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2009年2月25日
昨年のブログ記事で主張してきたことが、ようやく現実味を帯びてきました。
⇒太陽光発電の国ニッポンの復権を
あまりにも重い国の腰に業を煮やし、独自の余剰電力買取制度を設けている自治体も既にあります。
例えば、東京都武蔵野市では京都議定書の約束期限である12年度まで、補助対象者から﹁おひさま発電所レポート﹂を報告してもらい、1キロワット時当り15円を補助することが既に決まっています。
やっとのことですが、嬉しいことに、太陽光発電の余剰電力をこれまでの単価の2倍で電力会社に買い取らせる制度が国により具体化されることになりそうです。
太陽光発電、家庭からの購入価格2倍に 経産省が新制度
二階俊博経済産業相は24日の閣議後の記者会見で、太陽光発電の普及を促すための新制度を導入すると発表した。家庭や企業が太陽光で発電した電力を、電力会社が約10年の間、当初は従来の2倍程度の1キロワット時あたり50円弱で買い取る仕組み。今後、具体的な制度設計に向け、関係業界などと調整を進める。電力やガス、石油各社に非化石燃料の導入を義務付ける新法に盛り込み、今国会に提出する方針だ。2010年にも実施する。
二階経産相は同日朝、経産省内で森詳介電気事業連合会会長︵関西電力社長︶と会談し、新制度の導入方針を伝えた。森会長は﹁協力したい﹂と語ったという。
新制度は家庭など電力利用者が太陽光でつくった電力について、自宅などで消費する以外の余剰分を電力会社に買い取ってもらう内容。既に発電装置を設置している利用者と制度開始から3―5年に設置する利用者が対象。買い取り価格は太陽光発電の普及に合わせて、年度ごとに下がる。
(日本経済新聞 2009/2/25)
ここで、余剰電力とはどういう電力なのかを分かりやすくするために図に描いてみした。
図‥一日の発電量、電力消費のイメージ
太陽光発電パネルは、太陽の日射エネルギーを電気に変えるわけですから、夜の発電量はゼロ。
日の出後、太陽の高度が高くなるにつれて発電量は多くなり、真昼にピークを迎えます。
夕方になるにつれ発電量は減少していき、日没後は発電量は再びゼロになります。
そして、実際に消費する電力量は、だいたい生活パターンとともにその量が変動します。
発電量が消費電力量を上回った場合に、余剰電力として電柱へと電気が逆流し、他の家庭で使われるのです。
図で言うと水色の部分が余剰電力となります。
この部分の買取単価が2倍になるということですので、東京電力からの電気料金の振込額が倍になるということですね。
太陽光発電設備設置者にとっては嬉しい話ですし、これから導入を検討している方にも肩を押す原動力になります。
しかも、その買取額の上昇は全世帯の公平な分担になりますので、税金を投入することもありません。
【ポイント】 ・余剰電力買取単価が上昇する財源として税金を投入する必要は無い ・その財源は一般の電気料金への転化(一軒当り月数百円程度)により充てる ・一時的には一般の電気料金が上昇するが・・・ ・長期的に太陽光発電設備の普及が進むと電力事業者の発電設備がその分不要となる ・結果的にそれがコスト削減につながり電気料金の減少をもたらす ・原油高騰、震災などによる発電所停止の影響を最小限に抑えられる |
さて、つい先ほどまで麻生総理大臣とオバマ大統領が首脳会談を行いました。
テレビ報道などでは会談時間が短いだとか、食事会が無い、夫人を同行しないなど麻生下ろしのネガティブに報道に躍起しているようですが、もっと会談の中身をきちんと報道していただきたい。
日米、環境技術協力で基本合意 首脳会談
麻生太郎首相は24日、オバマ米大統領との日米首脳会談で、クリーンエネルギーの推進や次世代自動車の普及拡大など環境技術協力を進めることで基本合意した。気候変動問題の解決と雇用創出を同時に狙う﹁グリーン・ニューディール﹂の一環として、日米の研究機関による共同研究などを両国政府で後押しする。
日本側の説明によると、﹁日米エネルギー環境技術協力﹂として推進する共同プロジェクトは主に4分野で構成。燃料電池や太陽光発電など革新的な技術開発の促進や原子力の平和的利用、省エネ・新エネルギー市場の拡大、次世代自動車の普及拡大を柱とする。
︵日本経済新聞 2009/2/25)
これは、つい先ほど入ったニュースですが、日米エネルギー環境技術協力は大いに期待したいことでありますし、気候変動問題の解決と雇用創出を同時に狙う﹁グリーン・ニューディール﹂のような政策は大いに進めていって欲しいものです。