マイ箸ブームに割箸問題を考える

中国産割りばし、対日輸出2008年にも停止

 日本の割りばしの9割を占める中国製品が、輸入停止になる可能性が出てきた。日本の輸入業者によると、中国政府は同国製割りばしの対日輸出を2008年にも停止する方針を固めた。森林資源の保護が目的としており、今後、段階的に対日輸出が減る見通し。スーパーやコンビニエンスストア、飲食店などに影響が出そうだ。

 中国の政府や割りばし業者は3月半ば時点で対日輸出を減らす方針を表明していたが、さらに全面的な輸出禁止に踏み込む。日本では年間240億膳の割りばしを使うが、9割を中国製に依存している。日本の流通業者や需要家の間では、ロシアやベトナムなど中国以外の輸入先を模索する動きが出ている。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20060413AT1D1205512042006.html



割り箸は、環境問題の観点から、使用した方がいいのか、しない方がいいのかはよく論議されるところです。

割り箸擁護派の主張するところは、
(1)割り箸は、間伐材や端材を有効利用したものであり、森林破壊に影響を及ぼさない。
(2)間伐材を利用することで、林業にプラスの方向に作用する。

ということであり、私も以前はそのように思っていました。
しかし、現在は、コンビニエンスストアや、ファーストフード店などで使用される割り箸が増え、また、価格競争のため、外国産、特に中国からの輸入が増大しています。

さらに問題となるのが、中国では、割り箸の生産のために間伐材を使うのではなく、森林を皆伐してしまうという点にあります。

【主な問題点】
(1)割り箸は、そのほとんどが外国の天然林の皆伐により生産される
(2)防かび剤や漂白剤など、多くの化学物質が残留している


従前のように、国産の間伐材や端材を有効利用して箸を生産しているのであれば、割り箸を使用することに何の異論もありません。
けれども、大規模な森林破壊を引き起こす原因となっているのであれば、このような状況を無視するわけには行きません。

そこで、冒頭のニュースを考え合わせてみるに、単に輸入元を中国からロシアやベトナムなどにシフトさせるのではなく、割り箸の使用そのものの考えを見なおしていく必要がありそうです。

今は、マイ箸がブームだそうです。
自分専用の箸を携帯し、食事の際に使用する・・・・

こんな商品もあります。いい感じですのでご紹介します。

携帯用のオシャレな箸 
http://homepage3.nifty.com/ecoshop/ecogoods-myhasi.htm

ちなみに、大本山では、修行僧に限らず、一般の宿泊や戒弟などの食事には、最初に塗り箸が配られて、最終日まで、その人専用の箸として使用していきます。

20060621.jpg


このような考えはとても良いですね。


【参考資料】

割り箸問題

ワリバシモンダイ 【英】Problems about Disposable Chopstics

解説 |

熱帯林の保護の問題と関連して、日本の割り箸消費量の多さが議論されることがある(国内の年間消費量は、平成12年のデータで約252億5,500万膳)。しかし、割り箸のほとんどは中国産で熱帯林との関わりは少ない。一方、中国で生産される割り箸の原料は天然林であり、森林減少の原因のひとつになっている。日本の割り箸消費量は国内の木材消費量のごくわずかにすぎず、森林問題というよりも使い捨て製品のひとつとして捉える方が適切。
なお、森林問題や使い捨てにかかるライフスタイルの問題とは別に、割り箸に残留する防かび剤や漂白剤による影響にも注目される。厚生労働省でも、これらの化学物質の試験法や溶出量の目安を定めるなど、監視体制の強化を図っている。
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=2755


割り箸からみた環境問題(環境三四郎)
http://www.sanshiro.ne.jp/activity/99/k01/6_18prs1.htm

投稿者: kameno 日時: 2006年6月21日 13:00

コメント: マイ箸ブームに割箸問題を考える

こんにちは。
私も、割りばし問題には、間伐材の有効利用ということで、さほど気に留めずに使うようになっていました。しかし、ここまで中国産、皆伐が増えると、考え直さなくてはいけませんね。

投稿者 ぜん | 2006年6月21日 17:39

仰るとおり、割り箸は端材の有効利用と言うはずでした。ところが何時の間にか中国からの輸入にすりかわっている。

ホームセンターでその価格を見る度、不思議に思っていました。この値段は、国内産では出せない、出せるはずがない。
いまの時代ホームセンターで安い値段のものは、大体中国製です。

こうなると、割り箸の使い方を考えなければなりません。
しかし、よく考えてみると、外食が殆どないので割り箸を使う場面がありません。
う?ん・・・、やはり貧しいことは良いことだ。

投稿者 usagi | 2006年6月22日 05:51

ぜんさん、usagiさん、コメントありがとうございます。
割り箸が外国の皆伐材に頼るようであれば、一回限りで使いすてされる割り箸は使わない方向で考えるべきでしょうね。
一人一人の小さな行動が、広がっていくことを期待します。

投稿者 kameno | 2006年6月22日 12:48

私の菩提寺では、葬式や法事で使われた割り箸を綺麗に洗って乾かし、リサイクルセンターでトイレットペーパーやコピー用紙に再生する活動に携わってきました。当初はお寺での取り組みでしたが、社会福祉協議会が活動を応援してくれるようになりました。割り箸3膳がA4のコピー用紙1枚に生まれ変わるそうです。手間がかかりますが、割り箸のリサイクルをすれば少しは違うと思うのです。麺類を食べる時は割り箸の方が使いやすいです。

投稿者 ikuo | 2006年6月22日 22:34

割り箸3膳で一枚のコピー用紙になるんですね。
少しでもリサイクルされるとなると、その意識だけでも違うと思います。

投稿者 kameno | 2006年6月23日 08:57

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