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2009年12月14日
旧来から伝えられる﹁○○十訓﹂の中に﹁処世十訓﹂というものがあります。
原典はよくわかりませんが、明治時代以降に流布したものではないでしょうか。
調べてみると、様々なパターンがあることが判ります。
よく見られるものはだいたい次のようなものです。
処世十訓
・強く正しく にこやかに
︵強く正しく 健やかに︶
・ 上見て進め 下見て暮らせ
・ 真剣の前に不能なし
・ 論で負けても行で勝て
・ 長所と交われば悪友なし
・ 話上手より聞き上手
・ 己に克つて人には譲れ
・ 急ぐな休むな怠るな
︵安心するな心配するな︶
・ 向上の一路に終点なし
・ 仲よく働け 笑って暮せ
※注‥順番が前後する場合もあります。
この﹁処世十訓﹂は、先代︵貞昌院29世︶徳翁寛量大和尚が書に好んで用いたものでもあります。
永野小学校の校長を永く勤めておりましたので、訓示として児童たちにも示していたのではないかと推測します。
また、境内の客殿玄関前にはこの﹁処世十訓﹂を刻んだ石碑が置かれています。
徳翁寛量大和尚による﹁処世十訓﹂は次の通りです。
﹁處世十訓﹂
一、強く、正しく、美しく
ニ、上見て進め、下見て暮らせ
三、真剣の前に不能なし
四、話上手より聞き上手
五、論で負けても行で勝て
六、健康こそ最高の幸福
七、己に克て、人には譲れ
八、急ぐな休むな怠るな
九、向上の一路に終点なし
十、仲よく働け、笑って暮らせ
他に見られない項目や語句も入っています。
徳峯寛量大和尚が遷化されたのが昭和58年12月27日。
本日忍光忌法要が営まれます。
先代住職を偲ぶものとして、80歳の時に揮毫された﹁處世十訓﹂を、地元の捺染工場にお願いして布地にプリントしていただきました。
港南区には、昭和初期より大岡川沿いに地場産業として捺染が栄えました。
一時期は川に布を晒す光景があちこちに見られたようです。
現在まで残っている捺染工場は数少なくなりましたが、技術を伝承する貴重な工場として何時までも存続して欲しいものです。