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2010年3月18日
﹃未来につなぐ子どもの遊び﹄ ヒヤリング集?ここで遊んだ、笑った、おこられた?
の編集作業が進んでいます。
まもなく校了となります。
このヒアリング集は、﹁港南の絵本をつくろう会﹂により企画され、港南区制40周年の一環として、会に賛同する協力者により、﹁あなたは子どもの頃、どこでどんな遊びをしていましたか?﹂をテーマにヒヤリングし集めた素材をまとめた本です。
子どもの生み出す豊かな遊びを伝え、みんなで子どもの健やかな育ちを応援したい、そんな気持ちのつまったものとなっています。
その編集会議で話題となったサイトがあります。
それは、イタリア発のプロジェクト、Memoro︵記憶の銀行︶です。
http://www.memoro.org
イタリアから世界へ。﹁記憶の銀行﹂が静かなブームに
70歳以上の人の“昔話”をムービーに収め、ネット公開する﹁記憶の銀行﹂が話題だ。第二次大戦など、1940年以前生まれのお年寄りの失われゆく記憶を後世に残す試み。息子や娘、孫などが本人にインタビューし、You Tubeのように投稿する仕組みで、2008年6月イタリアで始まって以来、静かな反響を呼んでいる。
名もなき労働者があの戦後復興の中、奮い立ち、会社の立ち上げに奔走し、社内で縁の下の力持ちとなり、過酷な労働環境に耐え、驚くべきパフォーマンスをあげた……。数十年前の話だが、決して色あせないリアルな武勇伝は、厳しい現代を生きるビジネスマンの心を打ち、働くヒントを教えてくれる。
語られるのはビジネスだけではない。親から祖父母世代の人々が、当時の世相や社会風俗、恋愛体験などを訥々と語る姿には、不思議な癒し効果がある。現在では7カ国で展開され、日本版も近々本格的始動の予定だ。
イタリア版では、国民的ビール会社の高齢OBが仕事の逸話を語るコーナーがある。大げさな社史ではなく、マイクロヒストリー。実は同社はサイトのスポンサーだが、﹁OB動画﹂には会社関係者以外の一般人も大勢アクセスするという。
ウェブ運営の﹁メモロ・ジャパン﹂のドルチーニ・チンツィアさんは言う。
﹁今では世界的に大きくなった企業も、最初は小さな小さな会社だったことが、こうした社員の肉声からわかります。それらの記憶を保存する動画は会社だけでなく、すべての人の財産なんです﹂
記憶の銀行は、CSR的な効果も大きい、とスポンサーからの評価も高い。
また日本版では、メモロのスタッフが企業のOBをインタビューしたり、メモロを企業のPRに活かすといったプロジェクトも進行する予定である。
︵プレジデント 2010年3.1号︶
メモロ・プロジェクト自体は単なる分類されたコンテンツの集積に過ぎませんが、既に日本を含む8カ国で展開され、1話5分程度の﹁記憶﹂が約80万本公開中となっています。
素材となるビデオは、
︵1︶メモロのスタッフが直接にインタビューを行なう
︵2︶世界中の人々が自分たちの手でインタビューを行い投稿する
といった経路で集められます。
それらはMemoroで編集され、題材・作者・テーマにより分類され公開されます。
日本版はまだ始まったばかりのようで、公開されている数はそれほど多くありませんし、今のところ戦争体験に偏っている感がありますが、普及するにつれて、ごく普通の人の一見何でも無いような﹁記憶﹂まで集められていくのではないかと思います。
文字情報だけの伝達に比べても、話しぶり、表情などノンバーバルコミュニケーションのもつ付加情報は大きいものです。
何よりも、普通の人々の暮らしぶりや、喜び、悲しみを語ったビデオメッセージを世代を越えて、地域を越えて伝承できる仕組みは素晴らしいと思います。
家族、友人同志のコミュニケーションを増やすきっかけにもなるかもしれません。
﹁記憶﹂をさまざまな手法により﹁伝承﹂する試み、それが各方面で動き出しています。