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| 大晦日の一こま »
2007年12月30日
今年も残り2日となりました。
貞昌院では、大晦日には恒例の除夜の鐘を撞きます。
時間は午後10時半から一般の参拝客の皆さまにお撞きいただいております。
⇒昨年の様子はこちら
境内では甘酒のサービスをさせていただきます。
なお、深夜0時で撞き終わりますので、ご希望の方は早めにお越し下さい。
鐘を撞かれる際に、撞木︵鐘を撞くための木︶に着目していただきたいのですが、貞昌院では棕櫚︵シュロ︶の木を撞木に使っております。
貞昌院の境内には棕櫚の木が何本も植えられています。撞木にする目的で植えられているのです。
棕櫚はヤシ科の植物で、南国をイメージさせる独特な葉の形、ゴワゴワした毛深い幹をもつ不思議な木です。
そして、その幹は見かけによらず、非常に堅いため、鐘を撞くには最適なのです。
ちょっとした豆知識でした。
大晦日の夜は、皆さまのお越しをお待ちしております。
また、遍くすべての方が良いお年をお迎えになるよう願いを込めて鐘を撞きたいと思っています。
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除夜の鐘に引続き深夜0時から、隣の天満宮では初詣が始ります。
こちらも、神楽殿では獅子舞や神楽の奉納があります。併せてお楽しみ下さい。
除夜の鐘といえば、最近は過疎化の進んだ地域を中心に、撞き手がいなくなっている現状にあるようです。
逆に、都市部の寺院では、騒音の苦情があって鐘を撞くことをやめてしまうところもあり、日本の伝統的な音の情景が失われつつあるのは残念であります。
そのような中、日本の伝統的な音の情景を守っていくために鐘楼堂に自動鐘撞装置を設置する寺院が増えているという報道もありました。
除夜の鐘、自動鐘つき機で﹁ゴ?ン﹂? 後継難で急増
無人で鐘を突く機械式の撞木︵しゅもく︶を採り入れる寺院が増え、今や全国約1600カ所に広がっている。住職が高齢化したり、過疎化で後継者がいなくなったりする突き手不足の中、地域の鐘の音を守りたい住民らの願いがのぞく。タイマーで動く撞木を唯一、製造しているのは奈良市の上田技研産業。日本人の﹁心のふるさと﹂を消すまいと、除夜の鐘を控えた年の瀬、駆け込み需要に追われる日々だ。
奈良・吉野の山あいにたたずむ五條市西吉野町西日裏地区の西光寺。正午、﹁チリチリチリ﹂とかすかな機械音が聞こえた次の瞬間、鐘楼から鎖でつるされた撞木がひとりでに前へ振り出された。ゴーン……。
﹁ええ音やろ﹂。地元自治会長で檀家︵だんか︶総代の辻本勝敏︵まさとし︶さん︵82︶が胸を張る。地区は主要産業だった林業が衰退して過疎と高齢化が進み、60戸ほどあった集落は3分の1に減少。17世紀建立の同寺は15年ほど前、住職がいない無住になった。
かつては午前6時と正午、日没時に鐘をついていた。﹁檀家だけでは朝早い鐘はようつかん。鐘楼に登る階段も急で、年寄りには難儀﹂と、金を出し合って、仏壇店で教えてもらった鐘つき機を96年に取り付けた。﹁子どもの頃からずっと聞いてきた鐘の音。途切れさせては、もっと寂しい地域になってしまう﹂
電機部品メーカーだった上田技研の上田全宏社長︵63︶が、鐘つき機を開発したのは80年ごろ。近所の寺が人手不足になったと聞いたのがきっかけだった。
タイマーで設定した時刻になると、鐘楼の天井から下りてきた金属棒の先端が斜め上から撞木を押さえつけるように固定。その直後、撞木内部からかぎ状の部品が出てきて金属棒に装着され、バネ仕掛けで後方にはね上がる。その反動で撞木が前へ突き出される仕組みだ。1セット60万?100万円。電気が通っていない場所でも作動するよう、太陽電池による充電式タイプもある。
ただ突けばいいというわけではない。撞木の先端部に皮を張り、ネジの締め具合も微妙に変えて、その寺独特の音色を作り出す。発売から約25年。﹁コスモス寺﹂として知られる般若寺︵奈良市︶など奈良県内で19寺が採用しているほか、兵庫県内の61寺、大阪府内の25寺など、北海道から沖縄まで約1600寺で自動の鐘が鳴る。
兵庫県豊岡市にあるボタンの名所、隆国寺も11月に導入した。参拝者の対応で忙しく、住職1人で毎日3回の鐘つきに手が回らなくなった。今は午前9時から午後6時まで30分間隔で鐘の音を響かせる。大田大法︵だいほう︶住職は﹁鐘の音は仏様の声。すべての参拝者に聞いてもらえるようになった﹂。
今月、従業員7人の同社は山形から東京、大分まで8都府県9寺の取り付けに奔走。これまで除夜の鐘だけは人手を確保してきたが、ついに断念した寺もあった。上田社長は﹁鐘の音は日本人の郷愁を呼び起こす。それを守っていく使命感を持ち続けたい﹂と話す。
︵朝日新聞︶
この話題はずいぶん前に、トリビアで紹介されたことを記憶しています。
無人で鐘を突く機械式の撞木を製造しているのは上田技研産業。
さすがというかやはりというか、﹁柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺﹂ の奈良にある会社なのですね。
このような取組みには、心から応援したいものです。
この会社の製品一覧を見て、はっとしました。
教区の方丈様からご紹介いただいた万灯供養用のカップ蝋燭を製造している会社でもあったのでした。
意外な接点があるものです。
>現実にそういう状況になってしまっています。 という部分について、そのような状況のための管理人様のご提案は、具体的におありでしょうか。 また、この社長さんのおっしゃる言葉については、地元の方がたともある程度の共通意識であると考えられます。そうでなければ事業として受け入れられなかったでしょう。 実際に過疎地域にある方がた、﹁人知れず鐘をつく﹂方。決してインターネットの情報に出てこない領域でご苦労なさっている方々と、どのように情報共有できるのでしょうか。都市部に住むものが、そのあたりの情報格差を率先して考慮するということはなかなか難しいでしょうが、がんばっていただきたいと思います。︵あらかじめ﹁汲み取った﹂うえで申し上げたものが先のコメントですので、どうぞそのあたり誤解なさらぬようお願いいたします。︶ 投稿者 *** | 2007年12月30日 14:50
まずは、過疎化をいかに食い止めるかということが第一でしょうね。これは、政治的施策の面が強いので、ここでは要望のみにしておきますが、単なる画一的・均一的な開発がなされるのではなく、その地方固有の文化や価値に誇りとこだわりを持つこと、すなわち差別化が重要なポイントだと思います。 さらに、若い世代が地方都市に住むための税制面での優遇措置や、子どもたちの地方都市への短期留学制度、地場産業振興のための抜本的な税制改革などが必要でしょう。
次に、その上で、いかに寺院に帰崇させるか。というあたりですが、まず一つのキーワードは、文化の発信拠点としてのお寺のありようだと思います。 常々感じるところは、生きている方への教化、特に団塊の世代と子どもたちに対する布教教化の必要性です。これは、街中を托鉢で歩いていても感じる所でありますが、お寺に対する信仰と親しみを感じさせるかどうか、宗教意識をどのように持たせるか、どのようにそれを次世代に受け継いでいくのかということがポイントでしょう。 そのためには子どもの頃からお寺に親しみを持たせる工夫も必要です。子ども坐禅会でも良いでしょうし、料理教室、茶道教室、写経教室などなど。 そして仏前結婚式もお寺との結びつきを持っていただく意味ではとても大きなものです。 五感に直接訴えかけることのできる音の情景としてのお寺の梵鐘の音というものも、大きな存在であるといえます。 ですから、それを途切れさせることはとても残念なことです。 ♪ ゆうやけこやけで 日が暮れて 山のお寺の 鐘が鳴る?の感覚が理解できない世代が多くなるのも悲しいものです。
***さんに質問させていただきます。 では、***さんは具体的な提案はお持ちですか?
情報共有の話ですが、地域の結びつきの力、口コミの力は計り知れないものがあります。それは都市部にはない結びつきでもあります。 そして、インターネットは、これまで取上げられなかった小さなローカルニュースも表舞台に出る可能性を与えてくれました。今までのマスコミ主導の報道体制では考えられなかったことです。 日本のどこにいても、世界のどこにいても、日本の地方都市の些細な声を聞くことができるのです。そのような声に、常に耳を傾けていきたいと思っています。 そして、このブログにも今後も積極的に書いていくことでしょう。 投稿者 kameno | 2007年12月30日 15:46