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発達した低気圧のもたらす北風により、境内のイチョウは一気に散ってしまいました。
9割方散っている感じです。
境内は黄色い落葉で埋め尽くされています。
掃き掃除をすると、パンパンに詰まったビニール袋が次々と生まれていきます。
今日一日でこのような量となりました。
このうち、可能な限りは裏山に運んで土に戻すようにしていますが、それでもかなりの量を「事業ごみ」として出さなければなりません。
「事業ごみ」は、ゴミ工場に運ばれて、焼却処理されることになります。
なんという勿体無いことなのでしょう。
実は、この「事業ごみ」として扱われている落葉をエネルギー資源として有効利用する技術が、実用化間近となっています。
そればかりではなく、
・落ち葉など植物系廃棄物の有効利用
・里山の復活
・過疎地の雇用創出
・エネルギー資源の産出
・炭酸ガス排出量の抑制
・原子力発電依存率の低減
・放射性物質の除染
・日本のエネルギー需給率の向上
などを一気に解決することができる技術です。
CO2排出削減と減原発の両立も可能になります。
そのような夢のような技術が、岐阜のベンチャー企業、コンティグ・アイによる産学共同研究から生み出されました。
「汚染廃棄物のうち木質系廃棄物および草本系廃棄物の減容化・除染とバイオエタノール生産による再資源化技術の実証」
事業の概要
バイオエタノール生産技術を用い、木質系および草本系の汚染廃棄物(剪定枝・稲わら・雑草・落ち葉等)に付着あるいは吸着・蓄積した放射性物質の除染・回収・減容化とともに副生物として再資源化(バイオエタノール、バイオマス発電原料等)を図る技術の実証を行う。
実施内容
1.汚染廃棄物の内、草本系廃棄物(稲わら・雑草・落ち葉等)を用いた減容化・除染・回収・再資源化試験
2.汚染廃棄物の内、木質系廃棄物(剪定枝)を用いた減容化・除染・回収・再資源化試験
既に実用化されているバイオ燃料は、サトウキビなど、植物の「糖」を発酵させてエタノールを製造しますが、糖を含んでいない雑草や落葉のセルロースからバイオ燃料を製造するためには、セルロースを一旦分解して糖に変えてから発酵させる必要があります。
そのため、これまでの手法では巨大なプラントを必要とし、効率的な生産が出来ませんでした。
しかし、コンティグ・アイの技術は、特別な酵素を用いることでプラントをコンパクト化することが可能となり、コストも大幅に削減されました。
(コンティグ・アイのホームページより引用)
NHKの報道によると、すでに1リットルあたりの生産コストは50円程度(エタノールの採算ラインは1リットルあたり100円)だということです。
この事業が継続的に採算ベースに乗るのであれば急速に普及が進んでいくことでしょう。
巨大なプラントも不要なので、日本各地に生産施設を設置することが可能となります。
国土の大半を森林や田畑に覆われている日本においては、バイオエネルギー資源が無尽蔵にあるのですから。
さらに、そればかりではありません。
福島県飯館村で行われた環境省の平成23年度実証実験によると放射性物質の減容量化と除染の効果が実証されました。
生産されたバイオ燃料からは放射性物質は検出限度以下となっています。
(環境省の飯館村実証実験報告より)
国の予算は、このような分野に手厚く分配して欲しいものです。
願わくは、一刻も早くセルロースからのバイオ燃料生産技術と除染技術が確立されんことを。
日本はこの分野で世界を牽引していくことができる力を十分に備えていると思います。
貞昌院の落葉も、バイオ燃料生産プラントへ引き取って(買い取って)戴ける時代が来ることを楽しみにしてます。