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2005年8月31日
9月3日に開催されるゆめ観音アジアフェスティバルで、舞台の最後を締める万灯供養についてご紹介します。
萬燈供養会がはじめて日本で行われたのは1200年も前の奈良時代のことです。また曹洞宗においては1860年代から70年代にかけて、長野県頼岳寺で修せられたのがはじまりとされております。
こうした萬燈供養の起源は大変に古いもので、今から約2500年前、お釈迦さまの時代までさかのぼります。
むかし、古代インド・マガダ国の阿闍世︵あじゃせ︶王が、お釈迦さまを招待したとき、お釈迦さまの帰り路を萬燈で照らそうと考えました。そこに、物乞いで生きている老女がいまして、この老女はその日に得たものをすべて投じて、わずか一燈のみを献じました。
その翌日、阿闍世王の献じた萬燈はすべて消えていましたが、老女の一燈はあかあかと点いています。それを目連︵もくれん︶尊者が消そうとしますが、なぜか消えません。目連は﹁神通第一﹂といわれ、超能力に優れた弟子です。その目連が消そうとしても消えませんでした。
それを見て、お釈迦さまが言われました﹁目連よ、そなたの神通力によっても、この燈は消すことができないのだ。なぜなら、この一燈こそ、真の布施の燈だからである﹂と。
これが萬燈供養の起源とされています。
今日行われている萬燈供養会は、本尊釈迦牟尼仏・三世諸仏︵過去、現在、未来のあらゆる仏様︶・並びに各家先祖代々諸精霊、有縁無縁の仏様に萬燈を供養し、また萬燈を燃やして衆罪︵多くの罪︶を滅除し、きれいな身心となり無病息災・家門繁栄・子孫長久・万難消除・所願成就・世界平和を祈念するものであります。
御先祖様の冥福を祈り、燃えあがる炎に手を合わせ、私たちが今日元気で生きている姿をご先祖様にご報告申し上げ、感謝をする法要なのであります。
全国曹洞宗青年会 DIGIそうせいより引用
一昨年に行われた様子はこのような感じです。
背景の薄緑の壁のようなものは、巨大な白衣観音像の胸の部分です。
大船を見下ろす小高い丘に作られた舞台で、幻想的に行われる法要なのです。
関東地方ではあまり行われていない珍しい法要ですので、是非、一般の方々にも参加いただきたいです。
大船で行われる差定︵式次第︶は次の通りを予定しています。
9月3日午後6時半打出し
一、殿鐘三会
一、七下鐘導師上殿
一、般若心経
一、仏陀神呪
一、配塔婆
一、収塔婆
一、舎利礼文︵三遍︶
一、拈香法語
一、献茶湯
一、普門品偈
一、回向
一、退堂
今日も、午後から準備と習儀のため、会場に行く予定です。