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2008年8月 8日
日本の債務残高がリアルタイムに判る借金カウンター。
見ているだけで恐ろしくなります。
昨日︵8月7日︶、政府は月例経済報告における景気の基調判断を﹁弱含んでいる﹂へ下方修正しました。
景気は後退局面入りとなり、頼りになりそうな貿易黒字も、最近の急激な原油高により、さらに悪化することは間違いありません。
日本が保有する総資産である正味資産︵日本の土地、建物、金融資産、在庫、地下資源などの合計︶に対して、日本の借金は、その1/2に達するかどうかという所まで来ています。
抜本的な改革を早急に施さないと手遅れになります。
・・・暗い話題ばかりですが、話題を切り替えて、借金が﹁マイナス﹂の概念ととならない通貨のしくみをご紹介します。
それは﹁地域通貨﹂です。
地域通貨とは、一言で言えば﹁ある地域やコミュニティのみで流通する通貨﹂であります。
﹁円﹂は、日本国内︵あるいは世界中)、﹁どこでも﹂﹁何とでも﹂交換可能ですが、そのような汎用性はありません。
けれども、それゆえに次のような特徴を持ちます。
■地域通貨の特長
︵1︶地域やコミュニティーにより発行することができる。
︵2︶ある地域やコミュニティのみでしか使えない。
︵3︶利子はつかない。
︵4︶貧富の格差が生じ難い
︵5︶地域の中で循環する仕組みのため、地域が活性化する。
現在は 300 を超える地域通貨が全国にあるといわれています。
一つの具体的な事例として、西千葉の地域通貨 ﹁ピーナッツ﹂を見てみましょう。
まずは、﹁ピーナッツクラブ﹂に入会します。
入会資格は、事業者であれば千葉県限定です。個人であればその括りはありません。
入会すると、通帳︵大福帳︶の発行を受けます。
通帳保有者の得意分野、提供できるサービスが登録され、カタログに掲載されます。
最初の通長記載残高は﹁0﹂。
サービスやモノの交換は、お互いの話し合いにより決定します。
AさんからBさんに○○を提供したから、BさんからAさんに○○ピー︵通貨単位︶を受渡すというような感じです。
当初は、左のような手書きの﹁大福帳﹂に記載しておりましたが、現在では右のようなオンラインでの決裁が主流となっています。
サービス等を提供する側の人は﹁受取(+)﹂、受ける側は﹁支払(?)﹂。
お互いの大福帳を交換して﹁相手のお名前﹂欄にサイン、持ち主に戻したら・・・・・
最後に﹁アミーゴ!﹂と言いながら握手をして取引成立。
ここまで書いて、改めて地域通貨の仕組みは﹁お寺﹂に適切な通貨ではないかと感じます。
現在、お寺は﹁円﹂を中心として経済が成立っていますが、地域通貨では、お金をを払うようなことでないことに対してでも気軽に他人に頼めるし、例えば厚意でしていただいたことに対し、お金でお礼をすると失礼になるようなことでも、気兼ねなくお礼ができるということも特長です。
全国に曹洞宗の寺院は1万4千、宗派を超えると数万もの寺院があります。
寺院、檀家さん、地域住民の方々に通用する﹁地域通貨﹂を寺院で発行すれば、どれだけ影響力をもつか計り知れません。
寺院相互の遣り取りもそうですね。
お寺同士で随喜いただいたり、お手伝いいただいた際にも、地域通貨での遣り取りする仕組みをつくることは可能でしょう。
例えば↓このような感じ。
日 |
相手 |
内容 |
+ |
- |
残高 |
サイン |
8/1 |
A寺 |
随喜謝誼 |
+500 |
- |
+2500 |
|
8/2 |
Bさん |
境内清掃 |
+ |
-300 |
+2200 |
|
8/2 |
Cさん |
境内清掃 |
+ |
-300 |
+1900 |
|
8/3 |
Dさん |
原稿料 |
+300 |
- |
+2200 |
|
8/4 |
Eさん |
犬の散歩 |
+ |
-100 |
+2100 |
|
8/5 |
|
|
|
|
|
|
地域通貨のシステムでは、通帳に記載されている﹁黒字﹂や﹁赤字﹂は、特定の人に対する債務とはなりません。
地域通貨の流通するコミュニティー全体へのコミットメントでもあります。
ですから、地域通貨の﹁赤字が多い﹂ということは、それだけ、その人が地域の人から信頼を受けているということを示し、マイナスイメージということではありません。
そして、赤字が溜まったと思ったら、﹁自分にできること﹂で地域に還元すればいいのです。
私たちは、法定通貨が当たり前のように身の回りにあるため、その概念が当たり前であると思ってきました。
しかし、私たちは普段消費行動で使うお金と、世界中を駆け巡っている国際資本はあまりにもかけ離れすぎてしまっています。
﹁パン屋でパンを買うお金と、株式取引所で扱われる資本としてのお金とでは、まったくお金の種類が異なる・・・・﹂︵ミヒャエル・エンデ︶
金融の自由化、市場経済のグローバリゼーションは、日本経済にバブル破綻と長引く不況を引き起こしました。
日本の借金は増え続け、失業率の増加、リストラ、地域の経済も危機に晒されています。
日本経済を崩壊から守る最後の手段、それは﹁地域通貨﹂なのかもしれません。
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元気をもたらす地域通貨