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今年6月、ヨーロッパ国際布教40周年記念行事レポートで、ヨーロッパに根付いてきた禅についての記事を書きました。
その行事の際に、禅僧用の本格的な応量器(おうりょうき)がなかなか手に入らず、是非幾つか数を揃えて送って欲しいという要望を総監部よりいただきました。
たまたま行事でご一緒させていただいた方が山中塗りの工房をよくご存知だったため、工房に掛け合っていただき、その上でSOTO禅インターナショナルとして支援していくことができないかということを検討したうえで発注をしておりました。
その応量器が、本日届けられました。
一つ開けてみました。
新しい漆器独特の香りがします。
応量器とは、禅増が使用する食器であり、鉢盂とも呼ばれます。
応量器は、このように入れ子状に重ねられた5枚の容器(+一枚は容器の台)から成っています。
一番大きな器はお釈迦の頭(頭鉢)とされ、食事の際に粥や飯用の食器として用います。托鉢の際に布施を受ける器にも使用されるものです。いわば禅僧の命ともいうべき器ですね。
黒い漆器が用いられる理由は、漆をかけたものは鉄製とみなすものとされるからであり、だからこそ品質の高い応量器を海外で入手することが困難であるため、冒頭のような要望があったものです。
実は、SOTO禅インターナショナルで応量器を送るのは初めてではありません。
昨年は南米ブラジルに、在家用の応量器50個をお送りいたしました。
「在家用応量器の寄贈御礼」 ブラジル イビラスー禅光寺参禅プログラムとしては、年2回3ヶ月の安居を長期参禅者用に設ける他、5日間の摂心を隔月、近隣の貧しい子供達向けの一泊のゼンジーニョ(禅の子供達)を30人ずつ年12回行なっています。また、各種団体用の参禅プログラムもあります。
昨年、州政府と2泊3日の軍警察官の研修を引受ける契約をしました。(軍警察とは普通の警察とは違うブラジル独特の組織で、国防が主な任務です。)この契約は1回50人ずつの軍警察官を年4回、計2500人の研修を引受けるものです。ですから、これから12年半に渡り禅光寺は軍警察官教育に携わることになります。ちなみに、この研修は必須です。つまり、エスピリット・サント州の軍警察官になるためには、必ず禅光寺で2泊3日の参禅研修を受けなければならなくなったわけです。(SOTO禅インターナショナル会報35号より一部引用)
応量器は海外でこのように活用されてもいるのです。
禅の広がりの別の側面といえますね。
そして、今日、応量器たちがフランスへ向けて旅立っていきました。
一度でも修行道場の摂心に参加した人は応量器を購入したいという人がいます。インターネット通販でも売っていますが、修行僧が用いる物とはちょっと違うように感じて未だ購入しておりません。
投稿者 天真 | 2007年9月20日 20:22
天真さん
修行僧用の応量器を購入するのはちょっと大変かもしれません。もしご希望であればご寺院さんに相談されるのが宜しいと存じます。
投稿者 kameno | 2007年9月21日 11:05