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大施餓鬼会の日の夕方、サイエンスカフェ@貞昌院が開催されました。
コンセプトは 「おてらで きがるに サイエンス」
日時 7月26日 午後6時より
場所 貞昌院客間
演題 『ろうそくの炎から宇宙を観る』
講師 亀野誠二准教授 (鹿児島大学・天文学)
この講座は、ゆめ観音アジアフェスティバル(9月6日・大船観音にて開催)のプレイベントでもあり、貞昌院檀信徒の皆様に限らず、地元の御寺院様、一般の方様々なみなさまにお集まりいただきました。
小さな子どもからご年配の方まで年齢層もバラエティーに富んでいます。
まずは、講座で使用する分光器を作成します。
この分光器は、コンパクトディスクを使用しています。
作成した分光器を使ってさまざまな光源を分析しました。
太陽光のスペクトル
白熱電球のスペクトル
蛍光灯のスペクトル
水銀灯のスペクトル
ろうそくのスペクトル
太陽光は連続スペクトル、人工光源は不連続なスペクトルとなります。
本堂の光源からはどのようなスペクトルが得られたでしょうか・・・
同時進行、ロウソク作り。
「光とは何か」から始まって、「なぜCDの分光器でスペクトルが現れるのか」「宇宙の始まりと終わり、時間空間の概念」に至るまで幅広くかつ深い内容。
質疑応答でも活発な論議がなされ、明瞭な回答に納得あり、笑いありのサイエンスカフェとなりました。
質問に対して、誰にでもわかりやすく、しかも簡潔に回答できるということは、その内容を本当に理解していなければ出来ることではありません。
様々な意味で学ぶことが多い講座でした。
そして、仕上げに外に出て、水銀灯や花火の光を、分光器を通して眺めてみます。
花火は火薬に含まれる成分により特長的なスペクトルが現れます。
宇宙の始まりとされる147億年前、宇宙は空間的には「点」でありました。
時間はそこから始まりましたので、147億年前以前の時間はありません。
そして、宇宙の膨張スピードは増大していくばかりでありますので、宇宙の寿命には終りがありません。
「初めはあるが、終わりは無い」というのが、最新の宇宙科学による宇宙のすがたです。
そして、以前、眼に見える世界は蝋燭の炎の形 の記事でもご紹介いたしましたが、私たちが直接観測することができるのは、宇宙図でいうところの「ロウソクの炎のような形の表面の部分」のみです。
残念ながらその外側の部分の世界は、どのようにしても知りようが無いのです。