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2012年8月 9日
曹洞宗では、グリーンプラン、省エネルギーへの活動を推進しており、その具体的行動指針のひとつとして﹁もったいないシール﹂をつくりました。
プリントアウトして、各家庭など身近な場所に掲示することで、節電や節水の意識を高めることができます。
﹁もったいないシール﹂ができました︵曹洞宗のページヘリンクしています︶
この﹁もったいない﹂という精神を世界中に紹介したのが、環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、ワンガリ・マータイさんです。
2005年の来日の際に一番感銘を受けたのが﹁もったいない﹂という日本語でした。
3R︵Reduce、Reuse、Recycle︶をたった一言で表せるだけでなく、かけがえのない資源に対するRespectが込められている言葉だとして、マータイさんは世界共通語﹁MOTTAINAI﹂として広めることを提唱しました。
地球環境に負担をかけないライフスタイルを広め、持続可能な循環型社会の構築を目指す言葉として世界に広がっています。
さて、この﹁もったいない﹂の具体的実践行動について、福島県の﹁もったいない50の実践﹂が実に良いので、ここに紹介します。
次に掲げる福島県の﹁もったいない50の実践﹂は、循環型社会の形成に向けて、﹁もったいない﹂の意識を呼び起こし、県民一人ひとりが自発的な行動を起こす動機付けとして例示するものです。
曹洞宗の﹁もったいないシール﹂を次の﹁もったいない50の実践﹂と組み合わせることで、より具体的な行動として深化させることができると考えます。
■﹁もったいない50の実践﹂
水
1水道を出しっぱなしにしないようにしましょう。
2油や生ごみは排水に流さないようにしましょう。
3洗剤は適量を使用しましょう。
4お風呂の水は洗濯などに利用しましょう。
5台所では水切りネットを使用しましょう。
6米のとぎ汁は、庭木や花壇にまいて肥料として利用しましょう。
自然
7身近なところに花や木を植えましょう。
8行楽でのごみは持ち帰りましょう。
電気・燃料
9使わない部屋の照明は消しましょう。
10休み時間の照明は消しましょう。
11コンセントを抜き待機電力を減らしましょう。
12見ていないテレビは消しましょう。
13夏のクールビズ、冬のウォームビズに努めましょう。
14冷暖房機器は適正な温度に設定しましょう。
自動車
15近い場所には車でなく、徒歩や自転車で行きましょう。
16燃費のよい車に乗りましょう。
17マイカー移動でなく公共交通機関を利用しましょう。
18アイドリングストップに努めましょう。
19車の相乗りに努めましょう。
20車の定期的な点検・整備を行いましょう。
衣服
21古着をリフォームして使いましょう。
22不要になった衣服は譲り合いましょう。
23衣類を生地にしてリサイクルしましょう。
紙
24紙は両面を使用し無駄に使わないようにしましょう。
25紙はリサイクルしましょう。
ごみ
26できるだけごみを出さないように努めましょう。
27ごみの分別は徹底的に行いましょう。
28生ごみを堆肥化してリサイクルしましょう。
29ごみのポイ捨てはやめましょう。
食品
30料理は食べられる量だけ作りましょう。
31食べ残しをしないようにしましょう。
32料理方法を工夫して、材料を無駄なく使い切りましょう。
33ばら売りや量り売りを利用しましょう。
食器等
34使い捨てのコップ、皿はなるべく使わないようにしましょう。
35できるだけ﹁マイはし﹂を使いましょう。
容器包装
36過剰包装を断りましょう。
37飲み物はペットボトルより水筒を利用しましょう。
38マイバッグ︵買い物袋︶を持参して、レジ袋を断りましょう。
39リターナル瓶を利用しましょう。
買い物
40フリーマーケットを活用しましょう。
41洗剤やシャンプーなどは詰め替え品を買いましょう。
42エコマーク等の環境にやさしい商品を買いましょう。
43買い物は必要なものだけ買いましょう。
製造・販売
44分別・リサイクルしやすい製品づくりに心がけましょう。
45過剰包装はやめましょう。
全般
46捨てる前にもう一度考えましょう。
47壊れたものは、できるだけ修理して使いましょう。
48手作りを楽しみながらリサイクルしましょう。
49できる限り地元でできたものを利用しましょう。
50先人の知恵や技を学びましょう。
このように素晴らしい地球共通語﹁もったいない﹂も、使い方を履き違えると、とんでもないことになります。
海水注入﹁もったいない﹂=東電本社、廃炉恐れ-吉田所長は反論・福島原発事故
東京電力福島第1原発事故直後の昨年3月13日、危機的状況にあった2号機原子炉を冷却するため海水注入を準備していた同原発の吉田昌郎所長︵当時︶に対し、本社側が﹁材料が腐っちゃったりしてもったいない﹂などと指摘していたことが8日、東電が公開したテレビ会議の映像で分かった。
圧力容器などが海水の塩分で腐食し、廃炉になるのを恐れたとみられる。東電は6月に公表した社内調査の最終報告で﹁本店対策本部を含め、事故収束に向けた対応をしていた﹂として、海水注入をためらったとの見方を否定していた。
映像によると、13日夜、東電本社で復旧計画の策定を担当する復旧班の人物から﹁海水からいきなりやるふうに聞こえていて﹂と疑問の声が上がった。肩書や名前は明らかにされていないが、この人物は﹁こちらの勝手な考えだと、いきなり海水っていうのはそのまま材料が腐っちゃったりしてもったいないので、なるべく粘って真水を待つという選択肢もあると理解していいでしょうか﹂と尋ねた。
これに対し、吉田所長は﹁今から真水というのはないんです。時間が遅れます、また﹂と強調。﹁真水でやっといた方が、塩にやられないから後で使えるということでしょ﹂と問い返した。
さらに吉田所長は﹁今みたいに︵冷却水の︶供給量が圧倒的に多量必要な時に、真水にこだわっているとえらい大変なんですよ。海水でいかざるを得ないと考えている﹂と断言した。
復旧班の人物は﹁現段階のことは了解しました﹂と了承したが、この後も復旧班から﹁いかにももったいないなという感じがするんですけどもね﹂と苦笑交じりの声が漏れた。
︵時事通信 2012/08/08-17:40︶
緊急事態における対応で、﹁材料が腐っちゃったりしてもったいない﹂という東京電力本社の海水注入を躊躇する発言です。
その後に起こりうる事象に思いを巡らすことができなかったのでしょう。
東京電力福島第一原子力発電所の水素爆発が﹁起こらなかった﹂場合と﹁起こってしまった﹂場合では、日本を揺るがすほどの膨大な損失を生み出し、天と地もの隔たりとして現れます。
﹁もったいない﹂の一言では言い表せないほど重いことです。
事故直後の対応についての検証は充分過ぎるほど徹底的に行なう必要があるでしょう。
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