« 氷は水に浮く |
最新記事
| 音信不通中 »
2008年2月11日
いのちの食べかた
知っているようで、実は知らない…現代の食料生産事情がここにある!
私たち日本人が1年間に食べるお肉︵牛・豚・鳥︶は約300万トン。だれもが毎日のように食べている膨大な量のお肉。でも、そもそもお肉になる家畜は、どこで生まれ、どのように育てられ、どうやってパックに詰められてお店に並ぶのでしょう?本作は、そんな私たちの生とは切り離せない﹁食物﹂を産み出している現場の数々を描いたドキュメンタリーです。世界中の人の食を担うため、野菜や果物だけでなく、家畜や魚でさえも大規模な機械化によって生産・管理せざるをえない現代社会の実情を、オーストリアのニコラウス・ゲイハルター監督がおよそ2年間をかけて取材・撮影しました。
本作を観ると、現代の食料生産工場の生産性の高さに驚愕するとともに、私たちが生きることは他の動物たちの生命を﹁いただく﹂ことに他ならないことだと、改めて実感させられます。
スーパーでは肉や魚は切り身に加工されて並んでいます。
切り身のまま魚は海を泳いでいると思い込んでいる子どもたちも少なくないそうです。
例えば、お弁当。
これらの食材はどのような過程を経て目の前にあるのでしょうか。
⇒ここをクリック︵1︶
⇒ここをクリック︵2︶
キリスト教では ﹁OUR DAILY BREAD﹂ ︵われら日々の糧︶
仏教では ﹁いただきます﹂
この﹁いただきます﹂は、さまざまな生き物たちの﹁いのち﹂を﹁いただく﹂という意味という意味です。
キリスト教では、食べ物を与えてくださった神への感謝ですが、日本人は、たくさんの生き物たちへの感謝を込めて食卓に着きます。
私たちの食卓に並ぶ肉や魚、野菜や果物はどのように作られ、どのように収獲︵収穫︶され、加工され流通してくるのかということは、眼に見えない︵敢えて見てこなかった︶部分が多かったのですが、しかし、﹁ブラックボックス﹂のままにしておくことで良いのでしょうか。
何万羽も鶏がベルトコンベヤーで運ばれ、足を吊られ、羽根をむしられ、頭を切られ続々と加工される。
豚も牛たちも・・・・・それらを淡々と作業する人たち。
冒頭にご紹介した映画﹃いのちの食べかた﹄は全国で静かなロングランを続けています。
﹁いただきます﹂の意味を改めて考えさせられる映画です。
このような映画からは、子どもたちはもちろんですが、いのちを扱う私たち僧侶にとっても学ぶべきことは多いと思います。
︻補記︼
神奈川県曹洞宗青年会では、昨年秋に東京都食肉市場︵芝浦と場︶へ実地研修を実施しました。
■関連記事
﹁いただきます﹂って言ってますか?