« 塔婆供養で植林支援?植林を担う人材育成 | 最新記事 | 境内を包む濃厚な香り »
チベット・砕かれた仏の国 でご紹介した「野町和嘉写真展地球巡礼」ですが、かながわ国際交流財団に赴く機会がありました(※)ので、ようやく行くことができました。
※別に報告いたしますが、ゆめ観音アジアフェスティバルに寄せられた義捐金の寄託のためです。
財団の方には会場をご案内いただきました。心よりお礼申し上げます。
■野町和嘉写真展 地球巡礼あーすぷらざ 3F企画展示室
JR根岸線 本郷台駅 徒歩5分
Tel:045-896-2899会期:2008年9月6日?10月13日
公開時間:10:00-18:00 祝日を除く月曜日休館
入場無料主催:神奈川県立地球市民かながわプラザ
指定管理者 財団法人 かながわ国際交流財団
作品制作協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社
協力:クレヴィス
20代半ばでサハラを訪れ、過酷な風土を生きる人々の強靭さに圧倒されたことがきっかけとなって、今日までドキュメンタリー写真を撮り続けてきました。訪れた土地の大半はいわゆる辺境の地で、厳しい自然と向き合いながら、人々は自らの文化に強いこだわりを持って生きていました。あるいは、民族間の軋轢や理不尽な歴史のしがらみを背負いながらも懸命に生き抜く姿に魅せられ撮り続けてきました。
ところがそれら辺境の地にあっても、昨今、人々の意識は劇的に変わりつつあります。グローバリゼーションのひとつの局面である、効率、利便性といった共通の価値観にむかって、地球上があたかもアイロン掛けされた一枚のシーツであるかのように急速に画一化、平準化されつつあるというのが、私の印象です。
一方において、“21世紀は宗教の世紀”でもあります。画一化が進行するなかで、あるいは民族紛争によって呼び覚まされた、自らの文化への強い帰属意識が宗教の復興というかたちで地球規模で高まっており、今日の潮流をなしています。
本展覧会は、30年余にわたって撮り続けてきました、“祈りと巡礼”の総集編「PILGRIMAGE」(日本版、「地球巡礼」)より、アンデス、メッカ、インド、ナイル、チベット、サハラ、グレート・リフト・バレーの120点の作品により構成するものです。 (野町和嘉さんからのコメントより引用)
野町氏は、サハラ砂漠に旅をして以来、過酷な自然と向き合って生きる人々を描き続けています。
特に、イスラームの二大聖地メッカ、メディナの撮影は国内外で高い評価を得ています。
展示写真の一部はこちらのサイトでも見ることができます。
しかし、やはり写真を目の当たりにすると、そこに映し出された信仰のもつエネルギーに圧倒されます。
メッカの写真などは、サウジアラビアより正式に撮影依頼があり、ムスリムにまでなって撮影に赴いた野町氏だからこそ撮影できた写真です。
世界各地、それぞれに信仰の形は違えども、人がどのように信仰と向かい合っているのか。
とても内容の濃い写真展です。
あーすプラザでの展示は今度の連休で終わり(10月13日まで)となります。
お近くの方は是非ご覧になることをお勧めします。
5階の展示スペースには「チベットの今 写真展」も開催されていました。
想うことがある限り、人は願い、そして祈る。天空の大地から、世界に届ける願いとは?チベットの今を伝える写真展です。
こちらはフォトジャーナリスト、野田雅也氏による写真の数々です。
街に中国人があふれるようになると、チベット人は住む場所を失ない、文化的住宅と称した狭い住居に強制的に移住された。そこでは牛や馬を飼うこともできない。
チベット僧は寺から追い出された。この僧侶は路上で生活する物乞いになった。
風月庵さんが、最近の記事でチベットのジャンヌ・ダルクとして、尼僧ガワン・サンドルさんが受けている非人道的な扱いと、それに立ち向かう不屈の戦いについて書かれています。
このようなチベット僧、チベット人に対する中国政府の弾圧は日常的にたくさん行われています。
ただ、私たちにはなかなか伝わってこないだけです。
野町和嘉さんのサイトでは、尼僧ケルサン・ペモさんの受けてきた筆舌しがたい受難の日々が生々しくつづられています。
⇒チベット・砕かれた仏の国
また、チベットの拷問被害者全国証言ツアーでは、チベットの真実として直接話を伺うことのできる機会を設けています。
併せて一読いただくことをお勧めします。
■関連リンク