伊豆半島 慶派の仏像を巡る旅

曹洞宗第二宗務所第五教区(近隣の曹洞宗組寺)の研修旅行で伊豆半島慶派の仏像を巡る旅に出かけてきました。

朝8時、大船駅西口のR寺様出発。バスにて一路西へ向かいます。
箱根新道で箱根峠を越え、最初の目的地である「かんなみ仏の里美術館」へ。
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伊豆半島の付け根に位置する函南町桑原区では、平安時代に造られた「薬師如来像」、鎌倉時代の「阿弥陀三尊像」など、24体の仏像群が、地域の方々により守られてきました。
これら仏像群の散逸を防ぐために、仏像は函南町に寄付され、この美術館が建てられました。
「阿弥陀三尊像」は源頼朝の舅 時政が、戦死した息子の慰霊のために、慶派の仏師・実慶に造像させたと考えられています。
内部は撮影禁止の為、所蔵されている仏像郡は公式サイトでご確認ください
また、実際に間近でお参りすることもお薦めします

続いて、韮山の願成就院へ。天守君山 願成就院 公式ホームページ
火曜、水曜は閉門されているのですが、特別に開けていただき、伽藍をご案内いただきました。
北条政子の父親で鎌倉幕府初代執権であった北条時政により、娘婿の源頼朝の奥州平泉討伐の戦勝祈願のため文治5(1189)年に建立された寺院です。
その後、仏堂、仏塔など伽藍造営がなされ、伊豆屈指の大寺院として栄華を誇った。
しかし延徳3(1491)年に全焼してしまいます。ただ、本尊を始めとする仏像数躯は僧侶らの手によって運び出され焼失は免れました。
江戸時代に北条氏貞により再建され、昭和30年代には大御堂が建立され、国宝指定されている運慶作の仏像がお祀りされています。
大御堂で本尊上供諷経を営みました。

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茅葺の本堂。

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境内には、平成五百羅漢の石像が並んできます。希望者が制作指導を受けながら造り、お祀りされます。
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昼食後、修善寺へ向かい、伊豆最古の木造建築とされる「指月殿」へ。
この寺院は北条政子により2代将軍の菩提所として建立されたものです。
指月とは経典を意味し、宋版大蔵経などを収める経堂でしたが、かなりの経典が散逸してしまい、現在は修禅寺の宝物殿に収蔵されています。
本尊は釈迦如来坐像(静岡県指定文化財)。杉材の寄木造りで高さ203cmもあります。
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狩野川を挟んだ対岸に修禅寺があります。

法堂で本尊上供のあと、堂頭老師に伽藍をご案内いただきました。

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僧堂の魚鼓が印象的です。東南アジアで造られたものです。

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修禅寺では、飼育していた兎が増えすぎたため、里親を募集しているそうです。
希望される方は、修禅寺にお問合せください。

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研修旅行は一泊二日の行程でしたが、私は残念ながら翌日朝から行事が入っておりますので、最終電車で横浜に帰りました。
狩野川の修禅寺前から続く竹林の径、夜はライトアップしているので散策も良いですね。帰路に付く途中、この竹林を通っていきました。

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修善寺駅からは伊豆箱根鉄道駿豆線に。
ハロウィンのデザインでラッピングされた車両でした。

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2日目の行程に参加できなかったのは残念でしたが充実した旅でした。
今回の研修旅行は教区教化部の企画によるものです。お疲れ様でした。

投稿者: kameno 日時: 2018年10月 5日 01:27

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