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2011年8月13日
真の文明は
山を荒らさず
川を荒らさず
村を破らず
人を殺さざるべし
今日のNHKニュースで、3月下旬に福島県いわき市や飯舘村などの1149人の子どもを対象とした甲状腺被曝量を検査したところ、約半数の子どもの甲状腺から放射性ヨウ素による放射線が検出されたという報道がありました。
最も多い子どもで、35ミリシーベルトということです。
NHKの画面には﹁放射線微量 影響が出る値ではない﹂というテロップが流されています。
検査のの結果は、来週以降に国の対策本部から子どもや保護者に通知されることになっているそうですが、既に結果から4ヶ月近く経過してしまいました。
何故そんなに時間がかかるのでしょうか。
そして、もっと言えば、水素爆発前後の期間だけでも子どもたちや妊婦さんについて強制的に非難させて、内部被曝を防ぐべきではなかったのか。
実際に起こっている事象を隠して﹁ただちに影響が出る深刻な状況ではない﹂と発表し続けたことが正しかったのか。
今となっては、ただただ子どもたちに今後影響が出ないことを祈るばかりです。
東日本大震災が起きてから初めてのお盆を迎えた被災地。東京電力福島第1原発事故がいまだに収束しない福島県では、放射線の影響で自宅に戻ることができず、墓参りがかなわない被災者が大勢いる。﹁どこで仏様を迎えたらいいのか……﹂。先祖はおろか、震災で失った家族の供養もままならない被災者は、深いため息をつく。
原発北方の南相馬市鹿島区南右田地区は、沿岸部の墓地が津波に襲われ、墓石が跡形もなく消えた。砂浜のようになった墓地では13日、卒塔婆を地面に立てて線香や花を供える人たちがいた。墓地のそばの自宅が流され、市内の仮設住宅に住む男性は﹁どこか安全な場所にお墓を移した方が良いのかもしれないけど、代々お参りしてきた場所を離れるのはいやだし、迷っている﹂と話した。
立ち入りが制限されている警戒区域︵原発20キロ圏内︶に住んでいた人たちは墓参りすらできない。菩提︵ぼだい︶寺の住職には檀家︵だんか︶から悩みが寄せられるが、住職も県内外に避難している場合が多く、法要は避難先近くの斎場などを借りて行うしかない。
原発から約9.5キロ北西にある真言宗豊山︵ぶざん︶派清水寺︵きよみずでら︶︵同県浪江町︶の檀家の一人、宇佐見なよ子さん︵56︶は、原発事故で入院先を転々とした義母を亡くし、まだ納骨もできていない。事故直後、亡き夫が入る自宅そばの墓石が倒れているのが見えたが、﹁父ちゃんごめん﹂と思いながら、直す間もなく慌ただしく避難した。﹁義母を早くお墓に入れてあげたい。お参りができないのは申し訳ないし、つらい﹂と話した。
清水寺は12日、約55キロ離れた福島市の斎場で法要を営んだ。林心澄住職︵44︶は﹁お墓参りができずにつらいと思いますが、帰れる日が来ると希望を持って、お体を大切に﹂と約120人の出席者に語り掛けた。
原発周辺の寺の住職たちの間には、檀家の心のよりどころを取り戻そうと、寺や墓の移転を国と東電に求める動きも出ている。林さんら真言宗の住職有志は﹁東電原発事故被災寺院復興対策の会﹂を結成。今月中にも東電や国に対して▽本尊など文化財の早急な搬送▽檀家の墓を含む宗教施設の移転--などを要望する予定だ。他の宗派にも活動の輪を広げたいという。
県仏教会によると、檀家が菩提寺の住職と連絡が取れず、戒名のないまま葬儀をあげるケースもあったという。同会は﹁お盆行事だけでなく寺院は地域の絆の要、文化の中心としての役割を担ってきた。その崩壊を食い止める手立てを考えていきたい﹂と宗派を超えた連携にも前向きだ。
︵毎日新聞8月13日︶
今日は8月盆の入り。
被災地では、さまざまな理由でお盆のお墓参りすら叶わない方もたくさんいらっしゃいます。
そして、それぞれの地で地域の方々のために、僧侶を含めて多くの方々が活動されているということも忘れてはなりません。
記事の中の﹁お盆行事だけでなく寺院は地域の絆の要、文化の中心としての役割を担ってきた。その崩壊を食い止める手立てを考えていきたい﹂という命題をどう解決していくのか、真剣に考えていかなければならない難しい問題です。
冒頭は足尾銅山鉱毒事件の運動で有名な明治時代の元衆議院議員、田中正造氏の言葉です。
6月に開催された﹁総理・有識者オープン懇談会﹂の場で、坂本龍一氏から管首相に投げかけられたものです。
坂本氏の訴えは﹁菅総理!福島の子どもたち、妊婦さんを助けてください。お願いします﹂と深いお辞儀で締めくくられました。
総理は、国は、東電はどのようにこの言葉を受け止めたのでしょうか。