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古来より朝露は儚いもののたとえとされてきました。
この朝露は、空気中に含まれている水蒸気が放射冷却などの影響で植物の葉や建物の外壁などで水滴となったものです。
ここのところ一ヶ月ほど雨らしい雨は降っていませんが、それでも早朝の本堂の銅瓦もこのように朝露でびっしりと覆われています。
境内を散歩すると、足元が濡れてしまうほど水に満ち溢れています。
なぜ葉の表面に朝露がつきやすいのかはブログ記事 ロータス効果 でも書いたとおり、葉の表面が撥水効果をもつ性質があるからです。
この朝露、特に今年の夏から秋にかけてのように降雨が無い時には生物たちにとっては貴重な水資源となります。
自然の朝露を利用した栽培方法を「露地栽培」と呼びますね。
蛇足ですが、寺院境内建物でも露地と呼ばれる部分があります。
茶室にも露地があります。
原典は『妙法蓮華経 譬喩品』のようです。
爭出火宅 是時長者見諸子等安隱得出 皆於四衢道中 露地而坐 無復障碍 其心泰然 歓喜踊躍・・・・・
雨が無く暑い毎日が続いているなかでも虫たちが元気に生き続けているのは、朝に一日分のエネルギーを蓄え、暑い日中は草の陰でひっそりと過ごすという自然の智慧を実践しているからでしょう。
水滴を纏った虫たちの煌きを下記のサイトで見ることが出来ます。(虫嫌いな人は注意)
The stunning pictures of sleeping insects covered in water droplets
陽が昇っていくにしたがって朝露はたちまち消えてしまいます。
このように儚い朝露ですが、重要な役割を果たしているのです。
いつもながらの美しいお写真、有難うございます。
リンク先の写真を見て驚きました。
美しいのはもちろんのこと、虫たちはこんなに
水滴をつけて重くないのでしょうか?
私自身の体に水滴をつけた状態を想像してみました。
とても虫のまねはできそうにありませんが
生まれ変わった時に虫になるかもしれませんしね。
ところで、畜生道というのはあるようですが
昆虫はどこの境涯になるのでしょう?
投稿者 うさじい | 2010年9月 4日 11:38
うさじい様
私たちが普段見ている世界が如何に狭いかがよくわかる写真ですね。
身に纏わりついた水滴は、羽ばたくときには振り払われる筈ですので、飛行には影響なさそうです。
じっとしているときにはそれほど重荷にはなっていないことでしょう。
虫たちの境涯はいかなるものなのでしょうか。
私たちよりもずっと広い、違った世界を見ているのかもしれませんね。
投稿者 kameno | 2010年9月 6日 01:28