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2008年2月24日
H2A﹁きずな﹂打ち上げ成功 種子島宇宙センター
三菱重工業と宇宙航空研究開発機構は23日午後5時55分、超高速インターネット衛星﹁きずな﹂を載せたH2Aロケット14号機を鹿児島県種子島の宇宙航空研究開発機構種子島宇宙センターから打ち上げ、衛星を予定の軌道へ投入することに成功した。強風や警戒海域に船舶が入ったことで打ち上げは予定より1時間35分遅れた。
︵朝日新聞︶
打上げ成功おめでとうございます!
これでH2Aの打上げは8回連続で成功。
信頼度は確たるものになりつつあります。
きずなは、その名前のとおり、人と人とをつなぐインターネット通信の要なる衛星です。
地域による情報格差をなくし、誰もが平等に高速通信サービスを受けられる社会を実現するために、最大1.2Gbpsの超高速でデータ通信を行うことができる性能を持ちます。
今後、きずなは高度約250?36,000kmの周回軌道へ投入され徐々に赤道上空の静止軌道に移ります。
<マスコットキャラクター きずなちゃん>
⇒うごうごブログ きずな応援イベント
きずなが広げる宇宙の高速インターネット利用
1. 災害ネットワーク
日本やアジア諸国で、万が一、災害によって地上のネットワークが寸断されても、﹁きずな﹂は小型のアンテナを設置すればすばやくブロードバンドの通信を確保でき、ハイビジョンのような高解像度映像を災害対策本部に確実に送ることができます。﹁きずな﹂は、被災地と対策本部を結ぶ太いパイプラインとしての活躍が期待されています。
2. 情報格差の解消
日本の都市部では充実しているインターネット。しかし、山間部や離島、アジア諸国ではインターネット環境の整備が進んでいない地域がまだまだ多くあります。﹁きずな﹂は、このような通信が不便な地域でも、都市部並みのブロードバンドインターネット環境を提供して超高速な通信を可能にすることができます。
3. 遠隔教育
衛星を利用したインターネットは、教育分野でも非常に注目されています。これまでの衛星通信は、中継基地を経由させてきたために、会話で生じる時間差が気になりました。けれど﹁きずな﹂を利用すれば、日本やアジア諸国に散らばる学校の端末を直接つないで、まるで一緒の授業を受けているかのようなやりとりができるようになります。
4. 遠隔医療
山間部や離島など大きな病院がない地域でも、﹁きずな﹂によって都市部と結んで専門的な診察・健診を受けることができるようになります。患者の状況をハイビジョンレベルの鮮明な画像で正確に伝えることができれば、都市部の専門医師が患者の状況を判断し、現地の医師に処置を指示する遠隔医療が可能になります。
高速インターネット網の整備については、基幹施設までは比較的整備されやすいわけですが、いわゆるラスト1マイルを如何に整備ずるかということが大きな課題でした。
また、人口密度が極端に低い地域では高速インターネットを整備させることについて、ケーブルによる整備ですと極端にコストが高くなり、結果的に情報格差が生じてしまうこことになります。
現状、どれくらいの情報格差︵デジタルデバイト︶があるかを地図にプロットしたものをご紹介します。
かなり空白地域があることが分かりますね。
きずなは人工衛星による回線ですから日本全域全域で空が見えさえすれば、何処からでも利用が可能になります。
それこそ富士山の頂上でも択捉島でも、竹島でも、小笠原諸島でも、尖閣諸島でも、太平洋の大海原でも高速通信が可能にになります。
︵イリジウムを思い出しますね︶
では、利用するためには具体的にどれくらいの設備と費用がかかるのでしょうか。
一般家庭での利用料においては、設備費10万円、通信費月3,000円程度と試算されています。
衛星からの設備費10万円の主なものは、電波を受けるための直径45cmのパラボラアンテナなど。
これで下り約155Mbps、上り1.5?6Mbpsの通信が可能となります。
きずなは日本各所、そしてアジアの人々を結びつける新たな﹁きずな﹂を生み出してくれることでしょう。