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緑色の葉っぱたちは一気に紅葉しました。公園はまるごと虹になったような 美しさです。
アルフレッドは濃い黄色に ベンは明るい黄色に クレアは燃えるような赤 ダニエルは深い紫色に そしてフレディは赤と青と金色の三色に変わりました。
なんてみごとな紅葉でしょう。
秋に紅葉する葉の色は、植物の種類によって、赤くなるもの、黄色くなるもの、茶色になるものがあります。
また、同じ赤くなる種類でも、葉の位置によって赤くなる度合いが異なります。
「紅葉」と「黄葉」では、色づくメカニズムが違います。
秋が深まり、気温が低くなると、落葉樹は葉を落とすための準備として、葉と枝の境に離層を形成します。
この離層によって、葉の中で生産された糖分は、枝へ移送されるのが妨げられ、糖分は葉の中に蓄積されていきます。
また、葉緑体の中にあるクロロフィルは、老化してアミノ酸に分解されます。
葉緑体の中には黄色の色素カロチノイドも含まれます。
(夏の間は、クロロフィルの量がカロチノイドに比べてはるかに多いため、緑に見えます)
黄葉になる仕組みは、秋にクロロフィルが分解されはじめ、隠れていたカロチノイドの黄色が表にでてくるからです。
紅葉になる仕組みは、糖分やアミノ酸を材料にアントシアンという色素が合成されるからです。
褐色になる仕組みは、糖分やアミノ酸を材料にフロバフェンという色素ができるためです。
その色素の出来具合により、葉の色が微妙に異なるのです。
いっしょに生まれた 同じ木の 同じ枝だの どれも同じ葉っぱなのに どうしてちがう色になるのかフレディにはふしぎでした。「それはねー」とダニエルが言いました。
「生まれたときは同じ色でも いる場所がちがえば 太陽に向く角度がちがう。
風の通り具合もちがう。月の光 星明かり 一日の気温。
なにひとつ同じ経験はないんだ。
だから紅葉するときは みんなちがう色に変わってしまうのさ。」
『葉っぱのフレディ(いのちの旅)』
レオ・バスカーリア作・みらいなな訳より