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「上弦の地球」鮮やか 月探査機「かぐや」が撮影宇宙航空研究開発機構とNHKは1日、地球を離れ、月に向かって飛行中の月探査機「かぐや」が撮影したハイビジョンカメラによる地球の画像を公開した。
画像は9月29日午後9時46分(日本時間)、地球から約11万キロ離れた、地球と月の距離(約38万キロ)の3分の1の地点で撮影された。地球の昼間で太陽の光があたっている南北アメリカや太平洋が写っている。
ハイビジョンによる地球の撮影はスペースシャトルや国際宇宙ステーションから高度約340キロで実施されたことがあるが、約11万キロという距離では初めて。撮影データは宇宙機構の臼田宇宙空間観測所(長野県)で受信され、NHKがデータ処理した。
かぐやは4日ごろ月の周回軌道に入る見込み。月の地平線から地球が昇る「地球の出」の撮影も予定されている。
(朝日新聞)
この写真が、冒頭のニュースにある「かぐや」からハイビジョンカメラで撮影された地球の写真です。
中米から南米大陸にかけてが見えますね。
写真をクリックすると宇宙機構・NHKによるオリジナル画像を見ることができます。
それにしても美しいです。
上弦の月というのは見慣れていますが、上弦の地球を眺めることができるというのはなんとも不思議な気持ちです。
アポロ8号により撮影された月面からの地球の出の映像を見て、お婆ちゃんが
「これが地球さんかい、ありがたいね?」
と手を合わせて拝んだという話を伺ったことがありますが、自分たちが居る地球に・・・自分たちに向かって拝んでいる姿は、まさに、『両鏡相照』の境地でありますね。
冒頭の地球の写真は、地球から約11万kmの位置から撮影されました。
これだけ遠い宇宙からハイビジョン撮影が行われたのは世界初とのことです。
かぐやは、今後、どんどん月に近づいていき、明日(10月4日)には月周回軌道に達します。
そして順調に行けば
10月9日 リレー衛星分離
10月12日 VRAD衛星分離
10月19日 定常観測軌道(高度100km)の月周回軌道への投入
11月上旬頃 定常観測軌道へ投入、バス機器、観測機器の初期チェックアウト開始
12月中旬頃 初期チェックアウト終了、定常観測の開始
という日程で定常観測へ向けての旅は一段落します。
(図はJAXAのサイトより)
その後は、
月の表面を調べるミッション
1.蛍光X線分光計 月の表面の元素の分布を調べます
2.ガンマ線分光計 月の表面の元素の分布を調べます
3.マルチバンドイメージャ 月の表面の写真を撮って、色の違いから岩石の分布を調べます
4.スペクトルプロファイラ 岩石の種類をより詳しく調べます月の地形や地下のつくりなどを調べるミッション
5.地形カメラ 2台のカメラでステレオ写真を撮り月の地形を調べます
6.月レーダサウンダーアンテナ 月の地下2?5キロメートルくらいまでの地層や断層などを調べます
7.レーザ高度計 レーザを使って月の地形と標高を調べ、地図を作ります月の環境を調べるミッション
8.月磁場観測装置 月の磁場を詳しく計ります
9.粒子線計測器 月の表面に降り注ぐ宇宙線と、月での火山活動の様子を調べます
10.プラズマ観測装置 月の周りのプラズマを調べます
11.電波科学 月の電離層を調べます月の重力の分布を調べるミッション
12.リレー衛星対向中継器 月の裏側の重力の分布を調べます
13.衛星電波源 月の表側の重力の分布をより詳しく調べます月から地球を調べるミッション
14.プラズマイメージャ 地球のオーロラなどを撮影します月と地球などを鮮明に撮影するミッション
15.ハイビジョンカメラ 月面上での「地球の出」などを撮影します
という主に15のミッションをこなしていく予定です。
次々と送られてくる観測結果がとても楽しみです。
ここに「かぐや」のペーパークラフト型紙があります。
月への行程に思いをはせ、作成してみるのはいかがでしょうか。