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自民党は10日、党内調整が難航している人権擁護法案について、今国会提出を当面先送りする方針を固めた。小泉純一郎首相が最重要法案と位置付ける郵政民営化関連法案の成立を目指した国会会期の延長幅にもよるが、人権擁護法案の今国会成立は困難な情勢になった。同法案の取り扱いをめぐり10日、与謝野馨政調会長と推進派の古賀誠・人権問題等調査会長(元幹事長)、反対派議員でつくる「真の人権擁護を考える懇談会」の平沼赳夫会長が会談。同懇談会で今月末までに法案の問題点をまとめ、その上で法案修正も含めあらためて協議することで合意した。これにより法案提出は6月以降にずれ込むことが確実になった。
今国会は6月19日に会期末を迎える。古賀氏は法案の今国会提出に意欲を示したものの、時期は急がない考えを示したという。(共同)
http://www.sankei.co.jp/news/050511/sei004.htm
【参考資料】
第154回国会(常会)提出主要法律案 平成14年3月8日 人権擁護法案(継続審議)
WIKIペディア人権擁護法案
人権擁護法案については、以前 人権擁護法案をめぐるドタバタ のトピックスで書きましたので改めては書きませんが是非どのような法案なのかをご確認ください。
今回、今国会で提出される見通しがほぼなくなり、法案修正も含めあらためて協議していく事となりました。
しかしながら、今後どのような審議がされていくかを見守っていく必要がありそうです。
はじめまして。トラックバック頂戴しました。若隠居と申します。
で、実は、あやまりがいろいろあるようです。
・人権擁護委員は2万人が最大です。現在でも人権擁護委員1万4000人います。
・救済手続きには一般救済と特別救済の二つに分かれます。いきなり「立ち入り検査」「調停」「勧告」「公表」にいたることはありません。また「公表」を除いては、強制力のある措置はできません。
・人権侵害の定義が曖昧ではないです。しっかり定義されてます。
・人権委員会の権限が強大「すぎる」ということはないです。
・一度廃案になった法律がとくに政府提案の法律が、再提出になることって珍しいことではないそうです。
などなど、ネット上に広まった嘘・誤りを信じておられるように思います。
なぜかは、こちらで議論してもよろしいですが、是非ともうちにおいでください。
投稿者 若隠居 | 2005年5月11日 13:02
若隠居 さん、コメントありがとうございます。
私のブログに書いた内容が、取り越し苦労になければ良いのですが・・・・・
そもそも、現在でも人権擁護委員が1万4000人いるわけですから、その数を6000人も増やす必要はないのではないでしょうか。
現在の運用でも充分だと思われます。
自民党の安倍晋三幹事長代理は27日、東京都内で講演し、与党内で調整が難航している人権擁護法案について「『人権侵害』の定義があいまいで、果てしなく解釈が広がる危険性がある。いいかげんな形で(国会に)提出し、成立させてはならない」と述べ、今国会提出に慎重な姿勢を示した。
さらに人権擁護委員の選任条件に国籍条項がないことを指摘し、「例えば北朝鮮出身者の人権を守っている朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)の方々が委員になれば、私は真っ先に人権侵害を行っていることにされる危険性がある」と語り、修正の場合は国籍条項の追加が不可欠との考えを示した。
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20050328k0000m010057000c.html
投稿者 kameno | 2005年5月11日 19:41
はじめまして。和尚@qyen.orgと申します。
本職であられますkameno様の前にこのようなハンドルネームで現れることは心苦しいのですがお許しくださいませ。
若隠居氏の申されてる通りこの法案にまつわる議論におきましては、極めて多くの誤解に基づくものが多く散見されています。
kameno様の主張されておられます「現在でも人権擁護委員が1万4000人いるわけですから、その数を6000人も増やす必要はないのではないでしょうか。」に関しましても現行法であります人権擁護委員法第4条におきまして、「人権擁護委員の定数は、全国を通じて2万人越えないものとする。」とされており、今回の論議の人権擁護法案と何ら変わりのない規定がなされております。
このことから「その数を6000人も増やす」という主張に少なからずこの法案に対する誤解が含まれているのではないかと思われます。
是非この機会に誤解を解かれましてより実りのある議論がなされますことを心から祈っております。
投稿者 和尚@qyen.org | 2005年5月13日 23:05
和尚@qyen.orgさん、コメントありがとうございます。
まず、事実確認だけしておきましょう。
法案の修正は行われるかもしれませんが、現状で相違いがあればご指摘ください。
人権委員会概要(予定)(独立行政委員会)
■人権委員会5名(中央。うち3名非常勤)国会の同意を得て総理が任命
事務局(中央:法務省外局。地方:地方法務局。弁護士を必ず加える)
権限:【出頭要求、事情聴取、物件提出、立入検査】令状不要。拒否すれば公表、提訴、30万円以下の過料。
■人権擁護委員(地方。2万人以内。非常勤)国籍条項無し、部落解放同盟、障害者団体など人権擁護団体員が優先的に選出。
単位別に協議会設置(都道府県人権擁護委員連合会、全国人権擁護委員連合会)
職務:【情報収集、予防活動、団体との連携協力、その他人権擁護活動】
■人権調整委員(中央。調停・仲裁を必要とするとき。非常勤)
端的に区分けすると、人権委員会が「考える頭」、事務局(法務局)が「行動する手足」、人権擁護委員が「情報を集める目と耳」となり、人権侵害と目される行為を監視する。
投稿者 kameno | 2005年5月13日 23:20
大きく相違はございませんが、補足させていただきます。
>人権委員の権限:【出頭要求、事情聴取、物件提出、立入検査】令状不要。拒否すれば公表、提訴、30万円以下の過料。
出頭要請・事情聴取・物件提出・立ち入り検査に関しましては人権擁護法(案)第三節 特別救済手続に基づく処理であり、同法第42条および43条の用件を満たしたものに限定し、その処分を行うことができます。
「拒否すれば公表」は恐らく第61条の勧告の公表であろうかと思われますが、この拒否は第60条における勧告を「当該勧告を受けた者がこれに従わないとき」(61条)にのみその処分を行うことになります。
提訴は第41条1項5号におけます「犯罪に該当すると思料される人権侵害について告発をすること」および、第63条におけます「人権委員会の訴訟参加」に限定されます。
30万円以下の過料は第88条の規定において前述の出頭要請・事情聴取・物件提出・立ち入り検査に「正当な理由無く」拒否した場合に、理由の正当性および過料の正当性が司法の場で審議された上で課されます。
>人権擁護委員(地方。2万人以内。非常勤)国籍条項無し、部落解放同盟、障害者団体など人権擁護団体員が優先的に選出。
人権擁護団体員が優先され任命されるとされた第22条のいわゆる団体条項は法務省修正案において削除されているようです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050402-00000005-san-pol
>権擁護委員が「情報を集める目と耳」となり、人権侵害と目される行為を監視する。
1億3千万の国民に対し人権擁護委員は2万人であり、擁護委員一人当たり6千人強の国民を担当することになることから、監視をするというよりも被人権侵害者の相談をもって救済が行われると解釈なされるほうが自然であろうかと思われます。
投稿者 和尚@qyen.org | 2005年5月14日 00:06
細かい論議や修正が重ねられているのでしょうが、大きく相違がなさそうとのこと、コメントありがとうございます。
党内での論議の過程がなかなか表に出てこないので、却って不安になるのでしょうね。
私の意見は、あくまでも法で縛るのではなく、一人一人の人権意識を高める施策を行うべきであり、現行で充分だということです。
それと、リンクを張られていたYahooニュース記事の最後の二行、
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しかし、特別救済手続きを行う際、令状なしに出頭要請や、捜索・押収が可能とする条文は無修正のまま。人権擁護委員の選任基準に国籍条項を設けることも「現時点では保留」とされた。
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このあたりが特に引っかかります。
投稿者 kameno | 2005年5月14日 09:29
引用されたYahooの記事については、誤りがあろうかと存じます。
まず、人権擁護法案において「捜索」「押収」はできません。「立ち入り検査」や「資料の提出」は可能です。前者は司法、後者は行政のカテゴリになっておりまして、全く別の行為です。
また、「立ち入り検査」や「資料の提出」については拒否もできますので、令状無しでも問題ないです。にもかかわらず、そもそも特別救済手続きを課せられるような人権侵害は相当に悪質であると思われます。
たとえば、先日の韓国人牧師の少女レイプあるいは無認可幼稚園での虐待死等々、人権擁護法案上の人権侵害に該当し、申し出があれば何らかの救済措置が取られるものと存じます。それにしても、強制力のある措置は「勧告の公表」以外取られないわけでして、現在と比較するならば、レイプされる前に、虐待で殺される前に、何とかなる可能性がほんの少しだけあがる、そういう法律だと考えるのが妥当かと思います。
国籍条項についても、マイノリティのための法律である以上、むしろ外国人の人権擁護委員がいて当然、という見方もできますし、また巷間言われておりますように、この法律に基づいて「糾弾」はできませんし、許されません。そもそも、人権擁護委員に強い権限はないです。
国際的な流れもあり、「人権擁護法」的な同種の法律は必要であると思います。わたしも2ヶ月以上この法律を眺めてきましたが、さして不安に思うようなものとは思えません。疑問をお持ちでしたら、できる範囲でお答えします。また、わたしのブログにもおこしください。
投稿者 若隠居 | 2005年5月16日 11:14
若隠居さん、コメントありがとうございます。
引用元のYahooの記事は 和尚@qyen.org さんからご紹介いただいたものですが、その記事に誤りがあるとなると、情報元の信憑性が疑われますね。
とにかく、マイノリティのための法律であるということは、特定の団体に悪用されるという宿命も背負っているわけです。
それゆえに慎重に論議しなければならない。
大事な法案ですから、もっとオープンに論議していただきたいものです。
私は、法律で縛るよりも、人権教育をもっと厚く行っていくほうが有効であると思うのです。
投稿者 kameno | 2005年5月16日 22:33