ねんきん特別便が来た

共済年金でも未統合 181万件新たに判明

年金受給者と加入者一億人に一つずつ付けられる基礎年金番号が導入された一九九七年以前に、公務員や私立学校の教員を退職した人のうち、約百八十一万件の共済年金の記録が基礎年金番号に統合されていないことが分かった。財務省、総務省、文部科学省、社会保険庁の関係四省庁が共産党の小池晃参院議員に回答した。
基礎年金番号に統合されず該当者不明となっている約五千万件の記録は厚生・国民両年金の記録で、共済年金は含まれないため、未統合の記録はさらに増えた形となる。
社保庁は、九七年以前に共済年金を脱退した人の記録については、年金受給開始時に基礎年金番号に順次統合し、厚生・共済両年金の一元化が予定される二〇一〇年三月をめどに、統合を完了させる方針を示している。
基礎年金番号に未統合なのは今年三?六月の時点で、国家公務員共済約六十七万件、地方公務員共済約六十八万件、私学共済約四十六万件。
(2007年6月26日 中日新聞)



私にもねんきん特別便が届きました。
公務員共済ねんきん特別便と社会保険庁の年金特別便の2通が別々に届きましたので、冒頭のニュースの181万件に該当することになっている事がわかりました。
それぞれの特別便には、それぞれの加入期間のみしか記載されていないので、2通を併せ持たないと意味をなしません。
なぜ統合されていないのかというと、会社員の「厚生年金」と公務員の「共済年金」の制度の違いをどのようにすり合わせるかという根本的な論議が先送りされていることに起因するものです。


年金制度は3つの層に分類されます。


【年金制度の3つの層】

3層 厚生年金基金 適格退職年金 職域年金
2層 国民年金基金 厚生年金共済年金
1層 国民年金(基礎年金) 第1号被保険者(自営業) 第2号被保険者(民間企業・公務員) 第3号被保険者(配偶者)


同じ「1層目の2号被保険者」というカテゴリーに分類されておりますが、会社員と公務員とでは、厚生年金と共済年金という別の組織により扱われます。
2つの制度のうち、一番の違いは「職域加算」と「追加費用」です。
まず、「職域加算」とは、公務員の共済年金にのみ上乗せされるものです。このために、公務員はおよそ月に2万円の上乗せされた年金を受取ることができます。
次に「追加費用」ですが、公務員の共済年金にだけ投入される税金です。
簡単に言うと、年金の面で公務員は優遇されているわけですね。

これを一元化するためには、当然「職域加算」と「追加費用」をどうするかということが問題になるわけです。
公務員の上乗せ部分を、厚生年金から流用することが許容されるのか。
それが許容されなければ、公務員の共済年金支給をざっくり削減するか、現役の公務員にその分を負担させなければならないでしょう。

政府は2010年までに、厚生年金と共済年金を統合する方針を打出しています。
ただ、順調に統合が進むかどうかは不透明な状況です。

ということで、私のように1997年以前に公務員を退職し、国民年金や厚生年金に切り替えた人(181万人)は、社会保険庁へのねんきん特別便の回答に、「加入暦の漏れがある」として、さらに共済年金特別便のコピーを添付して、返送しないとならないわけですね。

それでも、共済年金のように、ねんきん記録が送られてくる場合はまだマシなのでしょう。
一般の会社、自営業などで該当不明になっている5千万件の方たちは、きちんと全員が統合される日が来るのでしょうか。


統合までに何年かかるのか気が遠くなる作業を、これまた税金を投入して行っていると思うと複雑な思いです。

投稿者: kameno 日時: 2008年10月17日 00:22

コメント: ねんきん特別便が来た

> kameno先生

拙僧のところにも来ました。
多分、世田谷学園に勤めていた頃の関係で、疑問になったのかも知れませんが、でも、非常勤で、年金は入っていなかったようなので、結局、国民年金+今の職場ということになり、特に問題なし、というので、返送しました。

ホント、このような作業を我々の税金を使って行うということ自体が、バカバカしく見えますね。

投稿者 tenjin95 | 2008年10月17日 06:47

tenjin95さん
問題なかったようで何よりです。
私は、今回、どちらの特別便にも不備があったため、担当者に問い合わせてみたのですが、「いつ終わるかわからない・・・」と本音をもらしていました。
このようなことに国民が振り回されるということが実に問題ですね。

投稿者 kameno | 2008年10月17日 09:11

わたしの特別便も、厚生年金基金が1件もれていました。
基金の証書があるので、コピーして返送するつもりです。
何しろ、相談の電話窓口がまるでつながりません。

副住職のおっしゃるとおり、現時点で修正できる人は
まだいいほうで、現在問題になっている収入の改ざんに
該当していて、闇に葬られているかたがたは少なくない
と想像に難くないです。
わたしの父の年金も、在職当時の収入を示す書類は
残っていませんし、高齢者であるために本人自身が
面倒くさい、どうやって調べていいいかわからない、と
なってしまいます。

さて、今後どうなるのでしょうね、年金問題。
わたしたちは、果たしてもらえるのかーーーーー!?

投稿者 宝船 | 2008年10月17日 15:03

宝船さん
例の相談ダイヤル、つながりませんね?
問い合わせにすら対応できない状況で、大丈夫なのかと思います。
既に受給が開始されている方、受給間もない方は気が気ではないでしょうね。まったく困ったものです。

投稿者 kameno | 2008年10月17日 20:10

その「つながらない」電話の交換手のみなさんも、
税金で雇用されているわけですよね……派遣かしらん。
ほんと、複雑でございます。

年金の財源のことを考えると、縦割り行政では完全に
無理があるのは素人でも見え見えの日本の未来…
傍観ではなく、できる限りよりより未来のため自分も
なんらかの形で参加したいとは思います。

投稿者 宝船 | 2008年10月17日 23:29

宝船さん
職員もいるでしょうけど、大部分は派遣かもしれないですね。
とにかく適切に処理を進めて欲しいものです。
昨日投函した返信が反映されるのはいつのことになるやら。

投稿者 kameno | 2008年10月17日 23:54

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