飛んでいった風船はどうなるの

教区の仲間の結婚式・披露宴がありました。
連休最終日の絶好の天気のもと、祝福のために多くの人が集まりました。
とても良い式でした。

二次会のクライマックスでは、風船のリリースが行われました。


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・・・・風船は環境に良く無いのでは?
そのような疑問を持つ方は多いはずです。
風船が参列者に配布される際に説明されたことは「この風船は生分解性のエコ風船」であるということ。
つまり、自然に分解していき、土に還る風船であるということした。

帰宅してから少し調べてみました。



■環境にやさしいゴム風船 「土から生まれて土にかえる」

ゴム風船の原料は、ゴムの木から産出する樹液でつくられる「ラテックス」です。
ラテックスは、日光や水によって分解される100%自然の原料であるため、分解作用は空気に触れた瞬間から始まります。
その主な要素は酸化、太陽光線、微生物などです。


■空に飛んでいった風船はどうなるか

飛んでいったゴム風船は、上空約8キロまで達すると気温の低下により凍結し、粉々に分裂して、拡散しながら地上に落ちていきます。
そのままの形で落下するということはほとんど無いようです。
粉々になって落下したラテックスは、自然の作用で土に戻ります。
学術的根拠のない情報でゴム風船は一時誤解を受けましたが、近年は「動物に害はない」という常識がようやく浸透してきたようです。
(出典:日本バルーン協会

ということで、少なくとも、下記のガイドラインを遵守する限りは環境への影響は無さそうです。
安心しました。

バルーンリリースのガイドライン


1. リリースには、ヘリウムガスを使用する事。…水素ガスの禁止
2. リリースされる風船は、ラテックスを原料とする『ゴム風船』である事。蒸着フィルム使用のものや自然環境で生分解しないものは使用しない。
3. 使用するゴム風船の止め具に、プラスチックなどの生分解しない物は使用せず、風船自体でしばる事。
4. 糸など持ち手をつける場合、ゴム風船と同等の生分解性持つものを使用する事。…木綿糸・輪ゴムの推奨
5. リリースされるゴム風船はすべて単体とし、集合体でリリースしない事。
6. リリースの実施場所、天候などロケーションを考慮する事。

日本ゴム風船商工会飛翔風船問題対策委員会 1994/10/21


 

1、2、3!!
司会者の掛け声とともに、みんなの風船は少し強い海風に乗って一気に飛んでいきました。


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末永くお幸せに。

投稿者: kameno 日時: 2008年5月 6日 23:17

コメント: 飛んでいった風船はどうなるの

ゴム風船(もしくはエコ風船)による風船飛ばしについてですが、実は風船の破片を絶滅危惧種のオサガメなどのウミガメや海鳥が誤飲することで死亡する事があることから、欧米では現在風船飛ばし反対運動が起きています。
欧米では普通に知られている「ゴム風船の分解にかかる数ヶ月ないし約1年間に起こる野生生物への影響」が日本国内では公にされておらず、研究調査も行なっていないのです。
※ちなみに先の環境に優しいとする根拠は環境保護団体が評価したものでなく、ゴム風船などのゴム販売を生業とする関係者が宣伝目的も兼ねて作られた資料であり、上空8Kmの根拠も実測ではなく電卓を叩いて高度を求めたもの。野生生物への影響評価的なものはありません。

投稿者 あきら | 2010年9月29日 02:04

あきら 様
コメントありがとうございます。
当ブログ記事に引用した根拠は「日本バルーン協会」でありますので、当然に世間一般からの批判に対する業界からの反駁という性格のものです。
それに基づいて、使用に関するルール付けをしましょう、というのがここに紹介したガイドラインです。
バルーンをどのように使うかは使用側の節度に任されています。様々な視点にアンテナを広げる必要がありますね。
それにしても、砂浜を歩くと砂の合間に見つかるプラスチック類のペレット、ペットボトルのキャップ、ビニールの破片・・・・生分解されないゴミがいかに多いことか。
こちらは本当に深刻な問題です。

投稿者 kameno | 2010年9月29日 07:53

kameno様、コメントを下さいましてありがとうございます。浜辺のプラスチックゴミのことを心配なされていますね。
それは私も同様に心配です。昨年近郊の海岸清掃(コスモ・アースコンシャスでしたね)に参加しましたが、バーベキューのコンロが放置されるなど清掃は大変でした。

でも、洪水や津波などの不可抗力的なゴミ流出などがない限り、その多くは、「捨てたら知らん振り」という人為的なゴミの投げ捨てが原因と思えるのです。

自然界に放置された分解しにくいプラスチックゴミも、生物が誤飲やひもの絡まりで命を落とす原因になる風船ゴミも、タバコの吸い殻のポイ捨てや、釣り糸釣り針の放置で野鳥が絡まるテグス被害、在来種の生物を根こそぎ食べ尽くし生態系の破壊に繋がるブラックバスの河川の放流、河川や海岸の花火くず、バーベキュー・芋煮の道具、材料、燃料の木炭などのゴミの放置など。環境立国といわれる日本は技術はあっても、こんなことを行っている日本人は残念ながら環境意識は低いと言わざるを得ません。
(海岸に打ち寄せるゴミもその多くは韓国などの海外からではなく日本国内のゴミです。)

それと、アメリカでの研究で若いウミガメが風船を誤飲し消化管に滞留し続け排泄するのに4ヶ月もかかり衰弱した事例もあります。(弱肉強食の自然界では致命的です。)

そのような都合の悪い事実は先に挙げた商業協会の環境PR目的の資料には絶対に掲載されません。(各バルーン業者がこぞって引用して使っている資料です。環境に悪いことまで書いて会社を潰す馬鹿正直な人はいません。)
近年は日本で1つのイベントで20万個も飛ばす環境無視のイベントも行われています。(嵐ですね、国立競技場の)
そのような問題事例を考慮しなけれは本当に環境に優しいことを我々は評価することはできないと私は思うのです。

投稿者 あきら | 2010年9月29日 21:13

あきら様
1つのイベントで数十万個というのはいくらなんでも節度を超えていますね。主催者側も企画会社も後のことに思いが至らないのかも知れないですね。
全ての事象が有機的に繋がり絡み合っているということを理解することは大切なことです。

投稿者 kameno | 2010年9月30日 08:29

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