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年の瀬も迫ってきました。だんだんと慌しさを実感するようになった今日この頃です。
さて、年の瀬には、本屋さんに数多くの「易断」「運勢暦」などが平積みされるようになります。
この本をパラパラと開いてみると、裏表紙あたりに、女神様の絵が描かれています。
この神様が、歳徳神であり、その神様がいらっしゃる方角は、「明の方(あけのかた)」もしくは「恵方(えほう)」と呼ばれるようになりました。この方向は、全ての災いを取り除き、吉をもたらすと信じられてきました。
歳徳神の由来については多くの説があります。須佐之男神(=素戔嗚尊 すさのおのみこと)の妃・櫛稲田姫(くしなだひめ)という説は『内伝』(ほき)に「歳徳頗梨采女也、八将神母也、容顔美麗忍辱慈之躰也」とあるのが根拠ですが、異論もあるようで頗梨采女(はりさいじょ)は牛頭天皇の后とも伝えられています。 いずれにせよ「魔訶陀国(印度)から南海の沙竭羅と呼ばれる竜宮に住む竜王の三女で、頗梨釆女と呼ばれ、「容貌は美麗で、忍辱と慈悲を体現している。」という意味の内容です。
歳徳神はなににつけても神秘的な作用をおよぼすとされ、歳徳神のいる方位を選んで家屋の建築・造作・結婚・移転・取引などをおこなえばすべて吉とされます。
では、どの方角が吉をもたらす「恵方」なのか。
歳徳神様はきまぐれで、毎年そのいらっしゃる方角を変えます。
また、その方角は、それぞれの人から見た方向ですから、相対的なものであるということが特徴的です。
西暦年の末尾 | 干支 | 恵方の方角 | |
4 または 9 | 甲・己の年 | 甲(寅と卯の間) | 東北東 |
0 または 5 | 乙・庚の年 | 庚(申と酉の間) | 西南西 |
1 または 6 | 丙・辛の年 | 丙(巳と午の間) | 南南東 |
2 または 7 | 丁・壬の年 | 壬(亥と子の間) | 北北西 |
3 または 8 | 戊・癸の年 | 丙(巳と午の間) | 南南東 |
ということで、今年の恵方は「西南西」、来年の恵方は「南南東」となります。
恵方といえば、節分に行われる太巻き寿司の「丸かぶり」という風習があります。
恵方巻(えほうまき)
節分に巻き寿司を食べる風習は、福を巻き込むという意味と、縁を切らないという意味が込められ、恵方(えほう)に向かって巻き寿司を丸かぶりするようになった。
節分に巻き寿司を食べる風習は、主に関西地方で行われていたものだが、大阪海苔問屋協同組合が道頓堀で行った「巻き寿司のまるかぶり」の行事をマスコミが取り上げ、それを見た全国の食品メーカーが便乗し全国へ広まっていった。
【語源由来辞典】
http://gogen-allguide.com/se/setsubun.html
とあるように、もともと関西での風習が、ごく最近になって全国的に流行するまでになりました。
全国に広がる 節分の“恵方巻き”
大々的な“恵方巻き”の事前予約・告知を行うなど、流通各社がその普及に力を入れていることもあり、“恵方巻き”を知っている人の割合は全国で02年53%から04年は77%へとアップ。特に関東以北では、最近に知った人という人が15%もおり、発祥の地・近畿の2%と比べると高く、関東以北の認知率のアップが“恵方巻き”市場を牽引していることがうかがえます。
また、喫食率をみると、「“恵方巻き”を知ってはいるが、食べたことがない」人が、まだまだ多いことがわかります。特に、最近知った人の多い関東以北では、今後“恵方巻き”に挑戦する人が増えると予測され、更なる市場拡大の可能性があります。
関西発の食習慣ですが、いずれは地域性にかかわらない、共通の行事食となる日も近いのではないでしょうか。
http://www.mizkan.co.jp/company/newsrelease/2005news/050127_01.html
私は、マスコミというより、コンビニエンスストアの大々的な宣伝による効果の方が大きいと思います。
今年の節分も、 セブンイレブン 丸かぶり寿司キャンペーン のようなコマーシャルが節分の直前までかなり集中的に流されていた記憶があります。
幸せを求める心は、どの時代もどの地域も同じなのですね。
mein BBSでの質問に対するコメントありがとうございます。私の菩提寺の正月の祈願のお札は「奉祝祷立春大吉鎮防火燭当年星本命元辰」と認められてあります。
投稿者 ikuo | 2005年12月 8日 22:47