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今日は、大きな法要(某会社の社葬)が近隣のR寺院にて行われたため、その伴僧として随喜させていただきました。
他寺院の葬儀など、法要の作法を体験できる貴重な機会でもあり、いろいろと勉強させていただきました。
葬儀の内容を如何に喪主や参列されているご遺族、ご親戚などに伝えることが出来るか、それがとても重要であると考えています。
貞昌院では、お通夜の法要の後に、通夜法要の内容、そして明日行われる葬儀・告別式の意味、そして戒名の意味などをまとめてお話、ご説明させていただいています。
その内容は http://teishoin.sakura.ne.jp/dantoinfo/sogi.html に掲載されている下記のような内容です。
■通夜(つや)通夜は、本来は家族・親族や縁のあった友人知人のみにより行われ、最後に静かに一夜を送るものでしたが、昨今は会社勤めの方も多く、通夜のほうが却って参列者が多いことも珍しくありません。
通夜に御読みするお経は 仏遺教経(ぶつゆいきょうぎょう)です。これはお釈迦さまが入滅の際に最後の説法を説いた様子を書いた経典で、日本語口語体のお経ですから、聞いていただくと内容はお分かりになると思います。
通夜に際し、白木の位牌を、棺前の中央に掲げます。通夜の後に、ご法話をさせていただき、その際に、どのようにして戒名がつけられたか、戒名の意味をご説明させていただきます。
■葬儀(そうぎ)
葬儀のもっとも大切な部分は、授戒(戒を授け仏弟子にすること)を行い、引導を授ける(仏世界に入らしむこと)ということです。
そのために、次のような流れで行います(1) 剃髪(ていはつ)
煩悩の世界をはなれ、仏道の道に入るために、僧侶の出家儀式と同じ偈文をおとなえし剃髪の儀式を行います。
(2)洒水(しゃすい)
清らかな水をふりそそぎ、身も心も清浄にします。
(2)授戒(じゅかい)、懺悔(さんげ)、三帰戒(さんきかい)、三聚浄戒(さんじゅじょうかい)、十重禁戒(じゅうじゅうきんかい)、血脈授与(けちみゃくじゅよ)
この世での小罪を懺悔し、仏弟子として守るべきこと、仏の戒め、仏の法を授けます。そして、仏弟子の証である血脈(けちみゃく)を授けます。血脈は、お釈迦から、あらたに仏弟子になられる方までの法の系図が全て記されています。
(3)入棺諷経(にゅうかんふぎん)
大悲心陀羅尼(だいひしんだらに)を読経いたします。このあいだに、参列者焼香が行われます。
(4)龕前念誦(がんぜんねんじゅ)
諸仏の称号を唱え、その功徳が故人の悟りを祈念します。十仏名、舎利礼文を読経します。
(5)拳龕念誦(こがんねんじゅ)
大宝楼閣陀羅尼(だいほうろうかくだらに)の読経の後、太鼓、ハツが鳴らされます。
(6)引導法語(いんどうほうご)
導師が故人の生前を漢詩より唱え、悟りの心境を表します。このとき、線香(たいまつ)により右回り、左回りに円を描きます。故人を悟りの世界に導くのです。
(7) 山頭念誦(さんとうねんじゅ)
仏弟子になられた故人が、一路涅槃に入り、仏性の覚醒を助けてくれることを祈願します。
ところが、R寺さんでは、それを一歩踏み込んで、各段階ごとに、導師自ら、これから執り行う儀式の意味を解説してから儀式に入っています。
例えば、龕前念誦の直前に、『これから行う儀式は、仏さまたちの御名前を唱え、その功徳によって故人の悟りへの道が、より高めたものになるよう祈念する意の念誦を唱える儀式です・・・・・・・』などと、逐一説明を行ってから龕前念誦の儀式に入ります。
法要の雰囲気を損なわず、簡潔に、的確に解説を加えるという、その技法はなかなか真似の出来るところではありませんが・・・・
この葬儀を実体験して、切に感じました。
前日に一通り説明したことは、それはそれで意義はあるだろうけれども、次の日にどれだけ記憶にとどめてくださってているのだろうか、と。
その意味で、導師自ら解説を加えながら葬儀を進めていく方法は、とても判りやすく、葬儀の意味を伝えていくことができる有効な方法であると言えるのではないでしょうか。
私も、曹洞宗の儀式のことを遺族親族に向かって説明します。
授戒の重要な意味、それを証明する「血脈」の大切さ、またその大まかな流れですが、これほど丁寧にはいたしません。
一つ質問です。
>(3)入棺諷経(にゅうかんふぎん)
・・・・・・このあいだに、参列者焼香が行われます
これは、方丈様の周辺での通常の行われ方でしょうか?
親族焼香などは、何時行われるのでしょう。
投稿者 usagi | 2006年5月27日 08:19
葬儀を何処で行うかに拠りますが、最近は斎場にて椅子席で行うことが多くなりました。
貞昌院の場合は、参列者の椅子を全て祭壇に向けるようにお願いしています。横向きで用意されている場合は、予め祭壇に向き直していただいています。
入棺諷経の時に、親族2名、挨拶のために一般焼香台脇に移動してもらい、一般焼香が始まります。
その後、引導の前に、一旦、一般焼香を止めていただき、挨拶の親族2名は自分の席に戻り、そこから親族焼香。
一般焼香者がまだ残っていらっしゃる場合は、親族焼香が終わってから一般焼香を続けます。
ちょっと複雑ですが、葬儀社の方も慣れたもので、特に綿密に打ち合わせしなくてもそのようにしていただけます。
なお、このような焼香の仕方をするのは、貞昌院独自かもしれません。
投稿者 kameno | 2006年5月27日 23:03