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2005年8月17日
M7.2 宮城震度6弱 揺れ14秒前に速報
﹁東海﹂なら東京は40秒前/気象庁システム、震度も配信
宮城県南部を中心に十六日午前、強い地震が発生し、宮城県川崎町と小牛田町で震度6弱の揺れを観測した。地震はお盆の帰省先からUターンラッシュの足を直撃し、東北各県で多数の負傷者を出した。仙台市内の小学校は最新システムで大きな揺れが到達する十四秒前に通報を受けており、今後の防災対策に大きな示唆を与えた。また今回の地震が、地震調査委員会が近く起こると想定した﹁宮城県沖地震﹂にあたるのか、同委員会などで詳細に検討する。
仙台市立長町小学校には、大きな揺れ︵S波︶が到達する十四秒前に、気象庁が試験配信している﹁緊急地震速報﹂が届いた。
﹁十一時四十六分三十秒ごろ、宮城県沖でM7・2程度以上の地震が発生。宮城県北部は震度5強程度以上、揺れは十一時四十六分四十八秒以降﹂
届いた速報は内容も非常に正確で、実用化に向けて効果を実証する結果になった。夏休み中のため児童はいなかったが、学期中なら大きな揺れが来る前に避難を指示するなどの対応も可能だった。
システムの基本原理は地震波の種類による伝達スピードの差を利用したもので、最初にカタカタと揺れる初期微動がP波︵縦波︶でその次にユサユサと揺れるS波︵横波︶がやってくる。地震による建物被害は二番目に到達するS波によるものだ。
P波の速度は秒速七キロであるのに対して、S波は秒速四キロ。P波を震源に近い観測所で検知し、数秒間で震源や震度を推定し、配信する。作業はすべてコンピューターで行われ、地震発生から十秒以内に﹁どこがどれくらい揺れるか﹂が分かる。今回の地震では地震のエネルギーを示すマグニチュードや震源までをほぼ正確にはじき出し、発生から四秒で第一報を配信した。
気象庁は昨年二月から関東から九州を対象に試験配信を始め、今年三月から東北でも試験配信している。現在、大学や自治体、小学校などの公共施設を中心に百四十機関に速報を提供している。
緊急地震速報の普及に努めているリアルタイム地震情報利用協議会によると、今回の地震で震源から三百八十キロ離れた東京にはP波が到着する約二十秒前に第一報が発信された。
配信を受けた気象庁関係者も﹁携帯電話のメールで情報を受けて、もしかして誤報かな、と思っていたところにP波の揺れが来た﹂と驚きを隠さなかった。
協議会の藤縄幸雄専務理事は﹁今回の地震で速報の信頼性が確かめられた。導入に向けて追い風になるだろう﹂と話し、来年度にも高層ビルのエレベーターなどに緊急地震速報を利用できるよう準備を進めている。
﹁いつ起きてもおかしくない﹂とされる東海地震では、東京にS波が到達するのは発生から五十秒後。緊急速報が本格運用されれば約四十秒の余裕が生まれる。四十秒あれば、ガスの火も止められる。靴も履ける。人間はかなりの避難行動がとれる。これが生死を分けることにもなる。東海地震や東南海・南海地震への本格的な普及にも弾みがつきそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050817-00000000-san-soci&kz=soci
たとえ地震を予知することが不可能でも、揺れの十数秒前に大きな地震が起こるということがわかるのであれば、被害を最小限に抑えることができます。
課題があるとすれば、信頼性と社会的認知の向上ですね。
私もこのようなシステムが整備されていることを心しておきたいと思います。
短い準備期間にどのような行動が取れるのかをシミュレーションしてみると良いかもしれません。
折角の警報も、﹁もしかして誤報かな・・・﹂という懐疑心によって無駄になってしまう可能性があります。
それを生かすことができるかどうかは、警報を受け取った人次第ですから。