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今年の干支は辰。
十二支の中で唯一想像上の動物です。
実は、龍はお寺、特に禅宗の寺院には切っても切れない関係にあります。
お寺をお参りされたときに、本堂に入って、天井を見上げると見事な龍の絵が描かれていたり、境内のあちこちに龍を見ることが多いはずです。
貞昌院でも龍が祀られています。
左は本堂正面に掲げられている欄間の龍。
右は本堂向拝の龍です。
明治時代の火災の際に、近隣の檀家さんに運び出していただき火難を免れました。
このようにお寺に龍が祀られているのは、龍が仏法を守る「神将」として位置づけられ重んじられているからです。
例えば法華経の一節に(1)天(2)龍(3)夜叉(やしゃ)(4)乾闥婆(げんだつば)(5)阿修羅(あしゅら)(6)迦楼羅(かるら)(7)緊那羅(きんなら)(8)摩睺羅伽(まごらが)・・・・という八部衆が出てきます。
特に、本堂(法堂)は仏教の教えを説く場として重要な建物ですから、龍は伽藍を守る大切な役割を果たしています。
上写真欄間の龍を見ると、波のように水を操りその上から龍が睨みつけています。
龍は水を操り、雲を呼び、雨を降らせる力を持ちます。
本堂に法雨(教えの雨)を降らせ、また木造建築を火災から守るという役割も果たしています。
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これまで、このブログで紹介して来たいくつかの寺院の「龍」を並べてみました。
曹洞宗大梁山大慈寺(熊本県)佛殿の天井絵
大梁山 大慈寺
臨済宗円覚寺 白雲庵本堂天井画 雲龍 (画:入江正巳画伯)
道元禅師降誕の日と鎌倉歴史散歩
臨済宗聖福寺(福岡県)仏殿 天井画
福岡沖玄界地震に思う
浅草寺 大提灯
訪日外国人数、回復基調に
臨済宗泊船軒(荒川区)法堂天井画
仏教ホスピスの会いのちの集い
藤沢市に伝わる野辺送りの龍頭
野辺送り
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ここにご紹介しきれなかったものも沢山あります。
是非見ておくべき龍の天井絵もたくさんあります。
以下に、龍の天井画が有名な寺院を列記いたします。
円覚寺(仏殿)守屋多々志筆 鎌倉市
建長寺(法堂)小泉淳作筆 鎌倉市
向嶽寺(法堂) 山梨県
永源寺(開山堂) 滋賀県
国泰寺(本堂) 富山県
妙心寺(法堂)狩野探幽筆 京都府
南禅寺(法堂)今尾景年筆 京都府
東福寺(本堂)堂本印象筆 京都府
天龍寺(法堂)加山又造筆 京都府
相国寺(法堂)狩野光信筆 京都府
大徳寺(法堂)狩野探幽筆 京都府
建仁寺(方丈襖絵)小泉淳作筆 京都府
佛通寺(法堂)管南山筆 広島県
辰年の一年、さまざまな龍をお参りしてみては如何でしょうか。
末筆となりますが、建長寺や建仁寺の龍を描かれた小泉淳作氏が今年1月9日にお亡くなりになりました。
心より弔意を表します。
追加情報ですが、新潟県の永林寺、西福寺は石川雲蝶の彫刻の龍があります。西福寺は数年前に「サザエさん」のオープニングで紹介されて以来脚光を浴びるようになりました。永林寺のご住職はユニークな法話をされる方で有名です。ふたつのお寺は曹洞宗です。
投稿者 天真 | 2012年1月14日 17:50
石川雲蝶による龍の彫刻は見事ですね。
永林寺様のものはまだ拝見したことはないのですが、いつかお参りしたいと考えています。
投稿者 kameno | 2012年1月15日 18:09