熊本地震の復旧復興を願って(1)

平成28年4月14日21時26分、熊本県熊本地方を震央とした地震(前震)が発生、その28時間後の16日1時25分に、同じく熊本県熊本地方を震央とするマグニチュード7.3の本震が発生し、前震では熊本県益城町で、本震では熊本県西原村と益城町で震度7を観測しています。
その後も余震が続き、一連の地震で、倒壊した住宅の下敷きになったり土砂崩れに巻き込まれるなどして益城町で20人、南阿蘇村で15人、西原村で 5人、熊本市で 4人、嘉島町で 3人、御船町で 1人、八代市で 1人ものかたがお亡くなりになり、広範囲にわたって建物やライフラインに甚大な被害が出ています。

地震発生から自衛隊、警察、消防、自治体をはじめ、各所から集まった様々な支援活動により、平常の生活を取り戻している地域もありますが、まだまだ復旧作業に着手できていない場所もあるようです。
また、避難所の統合や学校の再開などにより、災害支援の活動自体も一日ごとに刻々と変化しています。


[平成28年5月11日の記録 熊本県西原村]

大型連休明けに有志僧侶で熊本に赴いてまいりましたので、その記録を一部ご紹介させていただきます。
熊本県西原村の災害支援ボランティア拠点の活動です。

冒頭のとおり、西原村は震度7を観測した地区であり、建物の被害も甚大な地区です。
熊本県では段階的に小中学校の授業が再開されましたが、その最後、5月11日に山西小学校が再開され、ようやく熊本県全域で小中学校が再開されました。

とはいっても、いまだ体育館の中には避難生活をされている方がたくさんいらっしゃいます。

山西小学校に隣接した学童保育施設が災害支援ボランティアの拠点となっています。
学童保育施設の中はまだ手が付けられていません。

拠点にて毎日朝9時ごろからその日の災害支援の要望と、ボランティア参加者とのマッチングを行います。

全体ミーティング(諸注意事項など)のあと、班ごとに分かれて支援内容の確認、作業物品の数量などを点検します。

そして、支援先の現場に赴きます。

この日の作業は、個人宅の倒壊した建物の分別と整理、トラックへの積み込み、集積場所への搬入を行います。
集積場所には、細かな分類の指定があるので、その分類に従って分別していく必要があります。
ガラスの破片や釘なども多いので、作業は慎重に。
もちろん、安全靴、厚手の軍手は必須です。

1日の作業が一段落した段階で、役場の方に写真を撮っていただきました。

見上げると、真上に燕が留まっていて、木材のかけらを集めています。
このお宅の玄関の軒先に新しい巣を作っていました。
ブロック塀の穴の中からはアマガエル君が見守ってくれています。

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分別したブロック、木材、金属、プラスチックなどは、数キロ離れた運動公園が集積場所に搬入します。

ここには、村内各所から集められています。

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一日の作業が終わると、作業報告書をまとめ、返却物品の確認と引継ぎを行います。


西原村災害支援ボランティア拠点の壁に書かれた寄せ書き。
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被災地の状況は刻々と変化しております。
もし、何らかの支援に現地に赴きたいと考えていらっしゃる方は、情報に常にアンテナを張って、下記の注意事項を熟読されることをお勧めします。

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Ⅰ 被災地でのボランティア活動に参加したいと考えている"あなた"へ

被災者への生活支援や被災地の復興支援のボランティア(以下「災害ボランティア」)活動に参加する際は、いろいろな準備が必要となります。
無計画に被災地へ向かっても、欠航、運休、通行止め等で現地入りできなかったり、現地に到着してもボランティアの募集が行われていなかったりする場合もあります。
被災地の市区町村に設置される「災害ボランティアセンター」で最新の情報を入手し、綿密な計画を立てて現地に向かいましょう。

◎災害ボランティアに参加する場合は、次のような点にご留意ください。

1 食事・宿泊場所について
被災地のボランティアセンターでは、基本的には、食事・宿泊場所は用意されません。
食費・宿泊費はボランティアの自己負担となります。
避難所は被災者の方が避難する場所であって、ボランティアが宿泊する場所ではありません。
現地やその付近で被災のなかったホテルや民宿への宿泊、車中泊、テントと寝袋を持参しての寝泊まりなど各自で確保してください。

2 携行品・持参品について
災害の種類、電気・ガス・水道・交通網などライフラインの復旧状況、季節によって準備品が異なりますが、基本的には次のようなものが必要となります。
作業着(長袖、長ズボン)、帽子(キャップ型)、雨具(カッパ、レインコート等)、防塵マスク、作業用ゴーグル、軍手、作業用の皮手袋、安全靴(クギ等の踏み抜き防止の中敷きを入れたスニーカでも可)、ビニール製スリッパ(家屋内の片付けで、ガラスの破片等からのケガを避けるため布製は不可)、タオル、ラジオ、携帯電話、飲料、弁当、塩飴など
ご家庭にヘルメット、移植ゴテ、作業用皮手袋、ブルーシートなどがある場合には、持参を求められることもあります。
詳しくは、必ず現地の災害ボランティアセンターのホームページ等で確認して、ご準備ください。
※震災時の「持参品・携行品」一覧をご参照のうえ、自宅にあるものはできるだけ準備してください。

3 交通手段について
被災地までの往復の交通手段は、ボランティアが各自で確保します。交通費も自己負担となります。
災害による欠航、運休、通行止め等で現地入りできない場合も想定されます。
また、レンタカーは、被災者の自家用車の流失や故障、救援車両としての利用の増加で、車両不足が生じます。ガソリンなどの燃料も品薄で、入手しにくくなります。

4 安全の確保について
活動への参加や活動期間は、家族等に必ず伝えて出発してください。
また、万が一の事故・ケガに備えて、出発地の社会福祉協議会で、ボランティア活動保険へ加入してください。
熊本地震による災害では、地震による事故やケガも補償する天災タイプのボランティア活動保険への加入が必要です。
災害ボランティアセンターでは、加入を義務付けています。
補償内容や保険料など詳しいことは、お住いの市町村の社会福祉協議会にお問い合わせください。

5 未成年者の参加について
保護者や引率者のいない高校生以下の方の参加については、押印のある保護者の同意書の提出が求められる場合があります。

6 主な活動内容について
地震、噴火、津波、河川の氾濫、豪雪など災害の種類等によって活動内容が異なる場合もありますが、主な活動は次のとおりです。
(1) 被災者の住居のあとかたづけ、敷地内や住居内の汚泥の除去
(2) 避難所でのお手伝い(食事のお世話、救援物資の配付など)
(3) 救援物資の仕分け(衣料、飲料、食料品、衛生用品などに分ける作業)
(4) 災害ボランティアセンターの運営のお手伝いなど
* 詳しくは、被災地の災害ボランティアセンターのホームページ等でご確認ください。

7 活動中の「10の心がまえ」
(1) 被災地での活動は、現地の災害ボランティアセンターの指示に従って行動してください。
(2) 残念ながら、被災地ではボランティアをよそおった窃盗や詐欺などの犯罪行為をする人たちもいます。被災者に不信感を与えないように、災害ボランティアセンターで用意された名札をキチンとつけてください。また、活動現場に到着したら、身分証などを提示しながらの自己紹介をおすすめします。
(3) 休憩時間には、被災者や一緒に活動するボランティアに、自分の住んでいる地域や出身地の歴史や伝統、文化、方言、暮らしぶり、自分の趣味などを紹介して、コミュニケーションを深めましょう。連帯感や友情が深まり、「絆」が生まれます。チャレンジしてみましょう。
(4) ボランティアも人間です。無理をせず、こまめに休憩や水分補給をしましょう。夏場の水分補給は20~30分おきに、のどが渇いていなくても補給するよう心がけてください。
(5) 作業に危険を感じた場合は、「できません」「無理です」「災害ボランティアセンターから、してはいけないと言われています」とハッキリと断りましょう。
(6) ボランティア活動には、「約束を守る」というルールがあります。安易に「できます」「やります」と約束せず、少し無理する場合や、わからないことがあれば、速やかに災害ボランティアセンターに問い合わせてください。
(7) ボランティアが頑張っているので、疲れているのに一緒に無理して作業を手伝おうとする被災者もおられます。「私たちボランティアが来ている時くらいは、ゆっくり休んでください」と気配りしましょう。
(8) 被災した家屋の前でのボランティアの集合写真の撮影や、被災者との記念撮影をお願いする行為は、被災者の心情を考慮して絶対にしないでください。
汚れたり壊れたりしている被災者宅の品々は、ゴミやガレキではなく、被災者にとっては『思い出の品』です。「捨てていいですか?」「どうしましょうか? 」ではなく「洗って、とっておきましょうか?」と尋ねましょう。
(9) ゴミ袋を携行し、ボランティアのゴミは必ず持ち帰ってください。
被災地や被災者宅は、災害ゴミであふれかえっています。これ以上のゴミを被災地に増やさないことも大事なエチケットです。
(10) 災害ボランティアセンターに行っても作業がない場合もあります。作業がないからといって怒らないでください。それは、たくさんのボランティアが参加しているからで、喜ばしいことでもあります。「待つこともボランティア」なのです。

8 問合せのマナーについて
被災地の市役所や役場、災害ボランティアセンターに安易に電話や電子メールで問い合わせることは、できる限り控えてください。
被災者からの「助けてください」などの問い合わせの電話がかかりにくくなる恐れがあるからです。
メールも回答するのに時間や手間がかかることから、かえって迷惑になります。
このため、被災地の情報を入手する際は、まず初めに、被災地の市役所や役場、社会福祉協議会、災害ボランティアセンターのホームページをしっかり閲覧しましょう。
東日本大震災以降の災害では、停電や冠水などによりパソコンが使えなかったことから、携帯電話やスマートフォンなどの携帯端末による情報発信が積極的に活用されています。特に「ツイッター(twitter)」には、災害ボランティアや物資の募集などの被災地支援の情報がタイムリーに発信されていますので、情報収集にお役立てください。そして、これらの方法でも情報が不十分な場合に限って電話による問合せをしてください。
「できる限り電話やメールをしない」という「配慮」もボランティア活動のひとつです。

(熊本県災害ボランティアセンターのホームページより引用)

投稿者: kameno 日時: 2016年5月13日 08:05

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