« 百日紅-猛暑が続く |
最新記事
| 貞昌院から観る スマートフェスティバル花火 »
2022年8月 2日
デジタル化が進展し、楽曲などの著作物が簡単に複製されたり編集されてニ次創作、三次創作を作ることができるようになりました。
また。YouYubeをはじめ、作品を発表できるプラットフォームも増えており、誰でも気軽にアップロードできる時代でもあります。
そのような便利な時代の中、著作権の所在に関する問題もいくつか発生しています。
一事例をご紹介します。
お経の﹁読経音声﹂など、通常は著作権を主張しない性質の著作物があるとします。
そこで、誰かが﹁〇〇経の読経﹂コンテンツを、自身の著作物として登録したらどうなるでしょうか。
YouTubeでは、コンテンツIDとして、クリエーターが自身の著作物を登録する仕組みがあります。
コンテンツIDとは、音楽や映像作品など、そのコンテンツの著作権所有者が自分であることをYouTubeに登録する仕組みです。
上記事例で挙げた﹁〇〇経の読経﹂がYouTubeに登録されると、以降、YouTube上に別の投稿者から﹁〇〇経の読経﹂が投稿されるたびに、その投稿が﹁著作権者の元コンテンツ﹂と照合され、﹁類似される﹂と判断された場合は、その投稿者に対しては下のような警告の通知が届きます。
Content ID を使用している著作権者が、お客様の動画内のコンテンツに対し申し立てを行いました。
動画はライブ配信中で、選択した公開設定は適用されたままです。しかし、この動画は著作権者により収益化されているか、この動画のアナリティクスを受信することが選択されています。
動画のタイトル: 〇〇経の読経
著作権で保護されたコンテンツ: 〇〇経
申立人: 〇〇︵コンテンツID登録者︶
次のステップ
問題がない場合、対応は不要です。動画を削除する必要はありません。
なんらかの問題のために著作権者または YouTube のシステムが誤認した場合は、異議申し立ての手続きを行うことができます。すべてのコンテンツを動画内で使用する権利を所有していることが確実な場合のみ、使用してください。
Studio の編集ツールを使用して、申し立てが行われたコンテンツを削除することもできます。
そして、投稿した動画には強制的に広告が付き、その収益がコンテンツID所持者に支払われるように設定されてしまいます。
コンテンツが通常の楽曲で、作詞、作曲、歌唱など、そのコンテンツの著作件が明確な場合は問題はありませんが、歴史的に広く読まれている経典を誰かがコンテンツIDとして登録している場合に問題が生じますです。
﹁〇〇経﹂が特定の誰かの著作物として登録され、著作権料がその特定の誰かに支払われるとしたら、そのようなことが許される訳はありません。
特に最近、このような事例にあたることが多いので、もしも同様の経験がある方は、キッパリと反論の﹁申し立て﹂をすることを強くお勧めします。
もし、﹁特定の誰かにより著作権が登録されている著作物﹂が曹洞宗の経典であったり、御詠歌であったりした場合は、曹洞宗宗務庁︵担当窓口‥広報係︶に報告をお願いします。
YouTubeのコンテンツIDは著作権者の作品に対する権利を守る仕組みであり、正しく運用されればクリエーターに収益が入る良い仕組みではありますが、このように正しい運用がなされない事例もありますので、注意が必要です。
■参考リンク
Content ID の使用︵YouTubeの説明︶
次へ: コンテンツ マネージャを設定する
Content ID は、著作権者が自分の所有するコンテンツを含む YouTube 動画を発見しやすくするための、柔軟性の高い自動識別システムです。
YouTube は、一定の基準を満たす著作権者のみに Content ID の利用資格を付与しています。著作権者が承認を受けるには、YouTube ユーザー コミュニティによって頻繁にアップロードされるような大量コンテンツの独占的権利所有者である必要があります。
また、YouTube は Content ID の使用方法について明確なガイドラインを定めています。YouTube は Content ID の使用と異議申し立てを継続的に監視し、これらのガイドラインが守られていることを確認しています。
著作権者には、対象となるコンテンツの参照コピーを YouTube に提出していただきます。YouTube はその参照コピーを使用して、アップロードされた動画をスキャンし、一致するコンテンツがないかどうかを確認します。一致するコンテンツが見つかると、YouTube は著作権者の希望するポリシー︵対象となる動画の収益化、トラッキング、またはブロック︶を適用します。
Content ID を使用する主なステップは次のとおりです。
1.コンテンツ所有者を設定します。
著作権者が Content ID の承認を受けると、YouTube パートナー マネージャーがコンテンツ所有者︵YouTube コンテンツ管理システムにおける著作権者を意味します︶を作成し、クリエイター ツールのコンテンツ マネージャ ツールへのアクセス権を付与します。著作権者はコンテンツ所有者アカウントを設定する必要があります。著作権者のニーズに合わせて、コンテンツ所有者と AdSense アカウントを関連付けるか、コンテンツ マネージャ ツールへのアクセス権を他のユーザーに付与することができます。
2.YouTube にコンテンツを送信します。
参照ファイル︵音声、映像、または映像と音声︶と、コンテンツの内容および著作権を保有している地域について説明したメタデータを送信して、著作権で保護されたコンテンツを YouTube コンテンツ管理システムに追加します。
YouTube は送信された各アイテムのアセットをコンテンツ管理システムで作成します。それに加えて、YouTube はコンテンツの種類と送信方法に応じて、再生可能な YouTube 動画、Content ID の照合用の参照、またはその両方を作成します。
3.Content ID がユーザーのアップロード動画をスキャンし、一致しているかどうかを判断します。
Content ID は、新しいアップロードとアセットの参照を絶えず比較します。一致する動画があった場合は、アセットの所有者に代わって自動的に申し立てを行います。申し立てが行われた動画には、YouTube に公開される前に、指定した一致ポリシーが適用されます。
Content ID は、アセットが作成される前にアップロードされた動画で一致しているものがないかどうかを判断する﹁レガシー スキャン﹂も行います。最近のアップロードや人気のある動画が最初にスキャンされます。
4.コンテンツを管理、監視します。
コンテンツ マネージャには、申し立ての確認や所有権の競合の解決といったアクションのタスクリストが含まれています。また、アナリティクス、収益レポート、コンテンツ管理ツールの全機能にもアクセスできます。