« 横浜的電脳 18区の本 | 最新記事 | 「禅」のこころを刻む花時計 »
この時期、境内にはたくさんの蘭が咲いています。
ドイツスズランは園芸種のものですが、それ以外は貞昌院に自生する野性の蘭です。
特に、エビネ、キンラン、ギンランなどは、周囲の環境、特殊な細菌などと共存関係のネットワークがうまく働いていないと生育できない繊細な植物です。それゆえ、稀少であり絶滅危惧種に指定されているわけです。
菌根性樹木----菌根菌----キンラン・ギンラン
まさにローカルエリアネットワーク(Local Area Network)ですね。
キンランの人工栽培はきわめて難しいことが知られているが、その理由の一つにキンランの菌根への依存性の高さが挙げられる。ラン科植物はラン菌根と呼ばれる独特の菌根を形成し、ほとんどのものは多かれ少なかれ菌根から炭素(エネルギー)を含む栄養分を獲得しているため、その正常な生活には菌根が欠かせない。多くのラン科植物の場合、菌根菌(ラン科に限ってはラン菌という言葉も習慣的に用いられる)はリゾクトニアなど強い腐生能力を持つ腐生菌であるが、腐生菌は落ち葉や倒木などを栄養源にして生活している。
ところがキンランと共生する菌は腐生菌ではなく、樹木の根に外菌根を形成し、共生している菌であることがごく最近明らかにされた。外菌根菌の多くは腐生能力を欠き、炭素源を共生相手の樹木に依存しているため、共生相手である特定種の生きた樹木がなければ生存することができない。そのような菌に炭素源を依存するキンランは、間接的に樹木から栄養を摂取しているとも言える。従って理論上は菌根性樹木・菌根菌・キンランの三者共生系を構築しなければ栽培できない。自生地からキンランのみを掘って移植した場合には、ほとんどが数年以内に枯死するようである。 同様の例はアルブトイド菌根に依存するイチヤクソウ科植物にもみられる。
(Wikiペディア キンラン項より)
心無い方がこういう花を見つけると「自分の庭に」という自己中心的な考えを起こすのでしょう。
野草が盗掘されてしまう事例が後を断ちません。
とても残念なことです。
前述のように野性の蘭類を「盗掘」することは、永年かけて構築されていきた繊細な共存関係を損なうばかりか、その種を滅ぼす元となるということを心していただきたいと思います。
墓地・参道以外の場所に立ち入ることはご遠慮ください。
境内の動植物などを捕獲・採取することは厳禁です。