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2008年10月17日
共済年金でも未統合 181万件新たに判明
年金受給者と加入者一億人に一つずつ付けられる基礎年金番号が導入された一九九七年以前に、公務員や私立学校の教員を退職した人のうち、約百八十一万件の共済年金の記録が基礎年金番号に統合されていないことが分かった。財務省、総務省、文部科学省、社会保険庁の関係四省庁が共産党の小池晃参院議員に回答した。
基礎年金番号に統合されず該当者不明となっている約五千万件の記録は厚生・国民両年金の記録で、共済年金は含まれないため、未統合の記録はさらに増えた形となる。
社保庁は、九七年以前に共済年金を脱退した人の記録については、年金受給開始時に基礎年金番号に順次統合し、厚生・共済両年金の一元化が予定される二〇一〇年三月をめどに、統合を完了させる方針を示している。
基礎年金番号に未統合なのは今年三?六月の時点で、国家公務員共済約六十七万件、地方公務員共済約六十八万件、私学共済約四十六万件。
︵2007年6月26日 中日新聞︶
私にもねんきん特別便が届きました。
公務員共済ねんきん特別便と社会保険庁の年金特別便の2通が別々に届きましたので、冒頭のニュースの181万件に該当することになっている事がわかりました。
それぞれの特別便には、それぞれの加入期間のみしか記載されていないので、2通を併せ持たないと意味をなしません。
なぜ統合されていないのかというと、会社員の﹁厚生年金﹂と公務員の﹁共済年金﹂の制度の違いをどのようにすり合わせるかという根本的な論議が先送りされていることに起因するものです。
年金制度は3つの層に分類されます。
︻年金制度の3つの層︼
3層 厚生年金基金 適格退職年金 職域年金
2層 国民年金基金 厚生年金共済年金
1層 国民年金︵基礎年金︶ 第1号被保険者︵自営業︶ 第2号被保険者︵民間企業・公務員︶ 第3号被保険者︵配偶者︶
同じ﹁1層目の2号被保険者﹂というカテゴリーに分類されておりますが、会社員と公務員とでは、厚生年金と共済年金という別の組織により扱われます。
2つの制度のうち、一番の違いは﹁職域加算﹂と﹁追加費用﹂です。
まず、﹁職域加算﹂とは、公務員の共済年金にのみ上乗せされるものです。このために、公務員はおよそ月に2万円の上乗せされた年金を受取ることができます。
次に﹁追加費用﹂ですが、公務員の共済年金にだけ投入される税金です。
簡単に言うと、年金の面で公務員は優遇されているわけですね。
これを一元化するためには、当然﹁職域加算﹂と﹁追加費用﹂をどうするかということが問題になるわけです。
公務員の上乗せ部分を、厚生年金から流用することが許容されるのか。
それが許容されなければ、公務員の共済年金支給をざっくり削減するか、現役の公務員にその分を負担させなければならないでしょう。
政府は2010年までに、厚生年金と共済年金を統合する方針を打出しています。
ただ、順調に統合が進むかどうかは不透明な状況です。
ということで、私のように1997年以前に公務員を退職し、国民年金や厚生年金に切り替えた人︵181万人︶は、社会保険庁へのねんきん特別便の回答に、﹁加入暦の漏れがある﹂として、さらに共済年金特別便のコピーを添付して、返送しないとならないわけですね。
それでも、共済年金のように、ねんきん記録が送られてくる場合はまだマシなのでしょう。
一般の会社、自営業などで該当不明になっている5千万件の方たちは、きちんと全員が統合される日が来るのでしょうか。
統合までに何年かかるのか気が遠くなる作業を、これまた税金を投入して行っていると思うと複雑な思いです。