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本年は總持寺二祖 峨山禅師650回大遠忌の年にあたります。
10月の本法要の他、様々な法要や行事が行なわれますが、その一つとして作曲家・池辺晋一郎氏による『峨山道 GASANSO』の公演が6月23日に開催されます。
これに先立ち、記者会見が行われました。
記念報恩公演 祈りの調べ 池辺晋一郎と僧伽の出逢い 記者会見(要旨)
本公演は、 總持寺における『大悲心陀羅尼』の独特な読経法「大悲真読」と作曲家・池辺先生とのコラボレーションによる新曲「峨山道」の世界初演となる。
記者会見で、池辺晋一郎先生 は、「真読の読経は細かく時間構成が決まっており、真読のテンポに合わせ前奏と後奏のオーケストラ部分を作曲している。 このような作曲経緯は体験したことがなく非常に興味深くもあり、難しくもある。現在誠心誠意すすめているところである」 と述べられた。また菩提寺が曹洞宗であること、峨山禅師がお生まれになった能登にはお仕事で頻繁に足を運ばれ、石川県立音楽堂では10年以上洋楽監督を務められていること、鶴見の總持寺にも近い横浜みなとみらいホールでは数年前から館長さ れていることなど、曹洞宗並びに大本山總持寺とは、非常に不思議な御縁を感じられていると話された。
また、峨山禅師の両箇の月の教えになぞらえ、自身のモットーとして一つの事象に対して一つの視点だけでなく別の視点を試みることを行なっている。これを善玉ダブルスタンダードと呼んでいる。別の視点により、そのものがさらに輝きを増すと感じている。この考えで作曲を進めている、と補足された。
乙川監院 は、この新曲に対する期待感について如浄禅師から道元禅師、瑩山禅師まで5代のお祖師方が祀られる永光寺五老峰について 触れ、「峨山道には、峨山禅師が直接歩かれたイメージもあるが、それだけでなく5人の先師の教えを自分に深く刻み、自己 の立場を確認する作業があったと確信する。法を訪ねる歩みが大いなる足音である。池辺先生は能登にも深い御縁があり、そこで研ぎ澄まされた池辺先生の感性によって、「峨山道」が曲に乗ってさらに伝播していくことを期待する」と付け加え、記者会見は閉会した。
(2015年3月25日 於 京都市センチュリーホテル)
大悲真読とは、總持寺二祖峨山禅師が永光寺を兼務していたころ、毎朝未明に羽咋・永光寺の朝課を勤めてから、能登半島を南北に貫く峨山道を辿り走り抜け、能登・總持寺の朝課に駆けつけた伝承(峨山往来)にもとづき、總持寺で朝課において読まれる大悲呪を非常にゆっくり読む読経法のことです。
現在の大本山總持寺でも受け継がれています。
大悲真読の動画が↓こちらです。(24:50あたりから)
6月23日の公演を是非ご覧いただけますようご案内いたします。
オススメの公演です。