日本SHOCK!

日本人ならイモを食え? 東北大の「自給メニュー」に反響


東北大学の学生が1月に実施した食料輸入がストップした場合の食事メニュー体験「日本SHOCK!フェア」が全国で反響を呼んでいる。
 食料輸入が止まり、自給可能な食料で1日の食事メニューを作ると3食ともイモが主体になる。このメニューを体験し、学生に食料自給率39%という日本の危機的状況に関心をもってもらうことを狙ったイベントだ。
 4月に「食料安全保障課(仮称)」の新設を予定している農水省は、食糧自給率リポートの発行やホームページから各家庭の料理自給率を計算できるソフトをダウンロードできるようにするなど食料自給率への関心を高める努力を継続中。「言葉だけでは分からない。体験は食料自給率への関心を高める」(農水省)と期待する。
 今すぐ輸入がストップして、国内で生産可能な食料だけに限定してメニューを作ると1日996キロカロリーしか摂取できないが、メニューは、農水省が進める耕作放棄地解消策などがうまくいったことを前提に、平成27年度の食料自給率をもとに1日当たりの摂取熱量を最大化(2020キロカロリー)して作った。
 予想値をもとに作ったメニューだが、2000キロカロリーは戦後の食料難が続いていた昭和20年代後半と同水準になる。
 東北大のイベントは、イモ主体のメニューを2日間で117食を販売した。目標の100食をクリアし、体験者へのアンケートでも85%の学生が「日本の食料自給率の低さは問題だと思う」と答えた。
 イベントを企画した学生らは、「熊本市議会議員が見学に来たり、千葉県の主婦団体からの問い合わせなど全国で反響があった」と満足げ。「このメニューを福田康夫首相に食べてもらいたい」と話している。
 今後は、小学生とその親にメニューを体験してもらうイベントを市主催で開催するように仙台市教育委員会と交渉中。また、全国の大学生協にもイベント実施を働きかけていく。
(産経新聞)


記事にありましたメニューはこのようなものです。


朝食 : ご飯1膳(75g)、ふかしイモ2個、ぬか漬け(90g)
昼食 : 焼イモ2本、ふかしイモ1個、りんご1/4個(50g)
夕食 : ご飯1膳(数量不明)、焼イモ1本、焼き魚1切れ(84g)


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(写真は農林水産省のサイトより、東北大学のメニュー)


中国製ギョーザの農薬混入事件は、これまで指摘されてきた輸入食品の危険性を国民に広く知らせてくれました。
しかしながら、日本の食料自給率は40%を下回るお寒い状況です。
そのような状況を導いてきたのは、まぎれもない農林省(農林水産省)の政策であり、何をいまさらという感はありますが、ここで私たちは危機感をもち、ではどうしたらいいのかを考えていく必要がありましょう。
いつのまにかこの話題が忘れ去られ、またもとの状況に戻ってしまうのは愚の骨頂です。

現状、国内で生産可能な食料だけに限定してメニューを作ると私たちの食卓は極端に彩りのない食事が並ぶという状況になります。
これは、国の耕作放棄地解消策などが順調にいった結果を反映したものだということですが、戦後の食料難が続いていた昭和20年代後半と同水準がやっと。
一週間食べ続けた方々はそうとう大変だったようです。


しかし、このメニューを見て、私はそれほど違和感は感じませんでした。
なぜなら、禅の修行道場でいただいている食事はほぼこのようなものだからです。
(食卓にサンマが並んでいるぶん日本SHOCK!フェアの方がマシに感じるほどです)
きっと、修行僧たちにこのメニューを出したら、感謝しながら喜んで食べてしまうため、イベントの趣旨が成り立たなかったでしょう。


修行道場の食事の一例を書いてみます。


朝食 : お粥、ごま塩、漬物
昼食 : ご飯、若布の味噌汁、小松菜のおひたし、ごま塩、漬物
夕食 : ご飯、サツマイモの味噌汁、揚出し豆腐、ごま塩、漬物

大事なことは、決まった時間に決まった量の食事をいただく規則正しい生活をすること。

日本SHOCK!フェアのようなイベントをわざわざ設定し、そこに参加しなくても、禅道場の参禅会に参加すれば食事の大切さを体験することが出来ます。
また、一食だけでは・・・という方には一週間の接心がありますので、一般の方でも一週間修行僧と同じ食事、時間を過ごすこともできます。一度食事の大切さを経験してみてはいかがでしょうか。
 

とはいっても、やはり修行僧の食事を日常的に全国民に強いるのは無理でしょう。
食の安全を確保する上でも、安定的な食料を自給するためにも、国の農業政策の見直しと同時に私たちの普段の食事に対する意識を変えていく必要があります。
是非、下記リンク先の資料をご覧ください。


■関連リンク
「日本SHOCK!フェア」報告会の資料について
<資料>
資料1 「THE 39%」(東北大学「日本SHOCK!フェア」)報告(PDF:1,123KB)
資料2 「国内自給メニュー体験報告」(読売新聞二階堂記者)(PDF:430KB)
参考資料1 「崩食豊食」(北海道新聞 平成20年2月21日から26日掲載記事)(PDF:743KB)
参考資料2 我が国における食料問題の現状と課題?食料の未来を描く戦略会議(抜粋)?(全文)(PDF:3,165KB)
参考資料2 (分割版1)(PDF:1,672KB)
参考資料2 (分割版2)(PDF:1,979KB)

投稿者: kameno 日時: 2008年3月10日 10:10

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