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黄色いくちばしの役割

ベランダの鉄パイプの中で育っているシジュウカラの雛が育ち、鳴き声も大きくなりました。
雛鳥の鮮やかな黄色いくちばしは、巣の中ではとても目立ち、親鳥が餌を与える給餌行動を刺激する役割があります。

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Nature Communicationsに、親鳥の給餌行動の際に、どの雛に餌を与えるかについての研究論文が掲載されています。

Unpredictable environments lead to the evolution of parental neglect in birds
Shana M. Caro, Ashleigh S. Griffin, Camilla A. Hinde & Stuart A. West

この研究では、給餌の際にどのように雛を選ぶのか、に関する鳥類143種のの306の論文を分析しています。

通常は、親鳥は餌を強く求めている雛に優先的に餌を与えたがります。
しかし調査対象種の4分の1では、餌を強く求めている雛を無視する行動が見られました。

結果として、恵まれた良好な環境に巣がある場合、餌を強く求めている雛は、より強く餌をねだり、親鳥は餌を優先的に与えます。
逆に、恵まれていない環境に巣がある場合、親鳥は、餌を強く求めている雛にはあまり注意を払わない傾向にあるようです。

巣の置かれている環境条件が、親鳥と雛の関係性に変化をもたらすということはとても興味深いことです。

ベランダのシジュウカラの巣は、人間の生活圏のすぐ目の前にあります。
比較的安全な場所を選んでいると思いますが、恵まれた環境なのでしょうか。
どの雛も均等に育っているところ、同じ場所に何度も営巣していることから、安全でストレスのない環境と思われているのかもしれません


20240626-01.jpg 20240627-01.jpg
左)6月25日 右)6月26日

投稿者: kameno 日時: 2024年6月26日 11:39

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