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演奏会に限らず、一つの催事について、本番の時間は僅かですが、その僅かなひと時のために多くの人の手が関わっています。
今回の演奏会に際しては、演奏会企画の出発点の段階から関わらせていますが、やはり一つの形に仕上げるということは並大抵のことではありません。
けれども、逆に、普通は本番しか目にすることができない演奏会を、メイキングとして生で体験することが出来たということは、とても有り難いことだと思っています。
様々な紆余曲折があって、いよいよ演奏会当日を迎えたわけですが、夕方の演奏会の為に早朝から慌しく準備作業が進められていきます。
用意されたパンフレットと挟み込み用の資料。
演奏会を楽しんでいただけるよう、作り上げたものです。
舞台では楽器の調律が入念に進められます。
舞台でのリハーサル風景。
楽器の位置、PAの調整、演奏者相互の確認など、様々な項目を同時進行で手際よく行っていきます。
声明と琵琶・二胡の音量の加減、立ち位置、それぞれのタイミングのとり方など、話し合いながら確認を進めていきます。
天台宗と曹洞宗の声明音あわせ最終チェック。
これまで練習してきた成果を元に、二宗派の音の出だし、散華を撒く所作のポイントを中心に確認作業を進めていきます。
本番まであと1時間。
どの楽器も声明も、たくさんの練習を重ねた上での演奏会の場があります。
そのような努力が見えるからこそ、余計に感慨が深まってきます。
演奏会の休憩時間には、だったん蕎麦茶がサービスされました。
この蕎麦茶は信濃霧山ダッタンそば生産者組合 によるものです。
だったんとは、漢字では「韃靼」と書きます。
中国の山岳地帯の「イ族」という少数民族が、だったんそばを主食としていたとの記録があります。
貴重な栄養源を多く含み、この蕎麦を常食している民族は昔から病気が非常に少なく不老長寿だったそうです。
蕎麦には主に、普通種とだったん種の2種類があり、だったん種の特長は、からし色に近い黄色をしていて苦味があるということです。
この苦味成分が、血液をサラサラにする作用があり、また、幻のビタミンP(ルチン)は普通種の約100倍も含まれています。
だったん蕎麦茶の鮮やかな黄色には、そのような秘密が隠されています。
シルクロード音楽の旅演奏会プログラムに組み込まれた「だったん人の踊り」。
ロシアの作曲家、アレクサンドル・ボロディンによるオペラ『イーゴリ公』にあり、JR東海の「うまし うるわし 奈良」 のコマーシャルでも使われた有名な曲です。
だったん人の踊り(だったんじんのおどり。
韃靼人、ダッタン人とも)は、ロシアの作曲家アレクサンドル・ボロディンが作曲したオペラ『イーゴリ公』の第2幕の曲で、ボロディンの最も有名な曲のひとつであり、またクラシック音楽でも有数の人気曲である。しばしばオーケストラのコンサートなどで、オペラとは独立に演奏される。ただし、オペラでは合唱を伴うが、演奏会では合唱のパートを省略することが多い。序曲や「ポロヴェツ人の行進」などと併せて『イーゴリ公組曲』とすることもある。
だったん人の踊りについては、下記のサイトに詳細な考察があります。
併せてご参照下さい。
ボロディンの「だったん人の踊り」考 K.Umezawaさんのサイト
遥か悠久の歴史を持つシルクロード。
音楽も宗教も食材も、このような交易ルートを通って日本に伝わってきました。
不思議なものですね。
演奏会を終え、帰宅してから着ていた衣や作務衣をかばんから出すと、檜の香がたっぷりと染み込んでいました。
演奏会、おつかれさまでした!
kameno様のところでは毎年のようにこのように素敵な催し物が開催されるのですね。うらやましいなあ。
箕面も豊中のお不動さんも(動かざること山の如し)何もなし。
こちらは今日くらいから秋雨前線の到来で雲の日がさがかかって少し落ち着いて来ました。
芸術の秋、もう始まってるんですね。コオロギと鈴虫発見。
投稿者 ゆが | 2007年8月28日 09:54
どのような催し物になるかはその都度変わったりしますけど、そのたびに新たな発見があったりして面白いです。
秋も段々深まってきました。芸術を堪能するにはうってつけの季節ですね?
投稿者 kameno | 2007年8月28日 11:21