マヨネーズとの闘い

BGM:「地上の星」(中島みゆき)


本棚からこのような写真が出てきました。
懐かしい!
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これは、大学時代にしていたアルバイト(様々なアルバイトを経験しましたが、そのうちの一つです)の時に撮った写真です。

写真を見ると、地面から何かがたくさん出ていますね。
これは何かというと、ドレーン材と呼ばれる、地中の水分を排出するために埋められているものです。
(ドレーン=排水)

背景に飛行機が写っていることから分かると思いますが、場所は羽田空港。
第一期計画で供用される新A滑走路のあたり(下図参照)です。

現在の羽田空港の主要滑走路及び、旅客ターミナルは羽田空港沖合展開事業により拡張されたものです。
国土交通省関東地方整備局のサイトから、羽田空港・戦後以降の羽田空港の変遷を引用してみます。

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羽田空港(東京国際空港)は世界屈指の巨大空港として日本経済を支えてきましたが、空港需要の増大に対処するために滑走路の増設が緊急の課題となっていました。

計画された羽田空港沖合は、計画当時はへドロが堆積していたドロドロの底なし沼で、その様子をマヨネーズに喩えて「羽田マヨネーズ層」などと表現されていたのです。
この表現は決して大げさではなく、本当にマヨネーズと同程度の粘度でした


ヘドロの上に土が被せられたものの、表面の土からヘドロが地表へ吹出し歩くことすら困難な沼地でした。
土の表面が乾いて見えるようなところも薄皮一枚。そこに落ちると底無し沼にズブズブと沈んでしまいます。

そのような場所に空港を建設することは並大抵のことではありません。

だからこそ、そこには最新の土木技術が投入されることとなり、その現場に立ち会うことが出来ました。
その一つが、冒頭の写真です。

ペーパードレーン工法は、地盤改良工法としてのバーチカルドレーン工法の一種です。
簡単に言うと、水分を多く含む軟弱な地盤に、透水性のあるドレーン材を垂直に打設し、土中の水分を効率良く排水する工法です。
土中の水分が排水されることによって軟弱地盤が強固な地盤に変化していきます。

バーチカルドレーンの効果が進むと、ようやく上を車両が通行できるようになります。
ただし、空港に耐えうる地盤には程遠いので、地盤改良工事が引続き行われました。

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この写真はJSG工法を施しているところです。

JSG工法とは、地中に打ち込んだ二重管(ロッド)の先端から超高圧でセメント系硬化材を圧縮空気と同時に噴射し、回転しながらロッドを引上げることにより、直径1?2mのパイル状固結体を造成する工法です。
設計図どおりに間隔をきちんと取り一列に施工するために、H鋼で作られたレールの上に機械が設置され、順番に地盤改良を行っていきます。


このほか、沈下する地盤をジャッキの油圧で持ち上げ空洞を特殊なコンクリートで固める工法などを駆使し、計画から完成まで約20年の歳月を経てようやく羽田空港新滑走路の供用に至ったのです。


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写真に写っているのが大学時代の私です。


滑走路は平常どおり供用されていますので、飛行機が次々と離着陸するすぐ脇の現場でした。
当然に安全管理体制や通行規制など厳格に定められたルールに従い工事が進捗されていくわけです。

最先端の工法を体験できたこと、現場の運営、進捗管理に触れることができたことは、後の仕事で大いに役に立ちました。
何より楽しかった!


多くの方が力を合せて一つの事業に立ち向かっている当時の様子が羽田空港を利用するたびに思い出されます。

 

BGM:「ヘッドライト・テールライト」(中島みゆき)





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プロジェクトX 挑戦者たち
新羽田空港 底なし沼に建設せよ


日本の空の要「羽田空港」。かつて、その場所は「底なし沼」と呼ばれた魔のヘドロの海だった。
足を踏み入れると抜け出せない超軟弱地盤。悪臭もひどかった。
「羽田地獄だ」現場の作業員たちは、口々に言った。
その難局に立ち上がったのは、日本の空港建設一筋に生きてきた技術者たち。
あのスエズ運河の現場で腕を鳴らした男もいた。
「絶対に日本の空を築いてみせる」。
前代未聞、ヘドロとの格闘に挑んだ人々の壮絶な物語。

投稿者: kameno 日時: 2009年1月27日 09:57

コメント: マヨネーズとの闘い

ここではお久し振りですm(__)m

管理人さんは色々なバイトを経て今に至っているのですね。

奥が深いその人生の軌跡を見習わなければと想った今日この頃です。

投稿者 叢林@Net | 2009年1月28日 23:04

叢林@Netさん
懐かしい写真が出てきましたので記事にしてみました。
多くの人の接することが一番の糧になっていると感じます。

投稿者 kameno | 2009年1月29日 10:10

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