20:80の法則

パレートの法則とは、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレート(Vilfredo Federico Damaso Pareto)が発見した法則ですが、20:80の法則といった方が親しみやすいかもしれません。

簡単にいうと、「全体の8割の事象は、全体を構成する2割の要素が生み出している」という法則です。

例を挙げると

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■売り上げの8割は全顧客の2割によるものである。
■売上げの8割は、2割の商品の売上げである。
■仕事の8割は、全社員の内の2割がこなしている。
■不具合の8割は、2割の不具合項目に原因がある。
■蓄積された資料の約8割は不要である。
■所得税の8割は2割の人が払っている。
■宗費の8割は、2割の寺院が負担している。(時事ネタ:右グラフ参照)


といったものです。




この法則はいろいろなところで活用されています。
例えば、製品の品質管理における、改善項目を10項目あげた場合、そのうち上位2項目を改善することによって、全体の8割を改良したことと同様の効果が期待できるという、実に有用な法則なのです。

このことを逆に利用すると、実に興味深い事実が見えてきます。

例えば、顧客満足度調査をしたとします。
その中で、一番不平不満を訴えるのは、2割の主要顧客ではなく、それ以外の(あまり重要ではない)顧客である場合が多いということです。
つまり、2割の主要顧客は満足しているから、御得意さんであるわけで、この主要顧客の特性を理解し、そのような顧客層を広げていくことができれば、それだけ効率的に利益を拡大させることができる訳です。


今の世の中は、完璧を求める風潮にあります。

私は十数年前に、都庁の下水道局・計画部に所属していたことがありますが、いよいよ区部下水道普及率96%というところにあって、残りの4%がどれだけ困難であったか、身にしみて感じました。
現在は公称100%となっていますが、実際は1%未満のところでどうしても達成できていないところがあるはずです。

このように、8割程度までの効率までは簡単に達成できるでしょうが、そこから進んで、完璧まで残り数パーセントというところは、実に困難であることが分かります。
全てのことに対して、完璧をめざすのではなく、2割程度の余裕をもって、余裕があることを前提にゆったり過ごすことが、どれだけ生活に豊かさをもたらしてくれるのか計り知れません。

また、パレートの法則は、宗門の財政部門にあっては、宗費をどのようにしたら、より公平(この定義も難しいですね)に集めることができ、どのようにしたら、より公平に分配することができるのか、その答えを導き出す一つのヒントになることでしょう。





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http://teishoin.net/blog/000271.html

※グラフは『曹洞宗宗勢総合調査報告書』(1995年)
 曹洞宗宗務庁発行 P176 より引用

投稿者: kameno 日時: 2005年12月24日 00:01

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