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2009年1月29日
ルーリン彗星 接近中 鳥取の天文家が撮影成功
二月二十四日に地球に最接近する﹁ルーリン彗星(すいせい)﹂の写真撮影に二十九日、鳥取市内のアマチュア天文家が成功した。最接近時には肉眼で観測できる二等級まで明るくなる期待もあり、今年前半の最大の天体ショーとなりそうだ。
撮影したのは鳥取市富安の多賀利寛さん︵57︶。自宅天文台で二十九日の明け方、南東のてんびん座を移動する彗星を口径二〇センチの反射望遠鏡で撮影した。
多賀さんによると、最接近時はしし座にあり、一晩中観測が可能。すぐ近くに土星が輝き、見事な天体ショーが期待できるという。現在は彗星の尾が右上に見えるが、最接近を境に尾の向きが反転する珍しい現象も見られる、という。
多賀さんは﹁最接近時は新月で、夜空の環境が良ければ、双眼鏡はもちろん肉眼でも観測できるのでは。土星とともに撮影のチャンス﹂と話している。
︵日本海新聞2009年01月30日︶
昨日の記事に引続き﹁世界天文年﹂にふさわしい話題です。
冒頭の記事にあるルーリン彗星は、2007年7月に台湾の鹿林︵ルーリン︶天文で発見された彗星です。
その軌道周期は数万年以上!
数万年の旅を経て今年2月に地球に最接近するルーリン彗星を、さっそくStella Theater でシミュレートしてみました。
︻軌道要素︼
彗星名=ルーリン彗星 (C/2007 N3)
近日点通過時刻=2009 01 10.66551
離心率=0.9999948
近日点距離=1.2125523
近日点引数=136.85390
昇交点黄経=338.53392
軌道傾斜角=178.37278
観測地横浜 それぞれ深夜0時の土星およびルーリン彗星の位置
ルーリン彗星は、このように2月半ばには乙女座→獅子座へと移動します。
ほぼ一晩中見え真夜中には南南東の高い位置に見えます。
観測の好機は2月16日夜と2月23日夜。
2月16日夜には、乙女座のスピカ、2月23日夜は土星のすぐ南を通過します。
このころ彗星は2等星まで明るくなると予想され、しかも24日ごろ地球に最接近しますので肉眼や双眼鏡でも見ることが出来るはずです。
このころの彗星の見かけの移動速度はかなり速く、みるみる移動していくことが分かりますし、尾の変化にも注目です。
最接近の後は次第に暗くなり、地球からどんどん離れていきます。
ルーリン彗星が再び地球に近づくのは数万年も先の話ですから、まさに一期一会と言えましょう。
■関連ブログ記事
2007年に観測したホームズ彗星
http://teishoin.net/blog/000958.html
http://teishoin.net/blog/000960.html