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2010年10月25日
最近、小学校教師が授業中児童に新聞の切抜きで脅迫文を作らせたり、一日何人殺したら全員を何日で殺せるかという問題を出したり、考えられないような報道がなされています。
その中で、他の問題とは次元を異にするように思える事例がありました。
23歳女性教師が算数で﹁人の死﹂出題
東京都杉並区の区立浜田山小学校で、女性教師︵23︶が3年生の算数の授業中、児童に﹁妹を殺せば会える﹂という答えが正解となるクイズを出題していたことが23日、わかった。同校校長宛てに21日、届いた匿名の投書で発覚した。校長はこの教師を口頭で注意、23日開かれた緊急保護者会で教師は保護者に謝罪した。
区教委によると、教師はクラス担任で、19日の算数の授業中、21人の児童に対して口頭で﹁3人姉妹の長女が自殺して、その葬式が行われた。葬儀に参列した男子を次女と三女が好きになってしまいました。葬式後、次女がこの男子に会うにはどうしたらいいですか?﹂と出題。﹁お葬式だよ﹂とヒントを出すと、児童の1人が﹁妹を殺しちゃう﹂と答え、﹁正解です﹂とした。
区教委によると、教師は﹁前週に行ったクイズが好評で、この日も児童にせがまれ、大学時代に聞いたクイズを思い出して話してしまった﹂と説明しているという。
井出隆安教育長は﹁学校教育への期待を裏切り、信頼を失わせるものであり、誠に遺憾。児童や保護者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます﹂とのコメントを発表した。
︵産経新聞2010.10.23︶
この問題を出題した教師は﹁大学時代に聞いたクイズを思い出して話してしまった﹂と話しているようですが、その出典はサイコパス︵精神病質者︶を判定する心理学テストの有名な設問です。
教師はそのことを知っていたのでしょうか。
もし知っていたとしたら、その教師にこそサイコパスの資質があるように思えますし、知らずして問題を出したのだとしたら、余りにも軽率です。
A woman, while at the funeral of her own mother, met a guy whom she did Not know.
She thought this guy was amazing. She believed him to be her dream guy so much, that she fell in love with him right there, but never asked for his number and could not find him. A few days later she killed her sister.
Question: What is her motive in killing her sister?
アメリカで、犯罪容疑者に上記のようなテストを行ったところ、普通の人が回答に戸惑うような設問であるにもかかわらず、Serial killer︵連続殺人者︶たちは、悉く正解をしたそうです。
報道ではあまり触れられていませんが、問題なのは、精神病質者の判定に使われる問題を児童に提示したこと、そして、連続殺人者に多く見られる思考回路によって導き出されるような﹁模範解答﹂を、児童にヒントまで与えて導き、﹁正解﹂として教えたということにあります。
考えさせられる事例でした。
子どもは、両親や先生の言葉や態度を繰り返し見て、聞いてそれを真似しながら覚えていきます。
人格や性格は子どもの頃にどのような言葉や態度を投げかけられたかにより大きく影響されるものであると思います。
様々な報道に触れるにつれ、子どもに対する言葉や態度にはその人のこれからの人生をも左右する重みのあるものであることを意識したいものだと改めて考えます。