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2005年11月24日
﹁はやぶさ﹂の世界初の小惑星着陸・離陸を確認
﹁はやぶさ﹂は、日本時間平成17年11月19日の午後9時にイトカワから高度約 1kmの地点で降下を開始し、接近から降下、および垂直降下にいたる誘導と航法は順調に行われ、翌20日の午前4時33分に地上からの指令で最終の垂直降下を開始して、ほぼ目的とした着地点に﹁はやぶさ﹂を緩降下させることに成功しました。目標点との誤差は、現在解析中ですが、おおむね30m 以内であったものと推定されています。接近状況を示す、準慣性座標系とイトカワに固定した座標系での軌道を︵資料?1︶に掲げます。また、高度およびドップラー計測による降下中の高度と速度に関する状況を︵資料?2︶に示します。
垂直降下開始時の速度は毎秒12cm でした。午前5時28分、高度54m の地点に到達した時点で、ターゲットマーカの拘束解除の指令を出し、同30分、高度 40m の地点で、探査機自身が毎秒 9cm の減速を行って、同マーカを切り離しました。同マーカが分離されて降下したことは、画像︵資料?3︶や減速時の探査機の降下速度の値から確認されています。同マーカは、イトカワ表面上のミューゼスの海の南西側︵画像上では右上側︶に着地したものと推定されます。
http://www.isas.jaxa.jp/j/snews/2005/1123_hayabusa.shtml
2003年5月に打上げられた第20号科学衛星MUSES-Cは、打ち上げ後﹁はやぶさ﹂と改名され順調に小惑星・イトカワに接近し、世界初の着陸を果たしたという嬉しいニュースです。
30分の着陸の後、離陸し、現在は再びの着陸に挑戦している所です。
主なスケジュール
8月末 イオンエンジン停止
9月中旬 イトカワ近傍に静止
10月中旬 太陽光が横から入射する︵高位相角︶位置からの観測
11月 ターゲットマーカと小型探査ロボット﹁ミネルバ﹂を投下
降下と着陸および試料採取を2回試みる ←現在、ここ。
12月上旬 イトカワを離脱し、再度イオンエンジンを運転
2007年6月 地球に帰還
﹁はやぶさ﹂の大きな目的は
︵1︶イオンエンジンを主推進機関とした惑星間航行
︵2︶光学観測による自律的な航法と誘導
︵3︶惑星表面の標本採取
︵4︶惑星間軌道からの直接大気再突入と回収
http://www.isas.jaxa.jp/j/special/2003/kawaguchi/index.shtml
ですが、そのうちの2つは達成した事になります。
︵3︶については、、まだ確認されていないとのことですが、再着陸の際に達成できるかもしれません。
この世界初の快挙により、日本の本格的な惑星探査時代の到来とみてもよいのではないでしょうか。
地球から3億kmも離れた場所での出来事です。
地球がどのようにして誕生したのか。
地球の事を理解するためには、地球のことだけを調べては解明できません。地球が出来た当時の状況を知るには、地球を外側から調べる必要があるのです。
また、地球が誕生した時の状態が、小惑星や彗星には残されていると考えられています。
ですから、小惑星や彗星のサンプルを採取することは、地球の成り立ちを知る上で、とても重要なことでもあります。
この着陸ですが、いちいち地球からコントロールしていたのでは、3億kmも離れたはやぶさに指令を送ったとしても、その指令が到達するのは15分以上︵信号の往復で30分以上︶もかかります。
特に、イトカワのような直径500m程度の小惑星に着陸させるのは至難の業であるといえます。
そこで、光学観測による自律的な航法と誘導という方法が取られるわけですね。
野球の外野手がフライを捕球する際に、真正面に飛んできたボールを捕球するためには、野手は左右に動いてボールの落下点を見定めるのと同様に、﹁はやぶさ﹂では,イオンエンジンで加速しながら観測を行うことで光学的に小惑星に接近する情報を得るという仕組みです。
それにしても、ものすごい技術です。
世界初の快挙、おめでとうございました。
また、このミッションにより、ミリオンキャンペーン﹁星の王子さまに会いに行きませんか﹂で応募された88万人の人々の名前が小惑星に到達しました。これも世界初の快挙です。
こういった夢のある企画はいいですね。
イトカワに打ち込まれたターゲットマーカーには、半導体の微細な構造を作っていく特殊な技術を駆使して、0.03 mm角の大きさのアルファベットで88万人分の名前がアルミ箔に刻まれています。
︻ミリオンキャンペーン詳細︼
http://www.planetary.or.jp/muses-c/pc/campaign.html
︻到達の報告︼
http://www.isas.jaxa.jp/j/snews/2005/1123.shtml