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2012年1月22日
茶室脇の蝋梅が見ごろの盛りを迎えています。
蝋梅の﹁蝋﹂は﹁蝋月︵=12月︶に由来します。12月8日、釈尊成道に向けた坐禅を﹁蝋八摂心﹂と呼ぶのも、これが理由です。
今日は旧暦の年末の日、12月29日。
従って今日までが﹁蝋月﹂ですので、月末にずれ込んでいるとはいえ、名実が一致していることがわかります。
昨日の降雪の原因となった強い寒気団の影響で、今日も冷たい雨が降いでいます。
寒い日が続いたため、蝋梅は今年は例年より遅い開花でした。
裏山の梅園はまだ蕾が固く開花はかなり先になりそうです。
今日は曇って見えませんでしたが、雲の向こうには新しい月に抱かれた古い月のうさぎ (Old Moon in the New Moon's Arms) があったはずです。
そして明日は新月となり、旧暦の元日です。
さて、こちらの花は茶室の床の間に生けているサクラです。
サクラといっても特別な種類のサクラではなく、ごく普通のサクラ︵桜桃と彼岸桜の交配種︶なんです。
秋に気温が下がり休眠しているサクラを、時期を見計らって枝を切って温室に入れ、春が来たのだと勘違いさせることによりこの時期に花開かせます。
新春とはいえ、まだ実際には寒い中であっても、日本人にとって春の象徴であるサクラを新春に愛でたいという難題に挑んで出来たのがこのサクラ。
山形県の特産で、﹁啓翁桜︵ケイオウザクラ︶﹂といいます。
蝋梅と啓翁桜・・・一方は自然のままに咲き、一方は日本人の感性のままに求められて咲いています。
貞昌院の茶室の中と、外で同時に見ごろを迎えた二種類の花をご紹介しました。