茨城で震度5弱、東京で震度4津波の心配なし
25日午後2時28分ごろ、関東地方で強い揺れを感じる地震があった。この地震で茨城県で震度5弱を観測した。気象庁によると震源は埼玉北部で、深さは約50キロ。地震の規模を示すマグニチュード︵M︶は5・6。この地震による津波の心配はないという。
︵産経新聞5月25日(月)14時33分︶
大きめの地震が関東北部を中心に発生しました。
茨城県で震度5弱。
比較的浅い地震でしたが津波の心配はなく、本震よりも大きな余震の心配も無いということです。
ところで、テレビの地震報道で必ずと言って良いほど流される﹁地震発生時の映像﹂ですが、これは却って誤解や不安を招く原因になるため、流さないほうが良いのではないかと感じます。
例えば、こんな感じ。
東海村の原子力関連施設が激しく揺れてしまって建物がよく見えません。
いったいどんな激しい揺れだよ!と突っ込みたくなりますが、アナウンサーは﹁カメラでごらんのように激しく揺れています﹂というコメント・・・。
この揺れの原因は、カメラがきちんと架台に固定されていないことと、超望遠で撮っていることによるもので、ほとんど地震の揺れが原因ではありません。
テレビ局屋上カメラの様子や、役所などのライブカメラ映像も同様で、カメラがきちんと建物に固定されていないことにより揺れが何十倍にも増幅された結果です。
例に出した﹁地震発生時の映像﹂の揺れの表現がどれだけ誇張されているのかを計算してみます。
実際の揺れは、震度5弱は、110~240gal、11~20kine程度﹃震度と加速度の関係﹄国土庁地震被害想定ツール手法解説による︶と考えられます。
対し、テレビの画面上から0.1秒間に5m程度動いていると読み取ると、その揺れの大きさは 5000kine ということになります。︵1kine=1cm/sec︶
よって、画面上の表現は250~450倍に誇張された揺れの表現ということになります。
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それをあたかも地震の揺れそのものであるかのような報道はどうかと思います。
映像を使うのであれば、映像が実際の揺れよりもかなり大きな揺れとなっていることと、なぜカメラが激しく揺れているのかを補足説明して報道する必要があるでしょう。
さらに言えば﹁地震発生時の様子﹂をきちんと伝えるのなら、カメラを高性能なスタビライザー︵ドローン撮影のようなもの︶に据え付けて、街の様子をきちんと捉えなければなりません。
まあ、テレビ局としては、画面が激しく揺れている方が﹁画になる﹂から、あえてその状況を変えようとはしないのでしょう。