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新年を迎えたかと思えば、あっという間に三が日も過ぎてしまいました。
大晦日の除夜の鐘から三が日の間、貞昌院と隣の天満宮には多くの参拝をいただくのですが、今年は特に例年以上に多くの参拝をいただいた感があります。
さらに印象的だったことは、若い方々の参拝が目立ったこと。
願い事は様々でしょうけれど、やはり多くの方に参拝いただくことは嬉しいことです。
今日のYahoo!トピックスには次のような報道記事が掲載されていました。
お遍路ギャル増殖中…婚活、就活での御利益目的 様変わりする霊場巡礼
四国八十八カ所巡りといえば、白装束に身を包んだ年配の人たちの姿を思い浮かべるが、最近は杖を片手にカラフルなザックを背負って挑戦する若い女性たちが増えている。都会の喧噪を離れ、自然の中で日常生活や仕事のストレスを発散できることに加え、「婚活や就活で御利益を授かりたい」といった乙女心も足を向ける動機になっているようだ。おしゃれな遍路小屋が増えていることもブームを後押しし、“お遍路ギャル”の増加で伝統的な巡礼の風景は様変わりしつつある。
「やり始めたら、やめられなくなって」
大阪市の会社員、中元智子さん(33)は同僚の松本里美さん(34)、三好祐貴子さん(35)と3人で、3年前からウオーキング気分で遍路を始めた。以来、88カ所の札所を1番から順番に回り、現在は第28番札所(大日寺)までを巡拝した。
「異性との出会い」という御利益を求めて、自分を見つめ直すために…。それぞれの思いを抱いて続けるお遍路。「結構大変です。でも、途中でやめたら、罰(良縁に恵まれない)があたりそうで。御利益があると思えば、面倒で疲れることでも頑張ろうという気力が出てきます」と中元さん。小川のせせらぎや木々の香りに心をなごませ、途中の民家などで食べ物をもらうなど「お接待」という独特の“文化”に接して感動したという。
松本さんも「『お接待』でもらえるお菓子や果物などでエネルギーをチャージして歩くのが快感。何となく仏の息吹に触れられた感覚にもなり、“仏がかった”恋愛へのサプライズに期待してます」。三好さんも「巡拝中は『無』の境地ですが、常に『何かがある、何かが起きる』と信じて歩いています。私にとって遍路は今、自分の願いをかなえるための使命感のようなもの」と話す。
一方、通販会社をリストラされ、現在、昼は会計事務所、夜はキャバクラでアルバイト中という神戸市の女性(26)は、恵まれなかった仕事面での御利益を期待しながら巡る。「巡拝しているとき、悩みがあっても気分がすっきりするのが魅力。御利益あって再就職できればうれしいけど…」。
女性は平成23年秋からお遍路を続け、第18番札所までを巡ったという。11番札所(藤井寺)から12番札所(焼山寺)へ向かう途中にある「遍路ころがし」と呼ばれる急勾配の山道は難所で苦労した。「杖をつき、膝に手を置き、息を切らせて歩いていると、そこかしこに転がる石が意地悪な“誰”かに見えてきた」。いつしか、そんな苦労も思い出の一つになるに違いない。
彼女たちは、「菅笠に白衣」という通常のお遍路さんのスタイルとは違い、カラフルな服やバッグを身につけ、どちらかと言えば軽い登山に向かうといった格好だ。そんな華やかなギャルたちが寺で手を清め、納め札を入れ、線香とロウソクをあげて読経する姿は周囲の目をひきつける。
一方、こうしたブームを後押ししているのは、遍路道計約1400キロに88棟の休憩所・仮眠所を整備する「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」という事業だ。遍路文化に強い関心をもつ建築家で近畿大の歌一洋教授(64)が発案し、約10年前から四国地方の有志らがボランティアで進め、現在45棟まで完成した。
小屋は各地域の風土や観光、特産などをモチーフに設計され、弥生期の竪穴式住居(香川県内)、阿波踊りの編み笠(徳島県内)などをイメージしたユニークな建物ばかり。清潔感があり、あか抜けた感じでお遍路ギャルにも人気があり、人と気軽に知り合ったり、情報交換する場としても重宝されている。前出の女性たちも「小屋で出会う人たちが互いの内情に深く立ち入らないのがいい」と語る。
自然と触れ合う中で得られるさまざまな体験に魅力を感じ、巡礼に繰り出す女性たち。歌教授は「老若男女を問わずいろんな人から受ける『お接待』に女性たちは喜び、感動している。誰しも神や仏にすがるときは自然と厳粛な気持ちになり、普段は味わえないちょっとした緊張感も心地いいようだ」と女性たちがお遍路に向かう気持ちを“分析”する。
就活や婚活への御利益、癒やし、出会い…。四国遍路に求めるものは人それぞれだが、「一番は自然や人の恵みが堪能できること」と、ギャルたちは口をそろえる。
(産経新聞 1月5日(土)13時32分配信)
前に、ブログ記事で、次のような記事を書かせていただいたことがありました。
巡礼の旅、その魅力 (2005年の記事)
プチ修行と仏教ブーム (2007年の記事)
このあたりから、若者の仏教ブームが本格的に根付いてきたような感じがします。
しかし、この巡礼ブームを支えているのは、これまで何百年も継続して行われてきた巡礼地での『お接待』のご奉仕をされる地域の方々であり、そこに、さらに「安全に」巡礼できるような施設を整備されてきた「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」のような有志ボランティアの方々であるといえます。
巡礼ブームは、伝統に培われた下地があり、そこにプラスαが加味されて、現代風にアレンジされたことにより徐々に進行してきたと考えられますが、動機はどうであれ、また伝統的な巡礼の風景が様変わりしつつあるとはいえ、それは時代の変遷に任せればよいことでありましょう。
その根幹を流れる「基本的精神」が大切に受継がれてさえいれば、それでよいのだと思います。
貞昌院でも、今後もこれまで同様、あまねく参詣にいらしてくださる方々が気持ちよくお参りできるよう、精一杯お迎えしていきたいと考えております。