば、子どもは人を愛することを学ぶ
認めてあげれば、子どもは自分が好きになる
見つめてあげれば、子どもは頑張り屋になる
分かち合うことを教えれば、子どもは思いやりを学ぶ
親が正直であれば、子どもは正直であることの大切さを知る
子どもに公平であれば、子どもは正義感のある子に育つ
やさしく思いやりを持って育てれば、子どもはやさしい子に育つ
守ってあげれば、子どもは強い子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば、子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる

『子どもが育つ魔法の言葉』 PHP文庫
ドロシー・ロー ノルト (著), レイチャル ハリス (著), Dorothy Law Nolte (原著), Rachel Harris (原著), 石井 千春 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569660231

この、ドロシー・ロー ノルトの詩は、2月21日に行われた皇太子殿下のお誕生日に際しての記者会見で引用され、話題になっています。
本を実際に購入されて読まれた方も多いのではないでしょうか。
まだお読みになっていない方は 是非読まれることをお薦めします。

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この詩に関しては、敢えて多くを語りません。

今日は、この詩に関連して、曹洞宗で読まれる経典 『修証義』第四章の一節をご紹介します。
原文は、福井の永平寺を開かれた道元禅師の言葉 です。

 「愛語」

愛語というは、衆生を見るに、先(ま)ず慈愛の心を発し、顧愛の言語を施すなり

慈念衆生(じねんしゅじょう)猶如(ゆうにょ)赤子(しゃくし)の懐(おも)いを貯えて言語するは愛語なり

徳あるは讃むべし、徳なきは憐むべし

怨敵を降伏し、君子を和睦ならしむること 愛語を根本とするなり

面(むか)いて愛語を聞くは 面(おもて)を喜ばしめ、心を楽しくす

面(むか)わずして愛語を聞くは 肝に銘じ魂に銘ず

愛語 能(よ)く廻天(かいてん)の力あることを学すべきなり

【現代語訳】
人に優しいことばをかけるということは、他人と接する時に、まず慈しみ愛する心をおこし、
心のこもったことばをなげかけることが大切なことです。
他の人に対して、優しい気持ちになるということは 母親が自分の子どもに接するのと同じで、
そのように優しいことばをなげかけることが愛語というものです。
良い所のある人は、誉めてあげましょう。 悪い所がある人には暖かい心で接しましょう。
敵対心や誤解、ストレスというものを解消し、 みんなが優しい気持ちになれるためには、
優しいことばを投げかけることが大切なことです。
相手が直接優しいことばをかけてくれると、顔も心も優しくなります。
また、間接的に聞いても、心に染み渡ります。
優しいことばをかけるということは、お互いが優しくなれるということを知っておきましょう。
そして実行していきましょう。
参考:『良寛入門』 栗田勇(著)

 

「和顔愛語」という言葉をご存知の方も多いことと思います。
簡単に言うと、愛語とは人に「やさしい言葉をプレゼントすること」です。

「愛語能く廻天の力あることを学するべきなり」とは、愛語には人を幸せにするだけでなく、人間の一生、ひいては国家、世界をも動かしてしまうほどの力があることを知りなさいということです。
この言葉から、道元禅師が愛語という「菩薩の行い(=菩薩行)」に極めて大きな力を観じていたことがわかるのではないでしょうか。

ここで言う愛語とは、名前を呼び挨拶をかける、人をほめたり微笑みかける、意見を尊重し、じっくり話を聞くなど、相手の人を認め、良い気分にさせることであります。
人はお互いを認め合い思いやりを持つことで、気持ちも通じ合います。
特に、子どもは幼いころに人格や性格が育まれます。子どもの頃に愛語の言葉や態度を多く向けることが如何に大切か、改めて考えさせられます。


最後に、この愛語についてのお薦めの本をご紹介します。
ドロシー・ロー ノルトさんの本にも負けない本です。
人間の一生をも変える愛語の力。愛語を受けて、学びや、 転じることの尊さなどを、とてもやさしい文章で語りかけています。是非読んで味わってください。

『正法眼蔵の愛語に学ぶ』 酒井大岳(著) 鈴木出版

http://fcreative.web.infoseek.co.jp/cgi-bin/webstore/webstore.cgi?003_03;%90%B3%96@%8A%E1%91%A0%82%CC%88%A4%8C%EA%82%C9%8Aw%82%D4;1529

投稿者: kameno 日時: 2005年3月20日 10:12

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