« 春彼岸中日 | 最新記事 | 記念シンポジウム@ BankArt »
パソコンでファイルを開こうとしたら
「○ドライブはフォーマットされていません。今すぐフォーマットしますか?」
とか「巡回冗長性(CRC)エラー」が出て読めなかった経験をお持ちの方は多いと思います。
データを記憶(記録)する装置にはハードディスク、CD-R、DVD?R、RAM、RW、ブルーレイ、フラッシュメモリなど様々なものがありますが、大体どれも消耗品と考えたほうがよさそうです。
現代はコンピュータ社会ですから、システムが一瞬でも停止すると重大な影響を及ぼします。
金融機関、交通機関などなど、コンピュータの障害によるニュースは後をたちません。
そこで、その対策として、冗長性を持たせるということを行っています。
冗長性(じょうちょうせい:redundancy)冗長性の定義は, 日本工業規格 JIS Z 8115 信頼性用語で「規定の機能を遂行するための要素または手段を余分に付加し, その一部が故障しても全体としては故障とならない性質」と与えられている. 代表的な冗長性としては, 複数のアイテムによってバックアップを実行する待機冗長や, アイテムを多重化してシステム機能を段階的に低下させる優美縮退冗長, 複数の同一アイテムから得られる結果を比較評価する多数決冗長などがある.
(日本オペレーションズ・リサーチ学会)
例えば全く同じシステム(バックアップ)を複数稼動させておき、障害が生じた場合に切り替えられるようにしたり、システムを分散したりするわけですね。
先日のブログ記事で書いたRAIDによるミラーリングもその一つです。
さて、本題に入ります。
数日前CD-Rにデータを焼いたところ書き込みは完了したものの、その読み出しにおいて冒頭の巡回冗長性エラーが出てしまいました。
何度読み出しをやってみても読めず、無理にファイルを開こうとするとフリーズします。
ディスクを取り出して表面を良くみると・・・・・
キレイだな?・・・・・いやいや、ひどい不良品ですね?
このような部分が何箇所もあります。
色素の液漏れのようなものも起こしています。
せっかく不良品ディスクを手にしたので、どれだけデータが復元できるかを試してみました。
通常の方法だと読み出しが出来ないので、neroを使って無事なデータと、読み出しできないデータも冗長性を利用して復元できるだけ復元してみました。
所要時間8時間ほど。
このディスクに焼きこんでいたデータは
9フォルダ 185ファイル 合計306MB
でした。
結果、どうしても読み出せなかったデータは
3フォルダ 42ファイル。
損傷率はファイル数ベースで23%
それ以外の他のデータは何の問題も無く読めています。
23%の損傷したデータ(写真)も、このような感じですので、別の方法で復元が出来るかもしれません。
土居まさる司会の『象印クイズ ヒントでピント』を思いだしました。
CD-Rの冗長性は素晴らしいですね。あれだけ損傷のあるディスクからでも思った以上に復元できました。感心します。
・・・と言っている場合ではないですね。
最近はメディアの単価も下がっています。
大事なデータをバックアップする際にはそのメディアの信頼性をよく吟味し、目で確かめられるものはきちんと確かめる必要がありますね。
それと、何年も前に記録したデータも読めるかどうか時々チェックする必要もありそうです。
■関連ブログ記事
知的文化遺産を後世に引き継ぐために
> kameno先生
だいたい650MBのCD-R一枚に8時間かかるんですね・・・この時間の掛かり方に、そこはかとない虚しさを感じてしまったのですが(汗)
投稿者 tenjin95 | 2009年3月21日 16:50
tenjin95さん
デジタルデータなんてこんなものでしょうね。
まさに朝露の如しです。
データを焼いた後は一応確認のため読出しチェックを行っていますので直ぐに別のCD-Rに焼き直しましたが、当該のエラーとなったCD-Rからどれくらい復元できるのかを実験してブログネタにした次第です。
結果思った以上に復元できてある意味びっくりしています。
これがフラッシュメモリだったらきっと殆どアウトでしょう。
夜通し修復作業をコツコツ行ってくれたパソコンさん、お疲れ様でした。
投稿者 kameno | 2009年3月21日 21:50
低価格のCD(海外で生産されている品が多い)で、トラブルが多いと話には聞いていましたが、その原因を追求されたとは、流石です。折角の記録にトラブルが発生してしまってからでは、「後の祭り」です。早速、この報告を「PC相談室」へ来られる人達にご覧に入れます。これで、納得してくれると思います。有難うございました。
投稿者 ちのしんいち | 2009年3月22日 23:21
ちの様
このように「目に見える」不良品はまだマシです。
むしろ怖いのは色素の塗布不良などによりいつの間にかデータが消えてしまっている場合です。
紙データであれば「痛みが出始めたな」と分かるのですがデジタルデータはきちんと保存されているか否かが直感的に分からないのが難点ですね。
投稿者 kameno | 2009年3月23日 11:22