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2005年9月12日
インターネット環境が整備されたことにより、世界中のライブ画像を眺める事ができます。
それらの美しい画像を集めたブログをご紹介します。
どこかの国のライブカメラ
さて、ご存知の方も多いと思いますが、貞昌院のサイトでも、5年前からライブカメラの画像を公開しています。
以前、﹃インターネットによる宗教法人︵寺院︶の情報受発信に関する研究﹄
亀野哲也 坂井滋和 早稲田大学大学院 国際情報通信研究科・国際情報通信研究センター
での調査︵註1︶で、次のような結果を得ました。
このように、ライブカメラによるヴァーチャル参拝が、あまり効果的でないという回答が4割を超えました。
けれども、﹁聖地﹂のように場所が特別の意味がある場合、そのライブカメラを流すサイトにアクセスすること自体、宗教的な意味が発生する可能性も考えられるのです。
その特徴的かつ具体的事例を挙げるならば、天理教のサイトがその一つでしょう。
﹁おぢば﹂と呼ばれる聖地ののリアルタイム映像が24時間流されています。
http://www.tenrikyo.or.jp/cam/view1.html
天理教においては、建築物が教理の重要な位置を占めています。
天理教の救済論的世界観が最初に明確な形をとった﹃みかぐらうた﹄には建築用語が多く出てきており、その後の天理教の思想と組織に鍵となる概念を与えました。世界観の表明として、喩ではない目に見え触れることが出来る建築物を歴史の中に実現し、築いていくことは、いったん言語により表明されたことで、一定の完成度を持つ思想の、空間的実現であるといえます。
このような特別の意味のある建築︵或いは、おぢばという聖地︶の画像が、物理的制約によって参拝することが出来ない人々にとって、発信者による画像の意味づけと訪問者による意味づけの相互作用の中で、再文脈化が行われているわけです。
このような再文脈化は、コンピュータメディアに限らず、例えばテレビ番組による季節感の創出の事例にもみられます。
田村は、天理教サイト利用者にアンケート調査を行い︵註2︶、神殿の中継画像に対して﹁懐かしい﹂﹁ほっとする﹂﹁現場の様子が見られてうれしい﹂﹁またおぢばへ行こうと思う﹂などの設問に対して60%以上の肯定的な回答を得ています。
このように、ヴァーチャル参拝についても、メディアを通して﹁本物の﹂境内が見られるということが参拝行動につながる事例も見られ、ウェブ参拝の経験が積み重ねられて内在化することによって、その感覚が新たなものへ変化し、新たな感覚様式の枠組みが形成された事例の一つと考えられるでしょう。
さて、冒頭でも述べたとおり、貞昌院のサイトでは、2000年8月よりライブカメラを運用しています。
自宅サーバーに接続したusbカメラから送信されてくる画像を定期的に蓄積する事により、リアルタイムの画像と、過去の画像を自由に閲覧する事ができるように工夫しました。
貞昌院をご訪問される方々から、ライブカメラ画像をいつも見ていますという話を伺うたびに、やはりライブカメラによるバーチャル参拝もかなり有効な手段なのだと実感しています。
このライブカメラ、決して高価なカメラを使っているわけではありません。
いわゆるトイカメラと呼ばれる分野のものです。
一見壊れやすそうなカメラですが、どうしてどうして、簡単な雨よけはつけていますが、屋外に5年間も出しっぱなしにしているにも拘らず、これまで故障なしで画像を送ってくれています。
正直、これだけ風雪に耐えるとは思っていませんでした。
↑
このカメラ、5年間一度も故障していません。
︵註1︶インターネット上で仏教教団・寺院Web siteをどのように開設、運営しているかについての実態調査を行った。
調査対象は、2001年9月1日現在Yahoo 及び、寺院コム に登録されているサイトとした。
なお、調査においては、伝統仏教を対象とし、その範囲を文化庁の日本の宗教集団類型 に基づき、
(1)伝統宗教型・・・・神社型、寺院型
(2)新興宗教型・・・・派生新興型、教派神道型、混合新興型?混合型
(3)外来宗教型・・・・キリスト教旧教型、キリスト教新教型
の中の、伝統宗教型・・・・寺院型に対象を絞った。
この中で、全サイト約600件の内、メールアドレスを公開している338件を対象に、2001年9月24日、全数調査の形で行なった。調査の性格から判断してアンケートの送付及び回答受信は電子メールを使うこととした。
︵註2︶﹃天理教のインターネット利用に関する試論﹄田村貴紀
︵註3︶ライブカメラ構築に当たっての具体的技術情報は、こちらのサイトが参考になります。
http://www.clavis.ne.jp/~listcam/tech.ssi