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2011年11月27日
首都高速道路は、現在の﹁ゾーン別料金﹂︵東京区間、神奈川区間、埼玉区間︶を改定し、来年1月1日から距離に応じた料金制度に移行することを正式発表しました。
新しい料金体系は、ETC搭載の普通車については基本料金500円から6kmごとに100円加算、上限900円となります。
ただし、ETCを搭載していない車で、現金払いの場合は一律900円となります。
また、これに伴い夜間・日曜祝日のETC割引制度は廃止されます。
さて、距離別料金制度は、一見﹁公平﹂のように見えます。
しかし、発表された料金体系を見ると、必ずしもそうとはいえない部分も見えてきます。
⇒新料金で幾らになるかは首都高速のサイトでチェックできます。
長距離を走る場合には、東京区間・神奈川区間・埼玉区間のゾーンを跨いで走る場合が多く考えられます。
その場合は、おしなべて、現行料金よりも値下げとなります。
例えば、私が東北方面へ出かける場合によく使う ﹁磯子﹂から﹁川口JCT﹂︵距離 73.0km︶では、現行料金は 神奈川区間 600円+東京区間700円の合計1300円です。
新料金体系では、ETC料金 900円、現金払で900円です。
終点が埼玉区間の場合には、値下げ額はさらに大きくなります。
距離が長くなるほど高くなるということは必ずしもいえない、むしろ安くなる場合が増えるといってよいと思います。
さらに、極端な例ですが、狩場線の﹁花之木﹂から﹁阪東橋﹂までの区間︵距離0.7km︶を走った場合、
新料金体系では、ETC料金500円、現金払料金 900円です。
700mの区間が現金払の場合、900円ですよ!
新しい距離別料金制度は、現行制度に比べて、必ずしも短い区間ほど安くなり、長い区間ほど高くなるいうことは無いと考えたほうが良さそうです。
さらに、2つの問題点を挙げてみましょう。
︵1︶﹁ゾーン別料金﹂が無くなるということは、現在、神奈川と東京の境に設置されている料金所が無くなるということになる筈です。
とすると、横羽線~湾岸線を結ぶ長距離の﹁環状線﹂が出来あがり、サーキット代わりに利用する﹁輩﹂が増えるのではないでしょうか。
︵2︶そもそも、現与党政権は﹁民主党高速道路政策大綱~高速道路の無料化~﹂によって、高速道路を原則無料化し、ETCの必要性を無くすということを主張していたのではないでしょうか。
現金払の利用者に優しくない料金体系は、どうなんでしょう。
ETC普及促進のために購入費補助制度などを新設するとしていますが、野党時代の主張は何処へいったのか。
また、ETC利用には専用のクレジットカードが必要です。高齢者や無職の人などクレジットカードを持たない︵あるいは持てない︶方にはどのように配慮するのでしょうか。
Mr.ETCくんの陰の力が働いたのか?
Mr.ETC ©首都高速道路株式会社
このことを踏まえて、個人的見解としては、最低利用料金を引き下げた上で﹁ゾーン別+距離別料金制度﹂を提起します。
1km未満の区間は100円、高くても200円が精一杯でしょう。
最低料金はそこから始まって、段階的に最高900円まで、そして、神奈川⇒東京などのゾーンをまたぐゲートを通過する場合に、200円を加算・・・・とするなど検討の余地はたくさんありそうです。