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2011年3月23日
東京都、乳児の水道水飲用控える要請23区など 金町浄水場、基準上回る放射性ヨウ素
東京都は23日、金町浄水場︵東京・葛飾︶の水道水から、厚生労働省が通知した乳児向けの暫定的な基準を上回る放射性ヨウ素を検出したと発表した。都は東京23区や武蔵野市、町田市、多摩市、稲城市の住民に対し、乳児が水道水を摂取することを控えるよう要請した。
厚労省は1キログラム当たり100ベクレルを超えた水道水について、乳児用粉ミルクを溶くために使わないよう通知している。都が22日午前9時時点で検出したのは同210ベクレル。
福島の一部野菜で高濃度セシウム 厚労省﹁摂取見合わせを﹂ 葉物など、最大では暫定規制値の164倍
厚生労働省は23日未明、福島県産の葉物野菜から暫定規制値を超える放射性物質を検出したと発表した。最も値の高いものでは、放射性セシウムが規制値の164倍だった。同省は、同県産のホウレンソウなど葉物野菜やブロッコリー、カリフラワーなどについて﹁当分の間、摂取を見合わせてほしい﹂と呼びかけた。
政府は同日中に福島県産の野菜について、原子力災害対策特別措置法に基づき、出荷停止だけでなく、摂取制限を指示するかどうか判断する見通し。制限の範囲を葉物野菜に限定するかどうかも検討するとみられる。
規制値の164倍の放射性セシウムが検出されたのはクキタチナ︵茎立菜︶という葉物野菜で、同県本宮市で21日に採取した。放射性セシウム134、同137がそれぞれ1キログラム当たり4万1000ベクレル検出されており、合計8万2000ベクレル。セシウムの暫定規制値は1キログラム当たり500ベクレルで、164倍に相当する。本宮市は福島第1原子力発電所から西に約60キロに位置する。
同原発の事故から10日過ぎており、同省は﹁このクキタチナを10日間、毎日100グラムずつ食べたとすると、年間に受ける自然放射量︵世界平均︶のほぼ2分の1に当たる﹂と説明している。
このほか21日に採取して検査した葉物野菜では、福島県田村市のホウレンソウが放射性セシウム合計4万ベクレル、川俣町のシノブフユナ︵信夫冬菜︶が同2万8000ベクレルなどに達した。ブロッコリーや小松菜などを含めて検査した35品中25品で暫定規制値を上回った。
クキタチナとシノブフユナは、ともにおひたしなどで食べる葉物野菜。JAによると、地元の直販所での取引が大半で、広く出回ってはいないという。
放射能の半減期は放射性セシウム134が約2年、同137は30年と長い。
また、茨城県鉾田市と同県行方市で21日に採取したハウス栽培のパセリからも暫定規制値︵1キログラム当たり2000ベクレル︶を上回る放射性ヨウ素などが検出された。水戸市と同県河内町で放牧している牛の原乳からも暫定規制値︵同300ベクレル︶を上回る放射性ヨウ素が検出された。
︵日本経済新聞2011年3月23日︶
福島第一原子力発電所各号炉は、依然予断を許さない状況が続いており、段取りよく常温停止することができたとしても、それまでには相当日数が掛かりそうです。
その間は、少なからず放射性物質の拡散は続けられるわけですから、極端な過剰反応をする必要はないものの、日常生活においても放射能汚染の情報に耳を傾け、自己防衛していかなければならない状況になりました。
図は23日、政府が公表したSPEEDI︵緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム︶による内部被曝量の試算︵1歳児が屋外で過ごした場合で試算)
︵朝日新聞記事より引用︶
なお、一般公衆が1年間にさらされてよい人工放射線の限度︵ICRP勧告︶は1ミリシーベルト/年です。
図中の黄色い線‥試算被曝量100ミリシーベルトは、放射線業務従事者︵妊娠可能な女子を除く︶が法定の5年間にさらされてよい限度値に匹敵します。10日間ほどでこの値に達するという試算値はどれほど大きな数値かがわかります。
それでは、私たちは放射性物質にどのように対処していく必要があるでしょうか。
冷静な判断をするためにも、まずは、基本的な最低限の知識を身につけることが大切だと思います。
それには次のサイトが参考になります。
緊急被ばく医療研修のホームページ︵ 文部科学省 の委託事業として原子力安全研究協会が運営しているサイトです︶
⇒ 緊急被ばく医療ポケットブック ここを一読されることをお薦めします。
放射性物質のモニタリングは各機関で行われています。
その際に、どの物質が、どれだけ検出されているのかを正確に見極めるために、用いられている単位系について簡単に纏めてみました。
放射線量の単位系
■放射能の単位︵放射能壊変率︶
Bq︵ベクレル︶ ‥1Bqとは放射性核種の崩壊数が1秒につき1個であるときの放射能をいう。10Bqなら、その物質は1秒に10個の原子核が崩壊して放射線を出していることになる。ヨウ素、コバルトなど放射性物質の種類によりベクレル数の許容値は異なる。
■放射線の量に関する単位︵照射線量︶
C/Kg︵クーロン毎キログラム︶‥1C/kgとは,エックス線またはガンマ線の照射により空気1kgにつき放出された電離性粒子が,空気中においてそれぞれ1Cの電気量を有する正および負のイオン群を生じさせる照射線量をいう。
■放射線の量に関する単位︵吸収線量︶
Gy︵グレイ︶‥1Gyとは,放射線の照射により物質1kgにつき1Jのエネルギーが与えられるときの吸収線量をいう。被曝したとき、物質や人体に吸収された放射線のエネルギー量を表すので、一度に大量被曝したことによる健康被害の指標に用いられる。
■放射線の量に関する単位︵線量当量︶
Sv︵シーベルト︶‥1Svとは,放射線の照射により物質1kgにつき1Jのエネルギーが与えられるときの線量当量をいう。1グレイのγ線が人体に与える生物学的影響を1として放射線量で示したもの。つまり健康被害の観点からの放射線量のものさし。
■単位の接頭語
1018E exa エクサ
1015P peta ペタ
1012T tera テラ
109G giga ギガ
106M mega メガ
103k kilo キロ
102h hecto ヘクト
101da deca デカ
10-1 d deci デシ
10-2 c centi センチ
10-3 m milli ミリ
10-6 μ micro マイクロ
10-9 n nano ナノ
10-12 p pico ピコ
10-15 f femto フェムト
10-18 a atto アット
単位を間違えて捉えると大変なことになります。
例えば10ミリシーベルトと10マイクロシーベルトでは大違いです。
また、その量が一時間当たりか、一日あたりか、累積値なのか、さらにヨウ素、セシウム・・・というようにその物質が何か、どこから検出されているかをきちんと見極める必要があります。
私が都で働いていたときには、水道水から放射性物質が検出されることはありませんでしたし、そんなことになるなど夢にも思いませんでした。
水も食料も・・・安全神話が崩壊しつつあることが残念でなりません。
■2011年3月27日追記
経済産業省原子力安全・保安院は27日、福島第一原子力発電所2号機のタービン建屋内の水たまりの表面で、毎時1000ミリシーベルト以上の強い放射線量が計測されたと発表した。
水に含まれるヨウ素134の放射能の強さは1立方センチメートルあたり29億ベクレルで、通常の原子炉内の冷却水が持つ放射能の1千万倍にあたる。福島第一原発で測定された放射線量として、これまでで最大となる。
測定し始めて﹁すぐに針が振り切れた﹂ため測定員は、強い放射線量と判断、測定を中止して退避した。2号機のタービン建屋で、同日予定していた排水作業を行うことは難しいという。
︵朝日新聞2011年3月27日13時25分︶
これ、ムチャクチャな数値ですよ。
1立方センチメートルあたり29億ベクレルって、1リットル︵1キログラム︶当たり2.9兆ベクレルってことです。
それに毎時1シーベルト以上って・・・・・・・
復旧作業、水抜き作業どころではなくなってしまいました。
核分裂が起こって、その水がそのまま漏れでているのでしょう。
今後続くであろう被害は想像を絶するほど甚大です。
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