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時代とともに消えゆくもの(寝台特急富士はやぶさ-後編)

山口まで往路飛行機で見下ろしてきた陸路を逆に辿る13時間の旅です。
乗車するのは寝台特急「はやぶさ」。
熊本起点の「はやぶさ」と、大分起点の「富士」が小倉で連結され、そこからは「富士・はやぶさ」として運行されています。
「はやぶさ」は、現在JR運行の中で日本一長い距離を走る定期列車だそうです。
起点の熊本は、14時発ですから、熊本から東京までは実に17時間以上かかります。

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ブルートレインの中へ。
初めて入ります!

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B寝台。
車内はガラガラで、乗客の姿はほとんどありません。

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洗面台。
和式のトイレもそうですが、改造もされず製造当時のままなのでしょう。

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この扉の先が、今回利用したB寝台個室です。

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室内の様子。
カプセルホテルよりは少し広いですが、2段式の上段なので天井が低いですね。
ただ、窓が斜め上についているので、寝転びながら夜空を見上げることができるのがいい感じです。

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室内の様子と読書燈。
このような形の電球は久しぶりに見ました。

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発車ベルも無く、「ガタン!」という客車独特の振動とともに発車しました。
かなり揺れますし、線路の音も響きます。
けれども、私にとっては心地よく感じました。
インドの列車の雰囲気を思い出させてくれたり。

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車窓を深夜の街の光景が流れていきます。

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始発列車の走り出す時間の名古屋。
駅構内にはまだ人影はありません。

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浜松駅で3分ほど止まります。
ここで降りて新幹線に乗換えると9時前に東京に着くので、乗り換えるサラリーマンが多いそうです。

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間もなく横浜です。
大船の観音様が出迎えてくれます。

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横浜到着。
雨も降っていたので機関車はかなり汚れてしまっています。
というより、元々汚れていてそのままという感も。

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※乗車時間13時間で読めた本2冊。

世の中にはいろいろな人がいるもので、「寝台特急・はやぶさ号の車内で『ドラゴンクエスト』をプレイ。終点に着くまでにクリアできるか?」という体験レポートもありました。


「富士・はやぶさ」は12両編成で運行されており、そのうちA寝台個室が2両、B寝台個室が2両で、残りの8両はオープン式のB寝台です。
B寝台個室は、ほとんど満室でした。
反面、A寝台個室はB寝台よりもさらに5千円ほど高いため、またB寝台もプライバシーや防犯の面から敬遠されるためかほとんど乗客が見られませんでした。
乗車率も平均で20%程度のようです。
逆に経費面でいえば、深夜の運転手・乗務員、そして停車駅の駅員など人件費をはじめかなりのコストが掛かっていることは想像に堅くありません。
しかも東京?熱海まではJR東日本、熱海?米原まではJR東海、米原?下関まではJR西日本、下関?はJR九州というように、複数の会社区間を運行していますから、それぞれの連携も必要です。
きっと大幅な赤字なのでしょう。


車両を新造することもなく、逆に食堂車やサロンが無くなり、乗客にとっての快適さも失われていますので、乗客の減少は悪循環としか言いようがありません。
せめて、需要が高そうなB寝台個室のみの編成にすれば少しはマシなのかも知れませんが、このような現状ではブルートレイン廃止という判断も仕方ないでしょうが・・・・風情のある列車が無くなっていくのは本当に残念です。

投稿者: kameno 日時: 2007年12月 5日 04:48

コメント: 時代とともに消えゆくもの(寝台特急富士はやぶさ-後編)

おはようございます。
列車での旅お疲れさまでした。
消えゆくものを写真に残していこうとさまざまに撮られた映像が、さびしさを物語っているようで胸がキュン、となりました。
鉄道フアンの方々も同様な気持ちでしょう・・
そんなやるせなさを誤魔化しながら、片方では今日も時代の浪に流されてゆくのを止められずにいるのです。。。。

投稿者 ゆが | 2007年12月 5日 09:33

ブルートレインの廃止は寂しいですね。
私が学生の頃は、「出雲」は満員で、切符の取りにくい列車の一つに数えられていました。
今のサンライズになってからは、乗ったことがありません。
最近の上京はほとんど、飛行機です。
往路のように、機内から富士山が見えると、運賃を得した気分になります。

投稿者 ぜん | 2007年12月 5日 22:16

寝台列車といえば、青森県八戸から上野までの間を3度ほど利用しました。40年近く前のことでよく覚えていませんが、27時間くらいかかった記憶があります。一番安いB寝台の上部なので、余計切符もとりにくかった。

インドのクシナガラへ行くときに、久しぶりに乗った寝台車よりはましでしたが、あまり良い思いでは残っていません。
他の乗客の迷惑を考えずに、夜遅くまでしゃべっている人たちが少なからず居たからです。

今、乗ってみたいのは、何と言ってもオリエントエキスプレス。後、切符がほとんど取れない「北斗星のロイヤル」。死ぬまでに一度乗ってみたい。

投稿者 うずま | 2007年12月 6日 05:32

ゆがさん
ブルートレインについてはまさに悪循環だったと思います。
また時代の要請があれば復活することでしょう。その時までは思い出として心に残しておこうと思います。

ぜんさん
山陰方面へは寝台列車は便利だと思うのですが、やはり出雲も廃止になってしまいました。
サンライズのほうが新しいし、速度も速いので需要はありそうですね。
実は今回も岡山からサンライズで帰ろうとも考えたのですが、あえてブルートレインにしました。

うずまさま
やはり昔は時間がかかったのですね。丸一日以上ですか!
当時は列車の中で横になれるというだけでも贅沢だったのかもしれないですね。
オリエントエキスプレスは私も憧れです。ラリックのガラスの装飾も実際に見てみたいものです。
北斗星も豪華客船の旅もそうですが、質を高めて差別化を図るというのも一つの方法です。数十年にそのような形でブルートレインが復活するかもしれないですね。

投稿者 kameno | 2007年12月 6日 13:52

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