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2011年4月23日
修学旅行先﹁会津﹂回避 宮城の小中校で変更相次ぐ
春の修学旅行シーズンを控え、宮城県内の小中学校が日程や行き先の再検討に追われている。学校や家庭に東日本大震災の爪痕が深いためで、甚大な津波被害を受けた沿岸部の一部学校は実施を延期した。福島第1原発事故の長期化が影響し、仙台市内を中心に福島県会津地方だった行き先を変更する動きも目立っている。
各市町村教委によると、修学旅行の行き先は小学校が福島県会津地方、中学校は東京が大半を占める。
学区が大きな津波被害を受けた石巻市門脇中は、5月に予定していた関東方面への修学旅行を秋に延期した。平塚隆教頭は﹁旅行費用は積み立てを済ませており、実施する方向だ。家庭によって事情が異なる。保護者の意向を聞く機会を設けたい﹂と言う。
石巻市の小学校の修学旅行は例年、5月下旬~6月中がピーク。市教委学校教育課は﹁被害の大きい学校は、秋以降に延期するか、場合によっては中止もあるかもしれない﹂と話す。
気仙沼市面瀬小は6月に福島県会津地方への旅行を計画していたが、9月に延期した。行き先も岩手か秋田に変える。熊谷俊一教頭は﹁津波で家が流された児童もいるが、思い出深い学校生活を送らせたい。福島を避けるのは、万一を考えてのこと﹂と説明する。
仙台市立小学校では、会津地方だった行き先を変更する動きが加速している。市教委の22日までの集計によると、85校が会津地方を行き先にしており、うち83校が変更したか、変更を検討中という。
鶴谷小︵宮城野区︶は5月下旬に予定していた会津地方への旅行を盛岡市などに変えた。瀬戸幸子校長は﹁風評と分かっていても、福島と聞くだけで心配する保護者がいる。会津は毎回児童を温かく受け入れてくれた。こんなときにお返しできず申し訳ない﹂と苦しい胸の内を語る。
岩手行きを決めた北仙台小︵青葉区︶の星俊行教頭は﹁子どもの安全を考え、保護者全員の理解を得るのも難しいと判断した﹂と指摘。立町小︵同︶は具体的な計画を立てる時期にJR東北新幹線の再開見通しが立たず、時期を10月に遅らせ、行き先も岩手にした。
深刻化する会津観光への風評被害について、菅家一郎会津若松市長は﹁非常に残念。最近、栃木県の中学生を受け入れたばかりで放射線量も安全レベルと証明されている﹂と危機感を募らせる。
菅家市長は会津若松市と仙台市はともに、福島第1原発から100キロ前後の距離にあることを指摘。﹁積極的に情報を提供するので、ぜひ会津を訪れ、応援してほしい﹂と話している。
︵河北新聞 2011年04月23日 下線はkameno付記)
原子力発電所の事故は、さまざまな方面で震災復興の足かせになっています。
ただ﹁福島﹂というだけで、イコール放射線による影響を過度に心配したり、行き過ぎた反応が報じられています。
そのなかで、やるせない報道がありました。
宮城県の小学校では、修学旅行先として福島県会津地方へ行く学校が大半だそうです。
しかし、福島第1原発事故の影響により、そのうちのほとんどの学校が福島県会津地方への旅行を避ける動きにあるということです。
これはまさに風評被害以外の何物でもありません。
東日本大震災で被災した地域自らが風評を真に受けて、風評被害を引き起こしているという現実に、なんともいえない空しさを感じます。
﹁子どもの安全を考え、保護者全員の理解を得るのも難しい﹂ということですが、例えば福島第一原発からの距離は会津も仙台もほぼ一緒です。
先日の記事に見るように、放射線の影響度も、仙台と会津ではどちらも安全と言う意味でほとんど変わりません。むしろ会津の方が安全ともいえます。
﹁風評はデタラメである﹂と児童や保護者の不安を一蹴できない宮城県の学校の意識改革を望みたいところです。
福島から転居してきた児童へのいじめなど差別的事象が問題になっていますが、児童の見本となるべき学校全体で同様なことをしていては、まったく説得力がありません。
そして、東北地方同士でこんなことを行っていると、世界から見て、ああ、やっぱり日本って、東北って安全ではないんだ・・・・・と思われることも仕方ないように感じます。
自殺反対様
正しいものの見方ができる「眼」を養いたいものですね。
投稿者 kameno | 2013年9月21日 09:48