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2006年10月 4日
♪出た出た月が……
盆のような月が
小学唱歌﹁月﹂の作詞者の観察眼に、月の写真で知られる写真家の白尾元理︵もとまろ︶さんは感心する。
月は空に平面をぺたりと張り付けたように見える。その奇妙さに、しっかり気づいていたのではないか。
たとえば、木星は違う。探査機が撮った写真を見ると周辺部は反射光が減って暗くなっている。﹁周辺減光﹂現象だ。このせいで立体的、つまり球に見える。
﹁月が盆のようにみえるのは、ただ丸いからではない。秘密はこれ﹂。清水建設の吉田哲二研究開発部長がびんに入ったさらさらの黒っぽい粉を見せてくれた。
月の表面を覆っているレゴリスと呼ばれる月の土を模したものだ。将来の月での活動に備え、水を作る実験や、工事用機械の試験のために富士山の砂などから作ったそうだ。
レゴリスは光を乱反射する性質がある。このため、真ん中でも端でも明るさがあまり変わらない。だから、月は平面に見える。
レゴリスは月ならではの産物だ。大気がほとんどないため小さい隕石︵いんせき︶が無数に降り、土をたたきつぶしてとがった細かい粒にする。地球なら泥になって沈むところだが、月に水はない。
光をあまり反射せず、月面全体の反射率も約7%と低い。雲や雪で白く輝く地球とは好対照だ。﹁月は、暗くて寂しい天体なんです﹂と白尾さん。
それでも満月になると急激に明るさを増す。半月の10倍にもなってまばゆいばかり。レゴリスはなかなかの演出家でもある。
http://www.be.asahi.com/be_s/20061001/20060920TROS0013A.html
月は岩で覆われたイメージがありますが、実際は、レゴリス︵regolith︶という細かい砂で覆われています。
堆積の厚さは比較的古い地形のところで20?30m、﹁海﹂で2?8m、新しいクレーターの周辺では数cmとみられます。
これは、新しい地形ほど砂が少なく、古い地形ほど砂が多く堆積しているということであり、宇宙からの高速微粒子が直接月面にぶつかって生成されたレゴリスが、次第に溜まっていく様子がうかがい知れます。
月は太陽の光を受けて、明るく光りますが、レゴリスによって真ん中でも周辺部でもあまり反射光量に差異が無いために、盆のように、平面的に丸く見えるというわけです。
今週末の6日は中秋の名月。
特に、今年は約19年周期で月が最も低く見える年でもあります。
虫の声を聴きながらゆっくりとお月見というのも良いですね。
写真は数年前に貞昌院で撮影した、裏山︵天神山︶の木々の隙間から登る満月。
本当に美しかったです。
追伸‥月はチーズで出来ているというロマンがある考えも素敵です。
http://teishoin.net/blog/000183.html